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2022.10.06

ドイツの街角から ~ビールの国、ドイツの9月は...~

ドイツの街角から ~ビールの国、ドイツの9月は...~

*1 この記事を書いた人:pochinski スペインのマジョルカ島で保護され、家族になった犬と現在ドイツで暮らす旅行&ファッションライター。趣味は犬の絵を描くこと、犬の首輪や冬用のセーターを作ること、たまに犬の手作り食やケーキ作りも。犬と暮らす日常のひとコマを不定期にお届けします。

カラカラに枯れていた公園の芝生にも、雨のおかげで緑が戻ってきました。

カラカラに枯れていた公園の芝生にも、雨のおかげで緑が戻ってきました。

夏の日照りから一転、9月のケルンは雨がよく降りました。散歩にもジャケットやコートなしでは寒いくらいで、ポチンスキーにも防寒も兼ねたレインコートをさっそく作ったほどです。

そんな中、世界的にも知られるドイツのビール祭り、オクトーバーフェストが9月中旬から約2週間、ミュンヘンで開かれました。毎回600万人もの人々が訪れるという大イベントです。新型コロナによる中止が続いた後、今年は3年ぶりに開催とあって大変な盛り上がりをみせました。

スーパーで見つけたミュンヘン風ビール売り場。ミュンヘンがあるバイエルン州の旗にあしらわれている青と白をディスプレイに使っています。

スーパーで見つけたミュンヘン風ビール売り場。ミュンヘンがあるバイエルン州の旗にあしらわれている青と白をディスプレイに使っています。

オクトーバーフェストは、直訳すると「10月祭り」です。
元々は10月に開催していたものの、アルプス山脈に近いミュンヘンは10月になると気温も下がり、雪が降ることもあるため、天候が良い9月中に開催するようになったのだとか。
ただし、今年は開催中の気温は10~15度前後で、しかも雨が多く、最高のビール日和ではなかったかもしれません。

 

ポチンスキーをビアハウスに連れて行くと、店員さんから水やおやつをサービスしてもらうこともあります。

ポチンスキーをビアハウスに連れて行くと、店員さんから水やおやつをサービスしてもらうこともあります。




旧市街地には醸造所直営のビアハウスやレストランが多く、ケルンの住民や旅行者たちがたくさん訪れます。

旧市街地には醸造所直営のビアハウスやレストランが多く、ケルンの住民や旅行者たちがたくさん訪れます。

さて、私たちが暮らすケルンはミュンヘンからは遠く離れており、祭りの盛り上がりはほとんど届きませんでした。
それでも、デパートやレストランなどでフェアでも開いているかなと探してみたところ、結局見つけたのはスーパーの一角でミュンヘン風にディスプレイされていたビールやプレッツェルくらいです。

オクトーバーフェストには関心の低いものの、ビールはケルンでも消費量が多いアルコールです。
ビールの種類は何十、何百もありますが、ケルンで最も飲まれているのは「Koelsch(ケルシュ)」。苦みが少なく、ちょっとフルーティーでさっぱりとした味わいの地ビールです。

 


ケルシュはビールとしては珍しく原産地統制呼称、AOCを持っています。AOCとはシャンパンやボルドー、カマンベールなど、原産地で作られた食品のみが名乗れるもの。
ケルシュの場合、ケルン近郊で醸造されたビールのみが名乗ることを認められています。
現在、およそ25の醸造所、つまりケルシュブランドがあり、醸造所直営のビアハウスやレストランなどさまざまな飲食店で味わうことができます。

ビアハウスでは、ケルシュ1杯につき1本の線をコースターに書くのが一般的。写真のコースターは、4本の縦線と1本の打消し線で5杯オーダーしたことを意味します。

ビアハウスでは、ケルシュ1杯につき1本の線をコースターに書くのが一般的。写真のコースターは、4本の縦線と1本の打消し線で5杯オーダーしたことを意味します。

飲食店でケルシュを注文すると通常、「棒」や「柱」を意味する「Stange(シュタンゲ)」と呼ばれる0.2リットルの細長いグラスに入って提供されます。
0.2リットルというやや少なめの量と喉ごしのよさもあって、ついつい「もう一杯!」とおかわりしたくなるのもケルシュの人気の秘密かもしれません。