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2026.06.24
パルボ急増に立ち向かう。SPCAの無料ワクチンイベント~南半球のDog's letter~
世界の様々な地域に順応して暮らしている犬たち。
ところ変われば犬とのライフスタイルも変わります。日本とはちょっと違う?!共通してるかも?!と思える目新しいドッグライフ情報。今回は、パルボ急増のNZの現状に立ち向かうSPCAの無料ワクチンイベントについてご紹介します。


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この記事を書いた人:グルービー美子
ニュージーランド・オークランド在住のトラベルライター。JAL機内誌やガイドブック「地球の歩き方」などに寄稿。子供の頃から柴犬と暮らし、現在はサビ猫のお世話係。趣味はサーフィン。
パルボウイルスから犬を守る無料イベント
無料ワクチンイベント会場
2026年4月19日、ニュージーランドの首都ウェリントンでパルボウイリスの無料ワクチンイベントが開催されました。主催者はSPCA(Society for the Prevention of Cruelty to Animals/ニュージーランド動物虐待防止協会)。こちらはニュージーランド全国に27カ所のセンターを持つこの国最大の動物福祉団体で、虐待からの保護、医療支援、譲渡、教育活動を行う非営利組織です。
このイベントが開催された背景には、ニュージーランドでパルボウイルスの大規模な流行が3年連続で発生していることがあります。特にウェリントン、ノースランド地方、オークランドで急増しており、今年1月にはSPCAのオークランド・マンゲレセンターで1日に5~6件のパルボウイルス感染例が確認されたそう。そのため同様のイベントは、1月23日にオークランドでも行われました。
なぜパルボが急増したのか
パルボウイルスは非常に感染力が強く、土壌や床などで数カ月から1年近く生き続けるうえ、一般的なアルコール消毒液では除去できません。パルボウイルスに感染して発症した場合、根本的な治療法はなく、免疫力が低い子犬や老犬だと急速に重症化することも。SPCAでは「ワクチンでこの病気の拡大を止められる」と、犬の飼い主に接種を呼びかけています。
日本でもパルボウイルスの恐ろしさは広く知られていると思います。ただし注意すべきなのは子犬で、多くの成犬はワクチン接種率が高く、免疫力も備えているため、さほど大きな問題にはなっていない印象です。ではニュージーランドではどうかというと、この数年でワクチン未接種の犬が増えており、それがパルボウイルス流行の主な原因となっていると考えられます。
ニュージーランドでも犬の混合ワクチン(ジステンパー、アデノウイルス、パルボウイルス、パラインフルエンザ)接種はほぼ必須とされているのですが、法律で定められているわけではないため、未接種でも罰せられることはありません。物価高騰や経済状況の悪化からワクチン代が払えず、ついつい先延ばしにしてしまう飼い主も少なくないのです。また、自然療法・オーガニック志向が強く、ワクチン自体をよしとしない人も一定数存在します。
パルボウイルスは舗装道路よりも土壌のほうが長く生きられるため、自然が豊かなこともひとつの要因かもしれません。パルボウイルス流行の中心は北島で、南島で多発したというニュースは聞きません。大都市が多くて人も犬も集まりやすい北島に比べ、人口密度・犬の飼育密度も低い南島では広域クラスターが起きにくいのでしょう。
約200頭の犬にワクチンを接種
事前登録が必要だった4月19日の無料ワクチンイベントには約200頭の犬が参加。パルボワクチン接種に加え、ノミ・ダニ予防とマイクロチップ装着が無料で提供されたほか、希望者には避妊・去勢手術の割引バウチャーも配布されました。ちなみにSPCAでは2021年以降、犬と猫を対象に無料の避妊・去勢手術プログラムを実施中。犬猫を合わせて年間1万5000頭以上に避妊・去勢手術することを目標にしているそうです。
パルボウイルス感染症は通年発生しますが、とりわけ増えるといわれるのが冬から初春にかけて。冬真っただ中のニュージーランドで、多くの犬が健康に過ごせることを願います。


