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2021.03.18

ドイツの街角から ~ドイツの現在の動物病院事情について~

ドイツの街角から ~ドイツの現在の動物病院事情について~

*1 この記事を書いた人:pochinski スペインのマジョルカ島で保護され、家族になった犬と現在ドイツで暮らす旅行&ファッションライター。趣味は犬の絵を描くこと、犬の首輪や冬用のセーターを作ること、たまに犬の手作り食やケーキ作りも。犬と暮らす日常のひとコマを不定期にお届けします。

わが家の犬、ポチンスキーは病気やケガとはほぼ無縁で、動物クリニックにお世話になることは年に1度のワクチン接種くらいです。今年もワクチン接種が2月にあり、今回はそのお話をしようと考えていました。ところが、今年は2月だけで3回も動物クリニックに通うことに。というのも、ワクチン接種の事前健診で精巣に腫瘍が見つかったからです。

結果としては、腫瘍は良性のもので、私たち家族もポチンスキーもほっとひと安心したところですが、思えば、わが家にポチンスキーがやってきたのは生後8カ月のころ。当時、ポチンスキーは極度の怖がり屋で、他の犬に対して全く攻撃的にならないことなどもあって、あえて去勢をせずにいたのです。が、今回は獣医師のアドバイスに従い、去勢をして腫瘍を取り除くことになったことをきっかけに、ドイツのコロナ禍での動物病院事情をお話したいと思います。

 

受付から支払いまで、クリニックのスタッフとやりとりは窓越しで。順番が来ると、獣医師が屋外まで迎えに来ます。

ところで、パンデミックによる影響は動物クリニックにも及んでいます。
私たちが通う動物クリニックは感染症対策として、犬への付き添いは原則禁じられています。
飼い主は診察室のみならず、待合室や受付など、建物への立ち入りは許されておらず、屋外で待たなくてはなりません。
獣医師からは事前と事後に説明を受けますが、中で何が行われているかわからない、という状況は飼い主にとっては不安なもの。
私たちがこの獣医に通い始めたのは去年のワクチン接種からで、信頼関係も充分には築いておらず、なおさら心配です。
とはいえ、獣医師たちの対応は親切丁寧で、動物クリニック自体の評判も良いため、とにかく一切をお任せしました。

ポチンスキーの手術の請求書の一部。糸や薬品、モニターなど、使用したもの1つ1つの価格が出ています。明確な価格表示は信用にもつながりますね。


さて、手術を終えたポチンスキーは思いのほか元気。手術前は絶食していたため、お腹も減っていたのでしょう。夕飯はいつもの分量をペロリと平らげました。翌日以降はますます元気になり、食欲も変わらずおう盛です。13歳の老犬が去勢して大丈夫だろうか、人格ならぬ犬格は変わってしまわないだろうか、という心配も無用だったようです。

 


ただ1つ、縫合した皮膚をなめたりしないように、と与えられたエリザベスカラーの着用をかなり嫌がっています。居心地の悪さは容易に想像できますし、着用したまま歩くと壁や家具、樹木などにエリザベスカラーがコツン、コツンとぶつかり、わずらわしいのだと思います。その姿は可愛らしくて、ついつい笑ってしまうのですが。

 

気温-10℃になった翌週には暖かさが戻り、スイセンも咲き始めています。

今年は例年通りのワクチン接種のはずが、思わぬ手術になってしまいましたが、色々な検査なども行い、ポチンスキーの健康状態を改めて知る機会になりました。ポチンスキーももうシニア犬ですから、これからより一層健康を意識して過ごしていかなくてはいけませんね。