- コラム
- スタッフコラム
2024.11.14
ドイツの街角から~タビィがやってきてからの1年間~
*1 pochinski: スペインで保護された犬と暮らす、ドイツ在住の旅行&ファッションライター。趣味は犬の絵を描くこと、犬の首輪や冬用のセーターを作ること、たまに犬の手作り食やケーキ作りも。犬と暮らす日常のひとコマを不定期にお届けします。
スペインからタビィがわが家にやって、10月末で1年を迎えました。
タビィを送り出してくれた保護団体のボランティアさんが言っていた「時間はかかるけれど、大丈夫だから」という言葉のとおり、ゆっくりと私たちに心を開き、ゆっくりとドイツでの新生活に慣れながら成長した1年でした。
タビィは工事現場で生まれ育ち、生後8か月で保護され、それからの7か月間を保護団体の施設で過ごした犬です。
人家で暮らした経験がなく、人にも慣れていない状態から、保護団体のボランティアさんたちにようやく慣れ始めたころにドイツへとやって来ました。
そんなタビィはわが家で暮らし始めてから2,3日後には散歩を拒否するようになり、寝室のドア裏に隠れ、居座りを決め込みました。
そこで、私たちは新しい生活に慣れてもらおうと、食事を与えるほかは時々声掛けをする程度にとどめ、好きなようにさせることに。
3週間が経ったころ、やや無理矢理ではあったものの、外に連れ出しておしっことウンチを済ませるトレーニングを開始。
少しずつ散歩に慣れさせました。
1年が経った今のタビィは、私たち夫婦との散歩に喜んで出かけるまでになりました。
ただし、夫婦どちらか1人との散歩中はいまだに怖がることが多く、私1人で公園まで連れて行けるようになったのは今年の10月に入ってからです。
タビィは生まれてから半年以上、人から隠れてこっそりと暮らしていたせいか、広々とした公園、子どもたち、ジョギング中の人を特に怖がります。
子どもの声や走る足音が聞こえただけで、先に進むのを拒んだり、速足で逃げ出そうとしたりします。
野犬時代、子どもたちに追いかけられた経験がトラウマになっているのかもしれない、と想像しています。
ところで、タビィの犬種はスペインのアンダルシア地方原産の土着の犬種、ボーデグェロだと言われていました。
いざ一緒に暮らし始めてみると、骨格や脚の長さ、耳の大きさから、ポデンゴ(ポルトガル原産の猟犬)かウィペットの血が入っている、という疑いが強くなっています。
実際、街を歩いていると「ウィペットですか?」と聞かれることもたびたびです。
小さな気づきや心配、喜びをいくつも経験し、ここまで来ることができました。
2年目を迎えた日、私たちは1年間の感謝と、タビィのこれからの成長を願い、乾杯した次第です。