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2025.11.12
愛玩から伴侶へ。韓国・ソウルの犬事情とは?~番外編・南半球のDog's letter~
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世界の様々な地域に順応して暮らしている犬たち。
ところ変われば犬とのライフスタイルも変わります。日本とはちょっと違う?!共通してるかも?!と思える目新しいドッグライフ情報を、今回は特別編として韓国からお届けします!


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この記事を書いた人:グルービー美子
ニュージーランド・オークランド在住のトラベルライター。JAL機内誌やガイドこの記事を書いた人:グルービー美子ブック「地球の歩き方」などに寄稿。子供の頃から柴犬と暮らし、現在はサビ猫のお世話係。趣味はサーフィン。
飼い主の約77%が犬を飼育
10月中旬に韓国の首都ソウルを訪れました。夏の暑さも落ち着き、気温は最高22℃程度、最低15℃程度と過ごしやすく、街歩きが楽しい季節です。
近年、韓国ではペットを飼う人が増え、ペット市場も急成長中を遂げています。ペットは韓国語で「愛玩動物(애완동물・エワンドンムル)」ですが、最近は「伴侶動物(반려동물・パンリョトンムル)」の呼び名が一般的に。「人間の楽しみのための存在」から「共に暮らす家族の一員」へと意識が変化しているといいます。
KB金融グループが毎年調査・発表している「伴侶動物報告書」によると、2024年末時点でペットを飼育している世帯は591万世帯・約1546万人。これは韓国の人口(約5100万人)の29.9%にあたり、4人に1人以上がペットを飼っている計算になります。
珍島犬
ペットの種類別では犬の割合が約77%とダントツに高く、飼育数は546万頭。猫の飼育数217万頭を大きく上回っており、愛犬家が多いことがうかがえます。ちなみに人気犬種はマルチーズ(20.4%)、プードル(18.9%)、ミックス(15.1%)、ビジョンフリーゼ(7%)、チワワ(5.3%)、シーズー(5.1%)の順で、小型犬が主流。ビジョンフリーゼなど毛がふわふわした犬がより好まれるとか。
また、韓国原産の珍島犬は天然記念物に指定されているほど貴重な犬だからか、ソウルでは見かけず。韓国南部の珍島には珍島犬と触れ合えるテーマパークがあるそうです。
犬とお出かけできるスポットが充実
ソウルは高層ビルが立ち並ぶ大都市ですが、市の総面積のおよそ25%が公園や緑地として整備されており、犬の散歩コースには事欠きません。街の中心部を流れる川・漢江(ハンガン)沿いにも11カ所の公園があり、犬たちは川からそよぐ心地よい風を受けながら楽しそうに歩いていました。
犬連れで利用できる公共施設が珍しくなく、ショッピングモールやコンビニ、美容院、一部の飲食店など、さまざまな場所へ同伴できるのも嬉しいところ。
条件を満たした犬を機内持ち込みできる大韓航空
さらに、犬連れ旅行のニーズが高まったことから、韓国の主要航空会社では一定の条件を満たしたペットの機内持ち込みが国内線・国際線ともに許可されています。今回筆者が利用した韓国系LCCのティーウェイ航空でも犬が入ったキャリーを抱えて搭乗する人の姿を見かけました。
ソウルの金浦国際空港には搭乗の前後に犬が遊べるペットパークも存在。犬の負担を考慮しなければなりませんが、日本から韓国へ犬を伴って出かけるのもさほど難しくないようです。
ソウルのドッグカフェや看板犬のいるカフェへ
旅行中に犬と触れ合いたくなったら、足を運びたいのが市内各地に点在するドッグカフェ。韓国のドッグカフェのほとんどが入場料込みのワンドリンク制で、観光の合間の休憩にもぴったりです。今回筆者が訪れたのは弘大(ホンデ)エリアにある「ソニネ(Sunnyne・써니네)」。店のドアを開けるとゴールデンレトリバーなどの大型犬から小型犬のチワワまで、カフェの犬たちが一斉に集まり、歓迎してくれました。
犬たちはとても人懐こく、すぐに膝に乗ってくる子も。ドリンクを注文するとゴールデンがカゴにのせて運んできてくれる愛らしいサービスになごみます。
こうしたドッグカフェ以外に、犬連れで利用できるドッグフレンドリーなカフェや、看板犬がいるカフェもあります。弘大のお隣の地区、上水(サンス)の裏通りに佇む「モリッツプラッツ(Moritzplatz・모리츠플라츠)」では看板犬のジャックラッセルテリア、ドビーちゃんに会えました。ソウルではカフェで勉強や仕事をしている人が多いのですが、ドビーちゃんは気ままに店内を歩き回ったり、エントランス近くのベッドでまったりしていたりと自由に過ごしています。
この店ではドビーちゃんに癒されるだけではなく、本格的なコーヒーと名物のエッグタルトを堪能しました。韓国人は1年間に1人あたり405杯のコーヒーを飲む(2023年ユーロモニター調べ)そうで、ソウルにもそこかしこにおしゃれなカフェが並んでいます。カフェ巡りはソウル旅行の楽しみのひとつですが、かわいい犬たちがいるカフェが増えていることで選択肢がまた一つ広がったと思いました。
ペットショップでは韓国の伝統衣装・韓服やテコンドーの道着をデザインした犬の洋服、犬用サンバイザーなども販売されています。


