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2023.04.03

犬にエッセンシャルオイルを使用するのはアリ?なし?危険な精油・オイルはあるの?

犬にエッセンシャルオイルを使用するのはアリ?なし?危険な精油・オイルはあるの?

私たち人間にとって、リラックス効果や気持ちの切り替えに大きく作用する「香り」。この働きを活用したリラックス法にアロマセラピーなどエッセンシャルオイル(精油)を活用する方法があります。
アロマセラピーなどで使われる「エッセンシャルオイル」は犬にも使用できるのでしょうか?
犬とエッセンシャルオイルについてご紹介いたします。

犬にエッセンシャルオイルを使用できる?

エッセンシャルオイルの香り成分を通して、犬をリラックスさせる働きに関しては効果が認められています。
ただ、人間のエッセンシャルオイルの活用とは異なり、犬にエッセンシャルオイルを使用するケースに関しては、研究が現在進行形で進められている段階です。

一般的に、エッセンシャルオイルの働きは以下の4種類あるといわれています。

 

■エッセンシャルオイルの働きかけ

・嗅覚を通じて神経へ刺激が伝わり、心や身体に作用する
・吸入によって、鼻や喉の粘膜に作用したり、肺から血管に入って全身に作用する
・皮膚への塗布によって、皮膚表面に作用したり、皮膚から血管に入って全身に作用する
・内服によって、消化管から血管に入って全身に作用する

吸入、皮膚、内服の3つの使い方に関しては、現段階では安全性に関して注意が必要かもしれません。
というのも、犬へのエッセンシャルオイルの活用については、まだ分かっていない部分も多く、どれくらいの量なら大丈夫なのか、という点がはっきりしていないということがあります。

現在は「大丈夫」といわれていることであっても、数年後には真逆の評価になっている可能性もあるということを踏まえると、粘膜や皮膚、消化器に直接エッセンシャルオイルを使用するのは慎重に判断する必要があるといえます。

犬にエッセンシャルオイルを使うときの注意点

エッセンシャルオイルは、一般的に水蒸気蒸留法によって大量の植物から精油成分を抽出しています。
そのため、植物が本来持っている防衛機能に役立つ成分(フィトンチッド)やそのほかの機能性成分をより強く感じることができるのです。エッセンシャルオイルで植物の香りをより強く感じるのも、この香りの元となる成分を濃縮しているためです。

本来は、植物が自らの身を守るために使用する「弱い毒」とも呼べるフィトンチッドをより濃縮したものが含まれているエッセンシャルオイルですから、犬の体が分解しきれない量を取り入れてしまうと体調に影響を及ぼす可能性があります。

このことを踏まえて、犬にエッセンシャルオイルを使うなら、以下のことには注意しましょう。

 

■エッセンシャルオイルをそのまま使用しない

一般的に、犬にエッセンシャルオイルを使用する時はオイルや精製水、無水エタノールで希釈したり、軟膏やクリームなどに香りを移して使用されます。
希釈せずに使用するのは、オススメできません。

 

■犬の皮膚や粘膜などに直接垂らさない

エッセンシャルオイルの成分は皮膚からも吸収されることが分かっています。犬の皮膚や粘膜にエッセンシャルオイルを直接垂らすのは避けましょう。
また、犬は人間よりもずっと嗅覚が鋭い生き物。強い香りで体調を崩してしまう可能性もありますので、注意が必要です。

 

■犬が直接舐めないように注意する

エッセンシャルオイルを犬が経口摂取してしまうと、危険です。
家庭の中で犬が舐めてしまう可能性がある場所にはエッセンシャルオイルを保管したり、置くことは避け、飼い主の手についているものも舐めてしまわないように注意してください。

 

こんな使い方なら犬にエッセンシャルオイルを使うことができます

・希釈されたスプレーなど、薄く香りが感じられるものとして使用する
・犬用に適切な方法で希釈されているものを使用する
・専門家の指導や調合のもと軟膏やマッサージオイルとして使用


例えば、ヒルトンハーブというイギリスのブランドは、動物医療の専門家でもある"メディカルハーバリスト"の資格を持つスタッフが調合しています。「フィトバーム」など、ハーブの抽出液を使用したクリームなどを販売しています。

犬に使う時に注意が必要なエッセンシャルオイル

人間には無害でも、犬にとっては害となりうる成分を含むエッセンシャルオイルも存在します。
中には犬用のケアアイテムやシャンプーなどに使用されているものもありますが、エッセンシャルオイルの成分に関するプロフェッショナルが配合して製造していることがほとんどです。
飼い主が独自に判断して使用することは避けた方が安心です。

おわりに

今回は犬にエッセンシャルオイルを取り入れる時の注意点についてご紹介いたしました。飼い主さん用として購入されたエッセンシャルオイルは、「似たような内容の犬用のものを見かけたことがあるなぁ」と思っても、犬用にブレンドされていないものは避けた方が良いです。


ポチもこれまでエッセンシャルオイルを一部使用したケア用品なども扱ってきましたが、信頼できる専門家がブレンドしたものだけを選ぶようにしています。エッセンシャルオイルは、精製や抽出、ブレンドと奥が深く、少し興味が湧いて勉強すると、難しいけどどんどん面白くなっていくそうです。フィトセラピスト(植物療法士)の堂山うららさんが寄稿した「巡る季節のハーブ便り」から読んでみませんか?

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