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2025.05.28

日本とは違う?NZのフィラリアとノミ・ダニ予防について~南半球のDog's letter~

日本とは違う?NZのフィラリアとノミ・ダニ予防について~南半球のDog's letter~

世界の様々な地域に順応して暮らしている犬たち。
ところ変われば犬とのライフスタイルも変わります。日本とはちょっと違う?!共通してるかも?!と思える目新しいドッグライフ情報を、自然豊かな南半球に位置するニュージーランドからお届けします。
秋が深まりつつあるニュージーランドとは逆に、これから夏に向かう日本。フィラリアやノミ・ダニ予防が必要な季節となります。今回は、日本とニュージーランドでは対策に違いはあるのか、調査してみました。

DOG's TALK

この記事を書いた人:グルービー美子

この記事を書いた人:グルービー美子

ニュージーランド・オークランド在住のトラベルライター。JAL機内誌やガイドブック「地球の歩き方」などに寄稿。子供の頃から柴犬と暮らし、現在はサビ猫のお世話係。趣味はサーフィン。

NZにはフィラリアが存在しない

まず、フィラリアですが、英語ではheartworm、直訳すると心臓ワーム(回虫などの蠕虫を差す)です。2025年現在、ニュージーランドでフィラリアは確認されておらず、ニュージーランドで生まれ、飼育されている犬に限り、フィラリア対策は不要です。農業国であるニュージーランドは検疫に厳しく、例えば同じ狂犬病の清浄国である日本からであっても犬を連れてくる際は最短10日間、検疫施設に預けなくてはなりません。
このように水際対策が徹底しているため、フィラリアの予防は基本的にしなくてよいことになっています。これは日本との大きな違いでしょう。とはいえ、もちろんニュージーランドにも蚊は存在します。蚊はフィラリアのみならずさまざまな病原菌を媒介することがあるので、獣医師はペットに安全な虫除けスプレーの使用などの対策を推奨しています。

ノミ・ダニ予防は通年必要

野外で遊び機会が多いニュージーランドの犬たち。ノミ・ダニのケアは通年必須です。

野外で遊び機会が多いニュージーランドの犬たち。ノミ・ダニのケアは通年必須です。

一方、ノミやダニ対策は必須です。義務ではないのですが、自然豊かなこの国では野山や水辺で犬を遊ばせる機会が多々あるため、ノミやダニがつく可能性は日本の都市部に比べてはるかに高いといえるでしょう。


ニュージーランドでは大半の飼い主が1年中対策しているようです。伝統的に住宅のフロアはカーペット敷きが一般的なことも関係しているかもしれません。また、犬が集まるイベントの参加やデイケア施設に預ける際は、ワクチン接種とともにノミ・ダニ予防をしていることが条件となっています。ノミ・ダニ予防の方法は日本とほぼ同じ。錠剤、スポット、チュアブル、タブレットなどタイプの違う予防薬があり、それぞれ月1回から3~4カ月に1回を目安に投薬します。予防薬は動物病院のほか、ペットショップ、スーパーマーケット、オンラインなどで購入できます。

シャンプーで予防する飼い主も多い


犬も飼い主もアウトドア派が多いニュージーランドでは、どうせ汚れるからとシャンプーでノミ・ダニ予防をすることも珍しくありません。自宅以外にペットショップにもセルフウォッシュ用の設備が用意されており、だいたい$10(約800円)ほどで利用可能。定期的に使うならお得な会員制度もあります。平日であれば予約不要で、タオルやブラシは要持参ですが、シャンプーなどのプロダクトは揃っていて自由に使えるのも魅力です。

セルフ洗車場に犬の洗い場が併設されています。24時間年中無休ですが屋外なので夏のほうが人気があります。

セルフ洗車場に犬の洗い場が併設されています。24時間年中無休ですが屋外なので夏のほうが人気があります。


車社会のため、セルフ洗車場に犬の洗い場が設置されているのもこの国ならでは。こちらもタオル等は持参する必要がありますが、大型犬もラクラク洗える大きなシンクが設置され、コイン式で通常のシャンプー以外にノミ取りシャンプーも選べます。休日にお出かけすると車も犬も汚れがち。そんな時は帰りに洗車場に寄れば、どちらもきれいにできて便利です。ニュージーランドはDIYの精神が根付いている国で、洗車も犬のシャンプーもできることは自分で、という人が多い印象です。