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2025.10.01
犬にも対策が必要?NZの花粉症とは~南半球のDog's letter~
世界の様々な地域に順応して暮らしている犬たち。
ところ変われば犬とのライフスタイルも変わります。日本とはちょっと違う?!共通してるかも?!と思える目新しいドッグライフ情報を、自然豊かな南半球に位置するニュージーランドからお届けします。今回は、NZ特有の花粉症や日本との違いなどについてご紹介します。


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この記事を書いた人:グルービー美子
ニュージーランド・オークランド在住のトラベルライター。JAL機内誌やガイドこの記事を書いた人:グルービー美子ブック「地球の歩き方」などに寄稿。子供の頃から柴犬と暮らし、現在はサビ猫のお世話係。趣味はサーフィン。
春~夏は花粉症のシーズン
9月1日より正式に春を迎え、9月28日からサマータイム(英語ではDaylight saving)もスタートしたニュージーランド。これからどんどん日も長くなり、屋外でたっぷり過ごしたい犬と飼い主にとって楽しい季節の到来です。
その一方、日本と同様に花粉症のシーズンにもなりました。人間のみならず、犬にも花粉症の症状が出ることがあるので注意が必要です。今回は、ニュージーランドの花粉症は日本とはどのように違うのかご紹介します。
花粉症を引き起こす植物は?
オーストラリアの国花でもあるワトルはニュージーランドでも一般的な植物です
日本で花粉症といえば2月頃から飛び始めるスギや、3~5月頃がピークのヒノキ、8~10月あたりのブタクサなどが知られています。花粉症は英語でHay FeverまたはPollen Allergy。後者はその名のとおり花粉アレルギーですが、前者は直訳すると牧草熱。発熱するわけではありませんが、くしゃみや鼻水、咳など風邪に似た症状が現れることからこう呼ばれているようです。
ニュージーランドで花粉症の原因となる主な植物は、Hay(牧草)のほか、マツ、オーク(ナラ)、オーストラリア原産のワトル(ミモザ)、シラカバ、バナナに似た実をつけるプランテン、プリヴェット(イボタノキ)など。花粉が飛ぶ時期は植物によって若干異なりますが、ピークは10~2月頃です。
牧場が多いニュージーランドでは牧草も花粉症の原因になります
犬の花粉症は主に皮膚に現れる
犬も悩まされることがある花粉症。獣医師に聞いたところ、症状は人間とは若干異なり、皮膚トラブルが多いとのこと。例えば蕁麻疹のような赤い湿疹ができたり、痒がったり、体を執拗に舐めたりするのがサイン。悪化すると毛が抜けることもあるとか。ほかに、耳だれ、目やに、目の充血、頻繁なくしゃみなどの症状が見られるときも花粉症を疑った方がいいと教えてくれました。
犬の花粉症対策
犬に花粉症と思われる症状が現れた場合、獣医師の診断を仰ぎ、アレルギーの原因を探ることが必須です。花粉症と判明したら対策が必要ですが、犬は人間のようにマスクやゴーグルで花粉を防ぐことはできません。また、根本的に治療することもできないため、対処療法が用いられるそうです。
花粉症を発症しやすい犬種といわれるラブラドール
アレルギーを引き起こす植物が生えている場所にはなるべく近づかない、散歩の後は犬の体を拭く、犬用ベッドをこまめに洗濯するといった方法のほか、細かく砕いたオートミールを混ぜたぬるま湯に犬を15分ほど入浴させるのも炎症を抑えるのにいいそう。アップルビネガーサイダー(リンゴ酢)と水を同量混ぜたものボトルに入れて痒みのある部分にスプレーするのも役立つとか。これらはスーパーマーケットで簡単に手に入るうえ、天然のものなのでなるべく化学薬品を使いたくない飼い主さんが実践しているそうです。また、ラム肉や鶏肉といった良質なたんぱく質を与えたり、オメガ-3の犬用サプリメントを試すなど、食事療法によって改善する場合もあるとのことでした。
花粉症になりやすい犬種もある
同じく花粉症に注意が必要なゴールデン
ニュージーランドで犬の花粉症は大きな問題にはなっていません。ただし、この国の人気犬種であるラブラドールレトリバー、ゴールデンレトリバーはもともと皮膚疾患になりやすい傾向があり、アレルギー体質の子も珍しくないため、夏前になると対策に頭を悩ませる飼い主さんも少なくないとか。野山で存分に遊べる環境が整っているぶん、花粉症とも上手に付き合っていかなければと考えさせられました。


