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2020.11.18

犬も傷んだ食事でいわゆる食中毒になるの?~犬の健康管理コンサルTips #31

犬も傷んだ食事でいわゆる食中毒になるの?~犬の健康管理コンサルTips #31

犬たちの毎日の暮らしを少しベターにするTipsを、POCHIのコンサル担当のスタッフたちがお届けします。

*1 ご相談内容は一例であり、犬たちの生活習慣や体格、体質などによって差があります。

~犬も食中毒になることはありますか?~


<とあるご相談内容>
犬は生肉などを食べることができますが、食べ物が原因で食中毒になることはないのでしょうか?

DOG's TALK

POCHI スタッフ OKAPY

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犬ぞりやフリスビーなど、犬とできるアクティビティが好き。大型犬を見るとテンションが上がります。

■犬は食中毒になるの?

結論から言ってしまうと、野生の暮らしをしている「犬」という動物で考えると、人間の食中毒と同じような状態になる可能性は低いですが、私たちと暮らす犬は注意が必要だと思います。
食中毒は、菌そのものや食べ物で毒素を作り出す菌が繁殖してしまい、その毒素を取り入れてしまうことで起こりますが、犬は人間と比べると強酸性(pH1~2)の胃酸を持っていて、食中毒の原因となる菌を胃の中で殺すこともできるといわれているからです。(※ただし細菌によって作られた後の毒素までは胃酸で分解はできません)
犬は野生の暮らしの中で、より強い野生動物が食べ残した獲物を食べたりすることもありました。この食べ物を日常的に食べているうちに、そして骨や筋などの部位も消化できるように強い胃酸を持つようになったと考えられています。

しかし現代の犬は、野生時代のような腐敗した食べ物を食べていません。ですから、野生時代と同じ基準を当てはめるのではなく、飼い主は万が一の事態が起きないように、注意したいところです。

犬の殺菌能力を持つ胃酸が弱くなっていたり、胃酸そのものの分泌量が少なくなっている個体も見受けられるので、とくに体力が弱いパピーやハイシニア犬の場合は、菌が付着した食べ物を食べることで人間の食中毒のような下痢、嘔吐などがみられることがあります。これらの症状がみられた場合は、動物病院で獣医師による治療が必要となります。

 

■犬の食中毒の原因となる細菌について

犬の食中毒を引き起こす細菌の代表的なものは、サルモネラ、カンピロバクター、ウエルシュ菌などがあります。

生の鶏、豚、牛にもサルモネラ菌やカンピロバクターが生息していますが、30~40℃において極めて速く増殖するといわれています。暑い時期の室温でとくに増えやすいので、長時間犬のごはんを置いたままにしておくことは避けたいですね。

ちなみに、水分量が多いウェットフードやレトルトタイプのドッグフードは、一度加熱調理してあるので、食中毒の原因となる菌は殺菌されています。ただ、開封後は菌が繁殖しやすくなるのでなるべく早く使用するのがオススメです。
ドライフードでも水分は含まれていますので、湿度が高く高温の環境で長く置いておくとカビが発生してしまうことがあります。
ちなみに、古いドッグフードなどの酸化した油に含まれる物質によって下痢などが起きることもあり、これも一種の食中毒に含まれる場合があります。

 

■犬の食中毒を避けるための対策

食中毒は、菌の繁殖を抑えることと、菌が繁殖する前に食べさせることが対策になります。

犬の手作り食を与えるときには、加熱調理(中心部の温度が75℃ で1分以上)をして、なるべく早く食べさせるようにしましょう。(公益社団法人 食品衛生協会による)
とくに手作り食では、包丁やまな板、食器などに菌が付着してしまうこともあるので、清潔に維持しながら、定期的な消毒を行うことで菌の繁殖を抑えることができます。

ドライフードの場合、使い切りの目安、保存期間の具体的な目安などはありませんが、なるべく早く使い切ることが基本です。お買い得なことが多い大袋なども、計画的に使用していく必要があるので、うちの子の食べる量を確認しながら、使っていくのがオススメです。

また、繰り返しになりますがウェットフードやレトルトを与えるときも、なるべく早く使い切るようにしてください。保存が必要な場合は、蓋やラップをして冷蔵庫で保存しましょう。
ウェットフードなどを使い切れない時には、冷凍させるのもひとつの方法です。

■まとめ

犬は胃酸が強く、野生ではスカベンジャー(掃除人)としてたくましく生きてきた動物です。ですから、本来は人間と比較すれば傷んだ食事などが原因で体調を崩す可能性は低いといえます。
しかし私たちと一緒に暮らしている犬たちは野生の暮らしをしているわけではありませんし、個体差もありますから傷んだ食事で体調を崩す犬もいるかもしれません。ドライフードやウェットフードを与えていても、保存環境によっては犬の体調に影響することも考えると、注意が必要といえます。
食中毒は飼い主の気遣いである程度防ぐことができる病気です。使用する食器や食材の衛生環境、食事の与え方などに注意を払って防いでいきたいですね。