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2020.04.02

消化吸収を考えて、犬に納豆を与える方法。オススメのポイント

消化吸収を考えて、犬に納豆を与える方法。オススメのポイント


日本にはたくさんの伝統的な発酵食品があります。味噌やしょうゆといった調味料、麹や日本酒もそうですし、漬物も発酵食品です。
発酵食品は、体にいい食べ物として昔から親しまれていますが、その中でもごはんのお供として手軽に食べている発酵食品の代表と言えば、納豆。ニオイが強いので、好き嫌いが分かれる食材ではありますが、この納豆は犬にもオススメの食材のひとつ。人間用の食材を手間なくそのまま与えられるのも嬉しいところ。

手作り食に利用する方もいる納豆について、犬の健康管理に役立つ情報と注意点をまとめてみました。

犬に納豆がオススメの理由とは。

流通している納豆の主な原材料は、大豆です。大豆は言わずと知れた「畑のお肉」。ベジタリアンのメニューを作る際にも使用されるほど、タンパク質が豊富です。
しかし、それだけではなく納豆菌の発酵によって作られる納豆は、そのままの大豆や他の大豆加工食品とは少し違う特徴を持っています。この納豆固有の栄養が犬たちにとっても嬉しい存在という訳です。

■納豆菌はたくさんの活きた酵素を作る

納豆菌は、さまざまな酵素を作ることが知られています。
代表的な酵素としては、ナットウキナーゼと呼ばれるものがあります。犬のサプリメントにも使用されている酵素のひとつで、納豆菌だけが作ることが出来るといわれています。
このナットウキナーゼは、血液の流れをスムーズにする働きを持っているとされています。
また、ズブリチシンという酵素は乳酸菌と一緒に摂取すると乳酸菌の増殖をサポートし、腸内環境を整えてくれるのだとか。腸内環境を整えることは、お腹の調子を整えるだけではなく、免疫系の活性にも影響するといわれています。

■納豆菌はタンパク質をアミノ酸レベルに分解する

犬たちは肉や魚のタンパク質を体内に取り込んで、それを体のさまざまな細胞を合成したりする際に使用しています。犬に限らず、ほとんどの動物はタンパク質をそのままの形で体内に取り込むことはできず、胃腸などの消化器系で時間をかけてタンパク質を分解し、アミノ酸やペプチドと呼ばれるより小さな単位にする必要があります。お腹が弱い犬の場合、タンパク質量が過剰な食事を与えると、消化不良になりせっかくの栄養を取り込むことができないことがあるのです。
しかし、納豆の場合は大豆に本来含まれている豊富なタンパク質の一部を納豆菌が分解し、ペプチドやアミノ酸レベルにまで小さくしてくれるのだとか。これにより、同じ量のアミノ酸を摂取させるとして、肉や魚、あるいは大豆のような豆をそのまま与えた場合と、納豆を与えた場合では、納豆を与えたほうが胃腸や消化液を作る肝臓への負担を減らすことが出来ます。

納豆菌がタンパク質をアミノ酸に変換する働きによって、胃腸・肝臓の負担を減らすだけではなく、美味しさや食感が増します。

大豆アレルギーについて

*1 納豆もタンパク質なので、犬が体質的に大豆にアレルギー反応を示すこともあります。食物アレルギーで納豆を含む大豆が疑われる場合は、与える際に注意して獣医師さんに相談してみてください。

納豆を犬に与える時のポイント

犬に納豆を与える時、気になるのがそのニオイと粘り気です。犬は基本的に食事を食べる時にフードボウルに顔を突っ込んで食べるので、粘り気が強いひきわり納豆などでは、口の周りに納豆がついてしまい、ニオイのもとになることも。犬は猫のように顔を拭ったりすることが難しいので、飼い主が食後に拭き取ってあげた方がいいと思います。
ほとんどの犬は納豆の発酵したニオイが大好きですが、飼い主としては気になってしまうこともありますよね。

そんな時はフリーズドライ加工することで、においやべたつきを抑えた犬用の納豆なども販売されているので、これらのアイテムを使えば納豆の嬉しい栄養成分をしっかりと摂取することができます。

ポチでも、顔周りの毛が長い犬や、食にこだわりが強い犬などに与える時にオススメのアイテムをご用意しています。嬉しい成分だけを集めたパウダータイプのサプリメントや、食べ応えのあるフリーズドライなど、さまざまなタイプのものがありますので、犬の好みに合わせて選んでみてはいかがでしょうか。

オススメ納豆を使ったアイテム大集合

犬の消化吸収に良い納豆の与え方

基本的に、犬は納豆を消化吸収することが可能です。
手作り食を与える機会が多い飼い主さんの中には、豆類は消化吸収が悪いから、皮を外して潰してから与える必要があるのでは?と疑問に思う方もいるかもしれません。
納豆は納豆菌の働きによってタンパク質が分解され、消化吸収されやすくなっていますが、お腹の調子が安定しない犬に与えたい時には皮を取り除いて細かく砕いている「ひきわり納豆」を与えるとより安心ですよ。皮を取り除いていても成分的にはほとんど違いがなく、犬の健康に役立つ成分はしっかり取り入れることができます。

おわりに

実は納豆が好きという犬も多いのですが、ニオイが気になって与えたことがないという方もいるかもしれません。食べさせてみると想像以上に喜んでくれるというケースもあるかもしれませんね。
納豆はアミノ酸を摂取できるだけではなく消化をサポートして消化器系や肝臓などにも嬉しい効果が期待できます。手作り食やトッピングとして活用してみるのもいいかもしれませんね。