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2018.08.23

犬の皮膚はデリケート。かゆみから犬を守るスキンケア方法

夏の終わり、害虫たちは本格的な寒さが訪れる前に、再び活動が活発になります。一般にマダニは春と秋に、ノミは梅雨明け~秋までがピーク。蚊が活発に活動する気温は26~32℃くらいで、35℃を超えると刺されにくくなると言われますので、少しずつ涼しくなるこれからまた活発になると言えそうです。
被毛が表面を覆っている犬の皮膚は人間と比べると細胞の層が薄く、とてもデリケート。そのため、神経質な犬の場合、痒みや違和感を気にして、患部を噛んだり舐め続けたりすることで、二次感染などを引き起こすことがあります。そんな事態を防ぐためにも、飼い主が犬の皮膚を虫刺されや乾燥から守り、皮膚トラブルが起きないようスキンケアを行っていきたいですね。
犬のスキンケアをきちんと行えば、犬の皮膚トラブルを未然に防ぐことができるかもしれません。
今回は、虫刺されや乾燥のかゆみから犬を守るスキンケア方法についてご紹介します。

犬の皮膚について

犬の皮膚の表面にある皮脂膜は、皮膚の水分を保ち潤いや弾力性のある皮膚を保ち、バイ菌や低刺激物質から皮膚を守るなどの役割を果たしています。

しかし、ストレスや食生活の偏り、科学物質を使ったケア用品を過剰に使用するなど、さまざまな理由で皮脂の分泌量が異常になってしまうことがあります。
それにより、ニオイが気になったり、被毛がベタついたり、皮脂が十分に皮膚を保護できずに乾燥して痒みを生じたりするなどのトラブルを引き起こすことも。
また、健康的な皮膚をつくる皮脂膜が破壊されるとバリア機能が損なわれ、犬の体内へバイ菌が侵入しやすくなり、新たな皮膚トラブルのきっかけになってしまうのです。


犬はかゆみを感じると、自分の爪で体を引っかいたり、かんだりしてしまうため皮膚表面を傷つけてしまいます。
そこから皮膚炎がさらに広がったり、擦過傷(擦り傷)の治りが悪くなったりと悪循環に入ることは避けたいですよね。
犬が皮膚を傷つけないためには、
飼い主がこまめに犬の肌の状態を確認し、ケアをしてあげること、そして適切な皮膚環境を維持するために環境・食事・ケア用品を注意して選んであげることが大切です。

犬の虫刺されを知ろう

ダニ・ノミ・蚊など、私たちにとってもイヤ~な虫。
被毛に覆われているとはいえ、犬たちもこれらの虫に刺されると痒がって患部を足などで掻こうとします。
急に痒がったり、日ごろのブラッシング中などに気になる赤みが見られる場合には、これらの虫に刺されてしまったのかもしれません。

しかし、犬たちにとって虫刺されは、虫が持っている毒感染症や皮膚病などの病気に繋がることがあるので、これらの兆候がある場合には注意が必要です。

■ 注意が必要な虫刺されと対処について

●マダニ

普通のダニよりも一回りほど大きなマダニは、犬たちの体についてしまうと手で取り除くことが難しい厄介な害虫。
刺された際に注入される唾液によって、犬たちは痒がって患部を掻こうとしますが、それにより傷が広がってしまうこともあるので注意が必要です。
体についているのを見つけた際は、動物病院で取り除いてもらいましょう。

●ノミ

草むらなどに潜んでいるノミは、投薬などで対策をしているという方も多い害虫。
ノミアレルギーがある犬は、刺されるとアレルギー反応により、全身を痒がることも多いようです。
ノミ取りシャンプーやブラッシングで取り除くことができますが、人間にも寄生することがあるので注意が必要です。

●蚊

私たちを刺す困った害虫の代表格・蚊。フィラリアの媒介虫としても有名です。
基本的には犬に蚊を寄せ付けないことが大切ですが、万が一
犬たちが蚊に刺されてしまった場合は、動物病院で獣医師に相談の上、薬を処方してもらいましょう。

乾燥から来るかゆみから守るスキンケア

犬の皮膚を乾燥やかゆみから守るためには「保湿」がポイントとなります。
皮膚の中にある「セラミド」が不足すると、犬の皮膚は保湿力を失い乾燥し、かゆみが出てきます。
特にアトピー性皮膚炎の犬はセラミドが減少すると皮膚のバリア機能が低下し、アトピーの症状がひどくなる場合もあるため、乾燥対策や保湿対策はこまめに行ってあげると良いでしょう。


以下の環境対策と保湿ケアを行い、犬の皮膚を乾燥から守りましょう。

【乾燥させないための環境対策】
・真夏や真冬はエアコンの使用を適度に控える
・部屋の湿度を50~60%に保つ
・静電気対策グッズを犬の首につける
・エアコンの風は犬に直接当たらないようにする

夏の暑い時期や冬の寒い時期は、エアコンが必要不可欠です。
しかし実は、そのエアコンの風が犬の皮膚を乾燥させているかもしれません。


【保湿ケア】
・犬に水分をこまめにとらせる
・犬専用の保湿スプレーや肉球用の保湿クリームを使用する
・保湿成分の入ったシャンプーに変える
・ブラッシングを定期的に行う

犬の体外から保湿する場合は、犬専用の保湿スプレーや肉球クリームを活用しましょう。
犬の肌に触り、カサカサするところやフケが気になるところにつけるのがおすすめです。

そして、犬のブラッシングもスキンケアには欠かせません。 ブラッシングは犬の毛の中に入り込んだ抜け毛を取り除き、風通しを良くしてくれます。 風通しが良くなることで雑菌の繁殖を防ぎ、犬の皮膚を清潔に保ちます。 またブラシの刺激によって血行促進や新陳代謝アップにつながる他、犬とのスキンシップにもなるため定期的に行いましょう。

DOG's TALK

ポチのペット栄養管理士からひと言

犬の毛質に合ったブラシで毎日ブラッシングすることが、一番のスキンケアに繋がります。換毛期は念入りにブラッシングを行い、老廃毛を取り除いてあげましょう。また、ブラッシングで体の不調に気付き、疾患の早期発見に気付くことも多いです。

おわりに

人間と同じように犬の皮膚もさまざまな理由で痒みを生じます。
虫刺されや乾燥などのリスクに気を遣い、より暮らしやすい工夫をする必要があります。
無添加の虫除けスプレーを活用したり、犬専用の保湿ケアグッズを使用する、犬にブラッシングをこまめに行うなどの小さな工夫が犬たちを守ることになります
また日頃から、犬とのスキンシップがてら犬の肌に異常がないかチェックし、小さな変化に気付くことで防げる事態も多くありますよ。