• コラム
  • 大きな犬と

2023.01.18

【#大きな犬と】レア犬種もたくさん!華麗なるドッグショーを楽しもう

【#大きな犬と】レア犬種もたくさん!華麗なるドッグショーを楽しもう

同じ犬でも小型犬と大型犬では、育て方や食事など気をつけたいポイントがちょっと違います。でも世の中にある知りたい情報は小型犬向けが多いのが少々残念…。そんな飼い主さんのために、大きな犬にフォーカスした、健康や食事や遊びといった暮らしの情報を集めて紹介します。(POCHI編集チーム・大きい犬班)



今回のお役立ち情報ドッグショー

2022年12月18日に開催された、FCI東京インターナショナルドッグショーに潜入取材。犬図鑑やインターネットでしか目にしたことのないレア犬種を実際に見られるだけでも、ショー会場はワクワクの空間です。さぁ、非日常のドッグショーの世界を一緒に楽しみましょう。

街では見ることもない犬種が勢ぞろい

ドッグショーは、犬種ごとの特徴と個性を守り後世に伝えるために、それぞれの犬種の理想像に近い犬を評価する場です。
理想像はスタンダード(犬種標準)として、犬種標準書などに記載があります。審査員はそのスタンダードと目の前の犬を比較しながら、審査をしていきます。

フラット・コーテッド・レトリーバーの歩様審査の様子

フラット・コーテッド・レトリーバーの歩様審査の様子

12月18日に東京ビッグサイトで開催された“FCI東京インターナショナルドッグショー”には、約900頭の犬が出陳しました。
どの犬も、魅力を最大限に引き出せるように、美しく整えられています。ハンドラーと息もぴったりにリングを颯爽と歩く姿も、見どころのひとつ。
ドッグショーのルールや豆知識に関しては、過去の記事「ドッグショーは胸躍る異空間! ドッグショーの楽しみ方ガイド」をご参照ください。
では、華麗なる大きな犬たちの姿を、ふだん目にする機会が少ない犬種のブリード審査をメインに、写真で追っていきましょう。

各リングの入口にはタイムテーブルがあるので参考になります

各リングの入口にはタイムテーブルがあるので参考になります

世界で最も背の高い犬種と、背中にたてがみがある犬種

規模の大きいドッグショーでは、ふだん目にすることがない珍しい犬種を見られるのが魅力です。

体高はメス79cm以上、オスは81~86cmが理想とされる、アイリッシュ・ウルフ・ハウンド。グレード・デンと並んで世界で最も体高が高い犬種のひとつです。名前のとおり、アイルランドで17世紀末まで、狼を狩猟するために用いられていました。現在は歩兵連隊のアイリッシュガーズが行進で伴うマスコット犬種としても知られています。


背中のリッジ(たてがみ)が特徴の、ローデシアン・リッジバック。FCI(国際畜犬連盟)に、アフリカ南部を原産とする犬種として唯一公認されています。ライオンを追うなど狩猟に携わった犬種ですが、現在は家庭犬や警備犬としても海外では人気。

似て非なる牧羊犬2種

FCI(国際畜犬連盟)での分類で第1グループの“シープドッグ&キャトルドッグ”では、大型犬が多数を占めます。
その中でも、犬に詳しくないと毛色と雰囲気が似て見える、オールド・イングリッシュ・シープドッグとビアデッド・コリーは、スタンダードに沿ってヘアセットされていることもあり、ドッグショーでは違いがわかりやすいと言えます。


ビアデッド・コリーは、その祖先の起源が約2000年前にさかのぼる英国の牧羊犬。口ひげが印象的です。歩様審査では、美しい被毛も観客の目をひきつけます。



オールド・イングリッシュ・シープドッグは、ビアデッド・コリーよりもサイズが少し大きめ。スクエアな外貌と、豊かな被毛が特徴です。

街ではあまり見ないシープドッグ3種

犬をよく知らないと思わず「なんという犬種ですか?」と聞きたくなるシープドッグの出陳もありました。
審査の直前と直後のリング外の様子も紹介します。

オーストラリアン・シェパードは、アメリカ原産の牧羊犬。多彩な毛色や、胸と首の飾り毛が印象的です。


原産地のハンガリーで、家畜の保護や防衛、番犬として活躍してきたコモンドール。アイボリー色の、独特の被毛が特徴的です。


ベルジアン・シェパード・ドッグには被毛によって4つのバラエティーがあります。ブラック単色で長毛なのは、グローネンダール。上品さと力強さを兼ね備えた風貌が魅力的です。


ブラック・マスクでブラック・オーバーレイ(被毛の先が黒くなっている)がある長毛のベルジアン・シェパード・ドッグは、タービュレン。出番の直前まで、念入りにブラッシング。


「よくがんばったね!」と、出陳後はごほうびをもらったり観客と触れ合ったりしていました。

ショー用のカットを施したプードルに視線釘付け

ドッグショーに出陳するスタンダード・プードルの大多数には、水猟犬だった時代の機能美を今に伝える“コンチネンタル・クリップ”というショー用のカットが施されます。美しくセットされたプードルたちは、ドッグショーの花形といっても過言ではありません。
今回のショーでは、新しく公認されたショー・クリップである“スカンジナビアン・クリップ”を施されたスタンダード・プードルも出陳していました。

審査員も真剣に、歩様をチェック。美しい姿に観客も魅了されています。


ゴージャスなコンチネンタル・クリップ。犬たちの表情もよくわかります。


こちらは新しいカットスタイルであるスカンジナビアン・クリップ(テリア・クリップ)。


審査員は少し離れたところから、全身のバランスを確認中。

リングの外での犬たちの姿にもワクワク

リングの外に目をやると、出陳する犬を応援に来ている犬たちの姿も。プチ遠足に訪れたかのようにリラックスしている、そのような犬たちとの触れ合いもドッグショーの楽しみのひとつです。

ドッグショー会場慣れをしているのか、リラックスしてスヤスヤお休みするシベリアン・ハスキー。


レオンベルガー。多くの来客に写真を撮られていて、ご満悦顔でした。


ショッピングブースで出会った、赤いスタイが似合うニュー・ファンドランド。

ジャパンケネルクラブ(JKC)には、2022年6月現在、207犬種が登録されています。
単犬種(1犬種のみ)から全犬種まで、ドッグショー(展覧会)の規模はさまざま。JKCのホームページで、お目当ての犬種や規模のドッグショーを探して、ぜひ訪れてみてください。

文・写真 臼井京音



参考文献

*1 ジャパンケネルクラブ『全犬種標準書』(JKC)



こちらもチェック私たちが作った大きい犬のためのフード

大きな犬のために作った私たちのフード