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2022.08.24

日本とは違う?ニュージーランドの人気犬種事情~南半球のDog's letter~

日本とは違う?ニュージーランドの人気犬種事情~南半球のDog's letter~

全世帯の約30%が1匹以上の犬を飼育しているニュージーランド。一体どのような種類の犬が暮らしているのでしょうか? ニュージーランド総務省の調べに基づいた2021年度の人気犬種をご紹介します。

DOG's TALK

この記事を書いた人:グルービー美子

この記事を書いた人:グルービー美子

ニュージーランド・オークランド在住のトラベルライター。JAL機内誌やガイドブック「地球の歩き方」などに寄稿。子供の頃から柴犬と暮らし、現在はサビ猫のお世話係。趣味はサーフィン。

NZ人気 第1位ラブラドール・レトリバー

海に山に、遊び場がたくさんのNZはラブと飼い主にとっては毎日が冒険!日本以上にアクティブな子も多いです。

海に山に、遊び場がたくさんのNZはラブと飼い主にとっては毎日が冒険!日本以上にアクティブな子も多いです。

第1位はニュージーランド国内で約4万1000頭が登録されているラブラドール・レトリバー。賢くてフレンドリーかつ運動が大好きという特徴があり、アウトドア愛好家の多いニュージーランドのライフスタイルにぴったり。公園、ビーチ、街中とあちこちで見かける犬種です。

NZ人気 第2位ハンタウェイ

奥の茶色い犬がハンタウェイ。もとは牧場などで活躍していた作業犬で、飼い主と何かをするのが大好きです。

奥の茶色い犬がハンタウェイ。もとは牧場などで活躍していた作業犬で、飼い主と何かをするのが大好きです。

日本では馴染みの少ないハンタウェイは、ニュージーランド原産の大型犬種。ボーダーコリー、ジャーマン・シェパード、ラブラドール・レトリバーなどをかけ合わせ、牧羊犬として作られました。
ブラック&タンなどのトライカラーが多く、耳は半垂れです。よく吠える傾向がありますが、十分な運動をすれば抑えられるとか。ただし性格は穏やかでコンパニオン・ドッグとしても人気があります。

NZ人気 第3位ボーダーコリー

知人宅のボーダーは、サーフボードの日陰でよくまったりしています。十分に遊んでいるためか、穏やかな様子をみることが多いです。

知人宅のボーダーは、サーフボードの日陰でよくまったりしています。十分に遊んでいるためか、穏やかな様子をみることが多いです。


イギリス原産の中型犬種。
並外れたスタミナとコマンドをすぐに理解する賢さをあわせもち、古くから牧羊犬として活躍してきました。活発で遊び好きなので、ニュージーランドではキャンプなど一緒にアウトドアを楽しみたい人のベストパートナー。海辺で暮らす私の友人もボーダーと一緒に暮らしています。

NZ人気 第4位ニュージーランド・ヘディングドッグ

右側のブラック&ホワイトの犬がヘディングドッグです。物静かな仕事人タイプの犬で、ドッグスポーツも大得意なアスリートです。

右側のブラック&ホワイトの犬がヘディングドッグです。物静かな仕事人タイプの犬で、ドッグスポーツも大得意なアスリートです。

ニュージーランド原産の牧羊犬種。牧場ではハンタウェイとコンビを組んで働くことが多く、それぞれ役割が異なります。ハンタウェイは後ろから吠えながら羊の群れを追い立て、ヘディングドッグは前からにらみを利かせて羊たちをコントロールするのが仕事。
ハンタウェイよりも少し小柄で、ほとんど吠えずに普段は物静かなのが特徴です。

NZ人気 第5位ジャックラッセルテリア

ニュージーランドでは小型犬もアクティブな傾向。オンとオフを切り替えて楽しむタイプかも。

ニュージーランドでは小型犬もアクティブな傾向。オンとオフを切り替えて楽しむタイプかも。

ここまで中~大型犬ばかりでしたが、5位にようやく小型犬のジャックラッセルテリアがランクイン。狭いスペースの主に都市部で人気のある犬種です。
小さくてもエネルギーいっぱいでアクティブな性質だから野外で一緒に遊びたい人にももってこい。都会で暮らしていても、アウトドア好きなニュージーランド人のニーズに合う犬種といえるかもしれません。

