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2025.05.12

ドイツの街角から~ペットと移動する、暮らしに根付くドイツの公共交通事情~

ドイツの街角から~ペットと移動する、暮らしに根付くドイツの公共交通事情~

*1 pochinski: スペインで保護された犬と暮らす、ドイツ在住の旅行&ファッションライター。趣味は犬の絵を描くこと、犬の首輪や冬用のセーターを作ること、たまに犬の手作り食やケーキ作りも。犬と暮らす日常のひとコマを不定期にお届けします。

みなさんは犬連れでレストランやデパートに行ったことがあるでしょうか。日本のオーナーさんと比べると、ドイツのオーナーさんは飼い犬を食事や買い物に連れていく機会が断然多いだろうと想像します。私たちが暮らすケルンの街中でも犬連れで食事や買い物を楽しむオーナーさんをよく見かけます。

ドイツではレストランやショップなどの商業施設のみならず、公共交通機関にも犬を同伴できます。ケルン市内や近郊エリアへの移動手段となる公共交通機関といえば、バスと地下鉄、路面電車。いずれも犬の運賃は無料で、マズルの着用やキャリーバッグの使用といった義務も課されていません。

ケルンを走る路面電車。

ケルンを走る路面電車。

混雑気味の車内。タビィには人々の脚だけが見えているのでしょうか。

混雑気味の車内。タビィには人々の脚だけが見えているのでしょうか。


私たちの移動手段は基本的に徒歩のため、公共交通機関はあまり利用しません。飼い犬のタビィと乗車する機会はさらに少なく、わが家に引き取ってからバスや電車で移動したのは4,5回程度でしょうか。
タビィは多くの人々に囲まれることには不慣れで、地下鉄などに乗車するとかなり緊張した様子を見せますが、幸い、吠えたりパニックに陥ったりしてほかの乗客に迷惑をかけずにおとなしくしています。

空いている車内でも緊張しているタビィ。

空いている車内でも緊張しているタビィ。

一方、ドイツ鉄道は国内外の遠方へ旅行する際に利用できる公共交通機関です。ドイツ鉄道はケルン市内を走る公共交通機関とは異なり、犬の大きさに応じて運賃が発生します。犬の大きさが猫程度で、キャリーボックスに入れて移動できれば無料、犬がキャリーボックスに入らない大きさであれば有料です。犬の運賃は同伴者の運賃の半額と設定されています。

タビィは体高45cm、体重11kgほどの大きさで、キャリーボックスには入りません。ですから、私たち夫婦とタビィがドイツ鉄道を利用する場合、2.5人分の運賃を支払わなくてはなりません。ただし、ドイツ鉄道の場合、チケットの購入時期や乗車時間によっては高速列車の1等車の座席でもかなり割安に入手でき、0.5人分の運賃がさほど負担とならずに快適に旅行できる可能性は大いにあります。

地下鉄の駅から地上へ上がる階段。階段の両サイドはエスカレーターです。

地下鉄の駅から地上へ上がる階段。階段の両サイドはエスカレーターです。

ところで、近ごろのドイツ鉄道は遅延が多く、移動手段としてはあまり頼りにならない状況です。このため、遠出には車を使っており、タビィとはこれまでドイツ鉄道に乗ったことはありません。ですが、秋に向けてちょっとした鉄道旅を計画中です。もしかしたら、タビィのドイツ鉄道初体験についてご紹介できる日もそのうち来るかもしれません。