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2025.11.06
ドイツの街角から~タビィ 3年目の成長ぶり~
*1 pochinski: スペインで保護された犬と暮らす、ドイツ在住の旅行&ファッションライター。趣味は犬の絵を描くこと、犬の首輪や冬用のセーターを作ること、たまに犬の手作り食やケーキ作りも。犬と暮らす日常のひとコマを不定期にお届けします。
スペインの野犬だったタビィが、私たちと暮らし始めて2年が経ちました。1台のワゴン車で40頭の犬猫たちと一緒にドイツにやってきたのが2年前の10月末。以来、人家で暮らすこと、リードにつながれて街中を歩くことなど、タビィにとっては初めての経験の連続だったことでしょう。これほど人に慣れていない犬を飼うのは私たちも初めてで、この2年でいろいろと学びましたし、忍耐力がついたかもしれません。
スペインからの長いドライブの後、私たちと初対面したタビィ。恐怖心で固まっています。
最初に私たちが学んだのは、公園が苦手な犬もいるということ。それを知らずに初めて公園に連れて行った日、タビィはパニックに陥り、必死になって低木の茂みに入ろうしたのです。スペインでは建物の陰や雑木の中で隠れて生活していたためか、広い空間に耐えられなかったようです。そんなタビィも最近はようやく芝生広場の真ん中を歩けるようにまでなりました。ただし、子どもたちが遊んでいなければという条件付きですが。タビィは子どもも苦手なのです。
ベッドの下は、タビィがほっとできる場所の1つ。
一方、マルクトやカフェの店員さんが差し出すおやつはおどおどしながらも受け取るようになり、「成長した」と喜んでいました。ところが、先日訪れたドッグトレーナーさんの見立てでは、タビィはおやつが欲しいだけで、おやつを与える人に親しみを感じているわけではないそうです。
純粋に人に慣れさせることが大切であるため、おやつを与えるのは私たち夫婦のみとルールづけるのが良い、とのこと。そのルールに従い、タビィが誰かに近づければ、私たちからおやつを与えると決めました。また、他人の匂いがついたもの、服やハンカチなどをリビングの床などに置いておくと、人への関心が芽生える可能性があると教わりました。
どんなお店でも、ドアが開いているとタビィは入ろうと試みます。開かれた歩道よりも、壁に囲まれた店内のほうが安心できるようです。
1つ、私たちが気になっているのは、タビィのほかの犬へのリアクションです。ドイツに来る前はスペインの保護施設で数十頭の犬たちと半年ほど暮らしており、犬には慣れているはずなのに、なぜかほかの犬を怖がっているようなのです。タビィからはほかの犬に近づかないばかりか、すれ違う犬に吠えることもあります。
そのうち、友達ができるといいのですけれど。
そろそろ友達も作ってほしいですし、公園を追いかけっこしている姿も見てみたいものです。そこで、犬に慣れるための一歩として、次回はドッグトレーナーさんの飼い犬とセッションを行う予定です。さて、どんなことになるのか、いまから楽しみにしています。


