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2020.02.27

災害時の避難に備えよう!犬のための備蓄品

災害はある日突然、起こります。そんな災害を飼い主と犬がともに乗り越えるためには、日頃からの「備え」がとても大切。
今回は犬と暮らす家庭ならではの備蓄品をご紹介します。犬たちを守れるのは、飼い主だけ。いざというときに慌てないよう、今から十分な準備をしておきましょう。

災害時のための備蓄品は犬の分も用意しよう。

近年、全国各地で予想以上の自然災害が発生しています。これを受けて「防災備蓄品を家に置きましょう」という声がよく聞かれるようになり、実際に備蓄品を用意する家庭も増えたといいます。また、災害だけではなく、外出できない状況に陥ることもあるので、犬と暮らす家庭が考えておきたいのが犬用の備蓄品です。

もしものときは救援物資があるから大丈夫、と思われるかもしれませんが、緊急事態のときは、どうしても人命が優先になります。ペット用の救援物資はなかなか届かなかったというケースも実際に起きています。犬用の備蓄品を入れた専用の持ち出し袋を作っておくことが、大切な家族である犬たちを守る第一歩になります。

避難時に「必須」の犬のための備蓄品

人も同様、犬用の備蓄品も優先順位をつけて効率よく準備することが大切です。必須とも言えて優先的に入れるべきは薬や食料など犬の健康や命にかかわるもの。次に、避難所での生活を見据えて、ペットシートやストレス発散のためのおもちゃなどの用品を詰めていきましょう。今回は、必須となる備蓄品を優先順位をつけてご紹介します。

■優先順位1 健康や命にかかわるもの

●薬
持病を抱えている犬にとって、動物病院から処方されている薬はまさに命にかかわるもの。持ち出し袋に入れたままにするのは難しいので、日頃から数日間分は置き場所を決めておくか、別の容器や袋に保存しておき避難時に忘れず持ち出しましょう。

●水
備蓄用の水は人間用と併用できるので、多めに準備を。最近ではミネラルウォーターの過剰摂取によってオシッコトラブルが引き起こされる可能性は否定されていますが、オシッコトラブルなどに不安がある犬たちの場合は、軟水を用意しておくとより安心かもしれません。

●いつものドッグフード
ドッグフードは水とあわせて少なくとも5日分、できれば7日分が望ましいとされています。食べ慣れているドッグフードが基本ですが、避難生活のストレスでいつものフードを食べなくなる場合も。犬の様子に合わせられるようドライフードとウェットフードの両方を備蓄しておくと安心です。また備蓄品では、持ち出しやすく、かつゴミが増えにくいレトルトパウチやテトラパックがおすすめです。緊急時は犬たちのための「水」が十分ではなくなる可能性もあるので、水分量が多いウェットフードが役立ちます。

●食器
食器は食事用と飲み水用の2つを用意。折り畳みタイプなら持ち出しにも便利です。

●首輪・リード
伸縮するリードやロングリードは、犬をコントロールしにくいため、避難所などでの使用は避けるのが賢明。身元を表示するために首輪もかならずつけておきます。

■優先順位2 ペット用品

●ペットシート
犬のトイレ対策には、吸水性のあるペットシートが便利。マーキング癖のある犬にはマナーベルトやおむつを備えておくのも方法のひとつです。

●排泄物の処理用具
ウンチ用の袋のほか、新聞やウェットティッシュもあると役立ちます。他者に迷惑をかけない配慮が必要です。

●タオル・毛布
避難所などの慣れない環境でも、自分のにおいがついたタオルや毛布など、普段使い慣れているものがあると犬も安心します。余力があれば持ち出しましょう。

●おもちゃ・おやつ
避難生活のストレス解消グッズとして、お気に入りのおもちゃや、ガムなどストレスを解消できるおやつを用意しておくのもおすすめです。

犬の情報もきちんと備えて、持ち出そう

突然の災害では、犬と離れ離れになってしまうかもしれません。はぐれてしまったときに必要になるのが「犬の情報」です。必須アイテムとしては鑑札と狂犬病予防注射済票。この2つは装着が義務付けられているもののため、きちんとついているか今いちど確認を。いざ、というときに飼い主以外の人が犬たちを判別する大切な手掛かりになります。
この2つに加え、飼い主の連絡先がわかる迷子札を日頃からつけておくことも、備えのひとつ。また犬を探すときの手がかりになるよう、犬の写真もつねに携帯しておきましょう。

緊急時は、家族以外の人に犬のお世話をお願いする可能性がありますし、避難所で巡回の獣医師が診察することもあります。そんなときにすぐに対応できるよう、ワクチンの接種状況や既往歴、健康状態や、かかりつけの動物病院などの情報をまとめて記録しておいたメモやノート、またはその中身を携帯の写真で一枚一枚撮影しておくと、便利です。

おわりに

犬種はもちろん、体の大きさ、食の好み、性格など、犬によって個性はさまざまです。1頭として同じ犬はいません。そのため犬に必要な備蓄品は、飼い主が準備することがベストです。いざというときはどこで集合するのか。必要な備蓄品はなにか。どうすれば落ち着くだろうかなど、まずは家族でよく話し合い共有することが、いざという時の行動スピードにつながっていくと思います。