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2020.06.29

犬の分離不安と問題行動とは?飼い主に見せるサインはあるの?

犬の分離不安と問題行動とは?飼い主に見せるサインはあるの?

生活スタイルの変化などによって在宅勤務など、家で過ごす時間が増えた飼い主が多いといわれています。犬と一緒に家で過ごす時間が増え、絆が深まったと感じた方も多いのではないでしょうか。

しかし、再び以前のような生活を始めよう、とした時に犬の行動に変化が見られることはないでしょうか。それまではなかった行動や振る舞いをするようになってしまっていたら、家を離れようとする飼い主の姿に犬は不安を感じているのかもしれません。

今回は、犬が不安を感じている時の行動とその対策として始められる取り組みについてご紹介します。

■この記事を書いた人

DOG's TALK

POCHIのペット栄養管理士 岡安

ペット栄養管理士です。犬ぞりやフリスビーなど、犬とできるアクティビティが好き。大型犬を見るとテンションが上がります。

犬の心が不安になるときとは

犬の心は私たちと同じようにさまざまなものによって影響されます。とくに犬の心の中心には、大好きな飼い主と家族があり、できることなら少しでも長く一緒に居たい、と思っているようです。

ですから、それまではお留守番が当たり前になっている日々が、ある時から家族みんなが家で過ごす時間が長くなる、という変化が起こった時、犬は「不思議だな。でも嬉しいな!」と思ったことでしょう。

しかし、以前と同じようなライフスタイルに徐々に移行していくにあたって、その事情をきちんと理解してすぐに受け入れる犬はそう多くはないかもしれません。

家族みんなで一緒に過ごせない時間に寂しさを感じるほか、それまでの日常が変わってしまうことに困惑したり、ストレスを感じてしまうことが考えられます。私たちにしてみれば以前に戻っただけ、なのですがやはり犬にとっては大きな変化。モヤモヤとした気持ちを上手く表現できずに、それまでにはなかった行動や飼い主の気を引こうと困らせるような行動をしてしまう犬もいます。
また、以前から飼い主に過剰に執着したり、他の犬に強い嫉妬心を持つ、どんな環境でも落ち着いて過ごすことが出来ないなどの傾向がある犬もいますね。

こういった行動を「問題行動」「分離不安」と呼ぶことがありますが、犬には犬なりの理由があって行動しています。ストレスやモヤモヤした気持ちを表現する行動は犬によってさまざまですが、「不安な気持ち」が共通していることが多いようです。

分離不安を持つ犬が飼い主にとる行動

犬の心が不安定な分離不安の状態になっている時、飼い主が留守にしたり、外出しようとする際にはどのような行動を取ることがあるのでしょうか。


・足先や尻尾などを舐め壊す、かじってしまう
・(飼い主が見えなくなっても)大声で吠える、騒ぐ
・周囲のものを壊す、八つ当たりする
・トイレ以外の場所での排泄
・落ちているものを誤飲してしまう
・網戸などを破って外へ出ようとする
・強いストレスのためにお腹を壊す


これらの問題行動は、犬が飼い主と一緒に過ごせない状況に強いストレスを感じ、それを発散させたり飼い主の気を引くために起きると考えられています。
また、家族に置いて行かれてしまうという不安感だけではなく、環境が変わってしまうのではないかという心配や、(留守番中に雷が落ちたなど)留守番にトラウマのようなものを感じている犬もこれらの行動が見られるケースがあります。

犬の体調だけではなく、家族の生活やご近所との関係に影響してしまいそうな場合には、動物病院で心を落ち着かせる薬を処方してもらうこともできます。

これらの行動は、犬も困惑してしまっていたり、パニックになっていることも多いので叱りつけるようなことをするのはあまり意味がありません。犬が飼い主と離れて過ごすことに慣れたり、穏やかに過ごせるよう、留守番のための訓練やトレーニングをするなどのサポートをしていくことが大切です。

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POCHIのペット栄養管理士 岡安

また、犬と一緒に過ごしている時「飼い主の後を常に追いかけ、トイレや個室の中にも入ろうとする」、「飼い主の姿を常に探してウロウロと室内でも落ち着かない」といった行動をとる犬もいますが、単に甘えん坊なだけの場合もありますし、犬の体調やご近所への影響が出ていない限りは、「仕方ないなー」と少し大目にみてあげる方が犬と家族の両方にとってプラスになるのかな、と思います。

分離不安の犬の心をケアするために。

ある程度の年齢を重ねた犬なら飼い主と離れても必ず帰ってくるとわかっていて、留守番に慣れて自分のペースでまったりと過ごしたり、お昼寝したり、お気に入りのオモチャを好きなだけかじってみたり、一人で過ごす方法が分かるようになってきます。

もちろん、犬の個性にもよりますが、犬は適応力を持っているので徐々に慣れていくことが多いです。


飼い主と離れることでパニックになってしまったり、困った行動をしてしまう犬たちに始められる取り組みとしては、まずは落ち着かせることがポイントです。気持ちを静めて、穏やかに過ごすことで大きくなる不安を小さくしてくれるかもしれません。
犬が不安を感じていたり、落ち着かない傾向がある時に飼い主ができることのひとつにハーブを活用することがあります。毎日続けることで、穏やかに過ごせるようなサポートアイテムとしてご活用してみてはいかがでしょうか。

DOG's TALK

犬も賢い動物ですから、飼い主が一度家を出てしまった飼い主もやがて戻ってくることをきちんと理解することができます。
一般に子犬~若犬の分離不安は犬の退屈から発生していることが多いと言われます。留守番中にスマホから犬の様子を見ることができて、ときにはあらかじめフードやオヤツなどをセットしておけば、粒が飛んでくるというような最新アイテムなども販売されていますので、適度に刺激を与えることで分離不安が解消できるお役立ちアイテムになるかもしれません。

おわりに

今回は犬が不安を感じている時にとる行動と、犬の分離不安を和らげるためにできることについてご紹介しました。

一見すると犬の困った行動はイタズラや飼い主を困らせようとしてやっているように見えることもあり、思わず叱ってしまったりしつけの問題かと考えて、悩んでしまう飼い主も多いと思います。
でも、言葉を話すことができない犬たちの行動は大切なメッセージが込められていることも多いので、まずは普段の暮らしと変わったことはなかったか、犬の様子を改めてチェックしてみるのも良いかもしれませんね。
引っ越しや家族が増えたなど、環境的な要因が考えられるときには、サプリメントなどを取り入れてみることが犬の心の安定につながるケースもあります。犬との接し方の工夫と、役立つ成分をうまく組み合わせてより良い暮らしに結び付くことを祈っています。