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2026.05.14

日常のギモンから犬の心の動きを知ろう2《RETRIEVER + POCHI archive060》

日常のギモンから犬の心の動きを知ろう2《RETRIEVER + POCHI archive060》

イラスト=花島ゆき
構成・文=RETRIEVER編集部

「RETRIEVER」は、ゴールデン、ラブラドール、フラットコーテッドを中心とした、レトリーバー種の専門誌。
陽気で明るい性格は家族に笑いをもたらし、豊かな表情は言葉が通じなくてもコミュニケーションを可能にしています。
何と言っても、人間に対する愛情がとても深い。そんな犬種との暮らしを紹介する「RETRIEVER」さんの素敵な記事をピックアップしてPOCHIバージョンでご紹介。
犬種が違っても読めばきっと皆さんのドッグライフがより充実したものになるはずです。(POCHI編集チーム)

■ 行動に対する素朴なギモンから犬の心の動きを理解する

人間と同じように、豊かな感情を持つ犬。 ただ、カラダの仕組みや習性は人間と異なる部分もあるため、飼い主が犬の気持ちを理解できないことも。 日常の行動に対する素朴なギモンから、犬の心の動きの特徴を理解しよう!

なぜ、人間の顔や手足をしつこく「なめてくる」の?

オオカミの子どもは、母親の口元をなめて食べ物を吐き出してもらい、それを食べる習性があります。その名残で、犬も甘えや親愛の気持ちから飼い主の顔をなめることがあります。また、飼い主の口のまわりについた食べ物のにおいや味、手足の塩分をなめている場合もあります。

さらに、叱られた後になめてくる場合は、飼い主を落ち着かせようとする「なだめ行動」であることもあります。こうした行動は、状況や前後の様子を見て判断することが大切です。

「目線で主張」するのはわかってやっているの?

犬は人とのコミュニケーション能力が高い動物です。散歩の時間が近づくと、玄関のドアと飼い主を交互に見る行動をすることがあります。これは「交互注視」と呼ばれ、困ったときや何かを伝えたい時に、対象物と人を順番に見て助けや理解を求める行動です。

犬は、チンパンジーやオオカミと比べても人間との社会性が発達しており、動物の中で唯一、人の指さしや視線の向きを理解できるともいわれています。つまり犬は、人の視線を理解するだけでなく、自分の視線を使って気持ちや意思を伝えることができるのです。

いつも「同じ散歩ルート」で飽きないの?

犬の散歩には、同じルートを好むコもいれば新しい道を楽しむコもいます。人には同じ道に見えても、犬にとってはにおいや音、人や犬との出会いなど毎回違う刺激があります。ただし、散歩コースがいつも同じだったり、行きたい方向ばかりに任せていると、犬が自分の判断だけで進むようになり、急な変更に対応しにくくなることもあります。そのため、散歩ルートは3〜4種類ほど用意し、ランダムに組み合わせて変化をつけるのがおすすめです。ただし、外を怖がる犬の場合は、慣れるまでは同じコースで安心して歩けるようにするといいでしょう。

散歩中、突然「歩かなくなる」のはなぜ?

散歩中に犬が歩かなくなる理由はさまざまです。疲れや暑さ、足の痛みなど体調が原因の場合は、無理をさせず休ませたり早めに帰るなど配慮し、いつもと様子が違う時は動物病院で診てもらいましょう。一方、以前その道で犬に吠えられた、大きな工事音がしたなど、環境への不安が原因の場合もあります。その際は、少しでも歩けたらほめてごほうびを与え、自信を持たせることが大切です。ただし、立ち止まるとかまってもらえると学習している場合もあるため、無理に引っ張らず理由を見極め、必要に応じて別の道を選ぶといいでしょう。

出典:RETRIEVER vo.120/「日常のギモンから レトリーバーの心の動きを知ろう」

*1 監修=水越美奈(みずこしみな)。獣医師。日本獣医生命科学大学獣医学部獣医保健看護学科教授。日本獣医動物行動学会会長。優良家庭犬普及協会常任理事。7年間の動物病病院勤務後、アメリカで獣医行動治療学を学ぶ。監訳書『犬と人の絆:なぜ私たちは惹かれあうのか』(緑書房刊)他。