NZ人気 第6位スタッフォードシャー・ブル・テリア

マッチョな見た目に優しい心を併せ持つスタッフィー。ナニーは保育士、ベビーシッターの意味です。

マッチョな見た目に優しい心を併せ持つスタッフィー。ナニーは保育士、ベビーシッターの意味です。

「スタッフィー」「スタッフォード」とも呼ばれるイギリス原産の中型犬種。イギリスでは常にトップ5に入るほど一般的で、英国連邦に属するニュージーランドやオーストラリアでもよくみかけます。
 もともと闘犬だったためややコワモテですが、子どもに優しく、「ナニードッグ」との愛称もあるほど。がっしりとした筋肉質な体や飼い主に忠実な気質も人気です。

 

NZ人気 第7位ミニチュア・シュナウザー

自分よりも大きなラブラドールやハンタウェイなどと一緒に元気いっぱい駆け回るミニチュア・シュナウザーの姿をよく見かけます。

自分よりも大きなラブラドールやハンタウェイなどと一緒に元気いっぱい駆け回るミニチュア・シュナウザーの姿をよく見かけます。

ドイツ原産の小型犬。
日本でも人気が高いミニチュア・シュナウザーですが、ニュージーランドでもスタイリッシュなルックスで人気があります。小さな家やアパートメントの多い都市部でよく見かける犬種です。
小型でも運動欲が旺盛で、公園やビーチで駆け回っている様子を見かけます。

NZ人気 第8位ジャーマン・シェパード

元は牧羊犬でもあったシェパードは、ニュージーランドでは馴染み深い犬種。日本よりも大きな犬が多いのは、牧場や農場で作業をしてきた犬がルーツにあることが影響しているのかもしれません。

元は牧羊犬でもあったシェパードは、ニュージーランドでは馴染み深い犬種。日本よりも大きな犬が多いのは、牧場や農場で作業をしてきた犬がルーツにあることが影響しているのかもしれません。

日本では警察犬というイメージの強いジャーマン・シェパード。
ニュージーランドでは家庭犬として一般的で、2匹程度を多頭飼育している人もいます。

NZ人気 第9位アメリカン・ピットブルテリア

ピットブルのような特定の犬種では、しっかりトレーニングをしていても、口輪を装着するのはある種のマナーになっています。

ピットブルのような特定の犬種では、しっかりトレーニングをしていても、口輪を装着するのはある種のマナーになっています。

スタッフォードシャー・ブル・テリアから生まれたアメリカ原産の中型犬種。攻撃的というイメージを持つ人が多いかもしれませんが、トレーニング次第で非常によいパートナードッグになるそう。
ニュージーランドでは特別な届け出が必要になる特定犬種に指定されているものの、一緒に暮らすことは可能。ただしオークランドでは公園など公共の場に連れて行く際にマズルガード(口輪)の着用が義務付けられています。

NZ人気 第10位チワワ

以前よりも多く見かけるようになったチワワ。NZでも今後は少しずつ小型犬が増えるのかもしれません。

以前よりも多く見かけるようになったチワワ。NZでも今後は少しずつ小型犬が増えるのかもしれません。

都市部での人気が高まっている超小型犬種のチワワ。地方ではまだ珍しい犬種ですが、オークランドでは見かけることが増えてきました。ひと昔前までニュージーランドでは「犬といえば大型犬」という認識が強かったようですが、最近は変わりつつあるようです。

まとめ

ニュージーランドで人気の犬種TOP10をご紹介しました。小型犬が主流の日本とは異なり、中~大型犬が人気で、特に牧羊犬種が多いのが印象的です。これはアウトドアが盛んなお国柄と、犬は「かわいがる」というより「遊びのパートナー」「仕事の一端を担う存在」であるという意識の違いによるものでしょう。しかし最近は都市部を中心にアパートメントが増え、それに伴って小型犬もよく見かけるようになってきました。住宅事情やライフスタイルの変化に応じて今後は人気の犬種も様変わりしていくかもしれません。