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2020.03.16

犬の尿pHの適正値とは?ストルバイト予防に知っておきたいこと。

犬の尿pHの適正値とは?ストルバイト予防に知っておきたいこと。

犬に多いお悩みのひとつがオシッコトラブルに関するものです。寒い時期には、膀胱炎やストルバイト結晶などのお悩みについてのご相談が多くなってきます。
暖かくなってくると、次第に相談の件数は減ってくるのですが、再び寒くなった時など季節の変わり目にぶり返さないためにオシッコトラブルの予防として、犬の尿pH値についてや食事に関して知っておきたい基本的な情報をご紹介します。

犬のオシッコの回数の目安のチェック


犬たちのオシッコは、普段当たり前のように1日に何回もしている行動なので、注意深く観察するという意識はなくなっていくかもしれません。パピーのころは、どうしても膀胱に尿を溜めることができないので、何度もオシッコをしてしまうものですが、成犬になると回数は大きく減ります。

トイレが室内にあれば、トイレの回数やトイレでの様子も確認しやすいですね。
個体差もありますが、室内で暮らしている犬の場合は、大体1日に5回前後のオシッコをすることが多いようです。これを基準として、「最近回数が減っているな」と感じるようであればトイレシートの色をチェックしたり、トイレでの様子を観察してみてください。
膀胱炎やストルバイト結晶の初期の特徴である血尿や頻尿などの症状に早めに気が付くことができるかもしれません。

犬の尿pHの変化と犬の食事について

過去にストルバイト結晶やシュウ酸カルシウム結晶などのオシッコトラブルになった犬の再発予防として、尿pHを計測してチェックをしているという飼い主さんもいらっしゃるかと思います。
犬の尿pHをチェックする際に使用するのが、pHチェッカーやpH試験紙といわれるものです。この紙は酸性からアルカリ性までを調べることができるので、犬の尿pHが今どんな状態なのかを知ることができるというもの。

尿pHを調べる時は食後すぐではなく、犬が朝起きてから最初にした尿で調べることをオススメしています。
犬がご飯を食べると強い酸性を持っている胃液が分泌されます。胃液で溶けた胃の内容物は当然酸性なのですが、小腸で栄養を吸収させるために膵臓(すいぞう)からはアルカリ性の膵液(すいえき)が分泌されます。これらの消化液や食べ物に含まれているミネラルの影響を受けて、尿pHは著しく変化してしまいますし、食事の内容によっても尿pHが変化してしまいます。

しかし、犬が食後に遊んだり適度な運動をすることによって血液中に乳酸が増加したり、睡眠時に尿pHを酸性にする働きによって、犬の尿は膀胱の中で徐々に弱酸性に傾き、安定するといわれています。

犬のストルバイト結晶の予防という観点では、膀胱内のpHの調節がきちんとできているか、を確認するのがポイント。朝、起きてから最初にするオシッコの状態が適正な弱酸性になっているかを確認してみてください。

犬の尿pH値の適正値について

では、犬の尿pH値はどれくらいであれば適切だといわれるのでしょうか?

健康的な犬であれば、尿は中性から若干酸性よりのpH6~6.5が理想とされています。犬の尿pH値をチェックする際には、pH試験紙やpHチェッカーをよく確認して、数値がこの範囲に近いかどうかをチェックするようにしてくださいね。

極端にアルカリ性や酸性になっていることが分かっても、原因はさまざまです。食事の内容が偏っていたり、雑菌が繁殖しやすいアルカリ環境を作ってしまう膀胱炎などによって尿の中の成分が偏り、pH値が変わっていることもあります。もちろん、何かしらの病気が原因になっている可能性もあります。
こまめに犬たちの尿pHを確認したうえで、獣医師に相談することで犬たちの膀胱炎・ストルバイト結晶などのオシッコトラブルを予防し、健康維持に役立てていきましょう。

おわりに

今回は犬たちのオシッコトラブルの予防のために知っておきたい基本的な情報をご紹介しました。寒い間に起こりやすいこれらのトラブルですが、暖かくなると同時に症状が落ち着き、ご相談も減っていきます。しかし季節の変わり目にぶり返すのを防ぐためにも継続して尿pHなどをチェックしていくことがオススメです。特に一度結晶などが出来てしまった犬の場合は、繰り返してしまうことも多いので注意してオシッコの様子を見てあげるようにするのがいいと思います。
犬がより長く、健康的に楽しく過ごしていくためにも、毎日の習慣としていきたいですね。

犬のオシッコトラブル予防のお供。

犬のオシッコトラブル予防のお供。

ロールpHチェッカー

ロールペーハーチェッカーは、手軽に精密なpHチェックを行うことができるテープ型pHチッカーです。
1回に3cm程の使用で約120回程度使えます。
尿pHは食後胃酸の影響でアルカリに傾くため、食前の尿でチェックすることをお勧めします。犬の朝食前の健康的な尿pH値は6前後と考えられています。

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ちょっとブレイク ポチっとクイズ

DOG's TALK

問題

ストルバイト結晶などのサインになる尿pHですが、犬の尿pHは1日で変化する?〇か×、どっち?

回答

犬の尿pHは、食後すぐにアルカリ性に傾き、その後時間経過や運動、睡眠などを通して徐々に酸性に傾いていきます。犬のストルバイト結晶の予防という観点では、膀胱内のpHの調節がきちんとできているか、を確認するのがポイントになります。