- コラム
- コラボ
2025.10.27
目指せ!散歩で筋肉痛 飼い主のための最強トレーニング(3)《RETRIEVER + POCHI archive037》
撮影=伊東武志
構成・文=RETRIEVER編集部
「RETRIEVER」は、ゴールデン、ラブラドール、フラットコーテッドを中心とした、レトリーバー種の専門誌。
陽気で明るい性格は家族に笑いをもたらし、豊かな表情は言葉が通じなくてもコミュニケーションを可能にしています。
何と言っても、人間に対する愛情がとても深い。そんな犬種との暮らしを紹介する「RETRIEVER」さんの素敵な記事をピックアップしてPOCHIバージョンでご紹介。
犬種が違っても読めばきっと皆さんのドッグライフがより充実したものになるはずです。(POCHI編集チーム)
強度:低〜高 難易度:★★★トレーニング6 ジョグ&ダッシュ
健康づくりや運動前後のウォーミングアップ・クールダウンとして、人と話す余裕があるくらいのペースで走るのがジョギングです。体への負荷は低強度で、時間の目安にして20分以上走り続けることで効果が出てきます。長時間継続して行う有酸素運動は、心臓や肺の機能が強化され、血液循環や代謝向上にも役立つとされています。そしてダッシュは、短い時間で高強度の負荷を体にかける酸素運動で、筋力トレーニングと同質の効果を得ることができます。これらを犬の散歩に取り入れる際、特に注意したいのがダッシュです。人につられて犬のテンションが上がり、走れば犬のほうが速く、転倒などの危険もあるので、犬のヒールポジションがしっかりできていることが必須です。
ポイント1正しい姿勢で
腰やヒザに負担がかからないよう姿勢はまっすぐにし、肩の力を抜いた状態で、重心を高い位置に置くことを心がけましょう。呼吸がしやすいようアゴは引いた状態で走ります。
ポイント2正しいフォームで走る
頭を上げ、胸を張って体をまっすぐにした状態のまま前傾姿勢で走り、胴体は動かさずに腕をしっかり振り、ストライドは広く、 つま先で地面を強く蹴って進んでいきましょう。
ポイント3転倒に注意
転倒したり具合が悪くなることもあるので、普段から意識的に運動していない人は、いきなり全速力で走らないようにしましょう。またダッシュ中に下を向くとバランスが崩れ転倒の原因になるので、犬を見ず前を向いて走ります。
強度:高 難易度:★★★★★トレーニング7 バーピー
立った状態から腕立て伏せの姿勢になり、立ち上がる流れでジャンプするという、全身を使った運動方法が「バーピー」です。筋力を鍛えることにもなりますが、実際には、脊髄反射の一つである筋肉の伸張反射という働きを使って瞬発力を向上させ、プライオメトリクストレーニング的効果が高いです。やってみると実感しますが、これでもかと重力に反する動きをするだけに、とにかくハードです。ただその分、短時間で効率的に脂肪燃焼できる他、体力の向上にもてきめん。また場所を取らず、トレーニング道具も必要なく、自宅でも、もちろん散歩先でもできるという取り組みの手軽さもあります。その際、犬と一緒にアップ、オスワリ、フセの「ポーズ」で一緒にやってくれたら、何よりのモチベーションになるでしょう。
■ HOW TO――
1:直立した状態から、
2:しゃがんで両手を地面に着き、
3:両足を後ろに投げ出しお腹をつけた腕立て伏せのような状態になります。
4:足を戻して立ち上がり、
5:直立の姿勢に戻ったら、 軽くジャンプして頭上で両手をたたく。
以上で1セット。これを10回× 3 セット行えたら完璧!
column:シニアになっても適切な運動を続けることが大事
過去に掲載したランジ・ドッグダンスのスラロームや、バーピーのポーズなどは、シニア犬でも十分楽しむことができ、加齢とともに狭まった可動域を広げることや筋肉キープにも効果を発揮してくれるオススメのトレーニングメニューです。また、ダッシュなどの激しい運動は難しくとも、パルクールなら坂道やあえて足場の悪い場所を歩くなど、シニアになっても楽しむことができます。正しい姿勢を意識したトレーニングで体全体の筋肉とそのバランスを保つことができると、長く自分の足で歩くという、健康長寿につながっていきます。一方で、犬の介護が必要になった時には、トレーニングで手に入れた飼い主の体力が本領を発揮することになるでしょう。 犬が若い時は思い切り一緒に楽しむために、犬がハイシニアになってからは全力でサポートできるよう、今日からでもトレーニングを始めていきましょう。
過去記事
*1 目指せ!散歩で筋肉痛 飼い主のための最強トレーニング(1)《RETRIEVER + POCHI archive007》
*2 目指せ!散歩で筋肉痛 飼い主のための最強トレーニング(2)《RETRIEVER + POCHI archive016》
出典:『RETEIEVER』Vol.111/「最強のサンポ術」
*1 監修=山本忠昭。やまもとただあき。パーソナルトレーナー。ラグビーを筆頭に、野球、ストリートワークアウト、キックボクシングなどにも精通し、トレーニング歴は20年を超える。
*2 監修=浅野里美。あさのさとみ。犬との暮らしコンサルタント、ドッグトレーニングインストラクター。千葉県習志野市にあるドッグスクール「Perrito」主宰。応用行動分析学・犬の行動心理学に基づく正の強化をベースとしたトレーニングで犬と暮らす家族の暮らしをサポート。スケボーを乗りこなす愛犬・コーダと元保護猫のフィーユ、ガロ、メローと暮らしている。


