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2026.01.05
ドイツの街角から~ケルンのビール文化について~
*1 pochinski: スペインで保護された犬と暮らす、ドイツ在住の旅行&ファッションライター。趣味は犬の絵を描くこと、犬の首輪や冬用のセーターを作ること、たまに犬の手作り食やケーキ作りも。犬と暮らす日常のひとコマを不定期にお届けします。
ケルシュで乾杯する時は、シュタンゲの底同士を合わせるのが正しい“作法”。
ドイツにはソーセージやアイスバイン(ゆでた豚のすね肉)、シュニッツェル(仔牛や豚肉のカツレツ)など、おいしい名物がそろっています。こうした料理にはドイツビールがよく合います。一口にドイツビールと言っても、大手メーカーのものから地ビール、クラフトビールまで種類は豊富。ドイツ国内には1400軒以上の醸造所、5000種類以上のビールがあるそうです。
私たちが暮らすケルンにも全国的に知られるビールがあります。「ケルシュ」です。明るいこはく色のビールで、苦みが少なく、すっきりとさわやかな味わいが特徴です。ケルシュはケルンという地名に由来しているものの、単にケルンで醸造するだけではケルシュを名乗れません。醸造地に加え、製造方法や品質などを定めた「ケルシュ協定」と呼ばれる基準を満たしたビールのみがケルシュと認められます。醸造所の数は最盛期よりも少なくなりましたが、現在でも約10種類のケルシュブランドがあります。
瓶入りのケルシュはスーパーやキヨスクで販売されており、自宅用には単品や6瓶パック、2ダースケースなどを購入できますし、多くのレストランやパブでも樽出しや瓶入りのケルシュを味わえます。私がケルシュを楽しむ場所として好きなのはケルシュ醸造所が直営しているレストランのブラウハウスです。
ケルシュ醸造所直営のブラウハウスの1つ。多くのブラウハウスが歴史的な建物の中営業されています。
シュタンゲが空になると、注文しなくてもウェイターがおかわりを運んできます。コースターでふさいだシュタンゲは、「おかわりはいりません」というサイン。
ケルシュは、ブラウハウスなどの飲食店では「シュタンゲ」と呼ばれる細長いグラスで提供されます。シュタンゲは容量が200mlと少ないため、ビール好きな人は何杯もおかわりすることになるのですが、おかわりのたびに冷えた新鮮なケルシュを味わえるという長所もあります。
伝統的なドイツ料理を中心とした食事もブラウハウスの魅力です。例えば、焼きソーセージや豚の骨付きすね肉、シュニッツェルといった主菜に、ポテトやザワークラウトなどをつけ合わせた多彩な食事を満喫できます。こうした料理には樽出しケルシュがぴったり。料理の味付けがやや濃いこともあって、ビールが進みます。
ブラウハウスは醸造所の直営店ではあるものの、ノンアルコールビールやソフトドリンク、子供向けメニューも提供しており、だれもが楽しめる場所です。犬連れ客もウェルカムです。みなさまもドイツを訪れる際はぜひ、ケルンのブラウハウスでケルシュ文化を味わってください。
画像に向かって左はシュニッツェル、右は「天と地」という料理。「天」はリンゴ、「地」はジャガイモのことで、リンゴの煮込みとマッシュポテト、ブラッドソーセージの盛り合わせです。ブラウハウスには欠かせない料理の1つです。


