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2019.02.04

ドッグフードが合わない?三大栄養素からチェック!#「犬と食の」一問一答 

犬たちのエネルギーになる三大栄養素。それぞれの役割を知ろう。

動物たちにも三大栄養素と呼ばれる栄養素があるのはご存知の方も多いと思います。タンパク質、炭水化物、脂質の三つがそれに該当します(ミネラル、ビタミンを加えると五大栄養素になります)。
もちろん、犬の食事であるドッグフードの設計にも、これらのバランスを犬たちにとって最適なものとなるように、ドッグフードメーカーは計算をしたり、含まれる成分を調整し、その上で独自のものになるようそれぞれ研究を重ねています。また、三大栄養素のうち、「炭水化物」や「脂質」はどうしてもマイナスのイメージがついてまわり、「少ないほうがいいんじゃないの?」と思われている方も多いかもしれません。

食べなかったり、便の調子がわるかったりするなど「今食べさせているフード」が合わないかも?と思ったとき、まずは、「今食べさせているフード」の原材料のそれぞれの栄養素がどんな働きをしているのかをチェックしてみませんか。

犬にとっての三大栄養素の役割。

それぞれの栄養素が持っている役割を簡単にご紹介します。
★は、その栄養素が含まれている、ドッグフードに使用されている原材料です。

《タンパク質》
体を構成するさまざまな細胞の原材料となる、重要な栄養素。筋肉や臓器、被毛などをつくります。消化液による代謝を経てエネルギーとしても活用されています。
★肉(チキン、ビーフ、ベニソン、○○ペプチド、○○ミール、加水分解○○など)、魚(サーモン、ヘリング、フラウンダー、○○ペプチド、フィッシュミール、加水分解○○など)

《炭水化物》
代謝により、エネルギー還元効率が良い糖質となる。脳を働かせるのに必要な栄養は糖質です。また、炭水化物の内、エネルギーに還元できないものを「食物繊維」と呼び、腸内環境の改善などに必要です。
★ポテト、スイートポテト、穀類(ライス、小麦、オートミールなど)、豆類など
※ただし、米などを含む穀類やポテト、豆類は、炭水化物と植物性タンパク質源の両方を担います。

脂質》
最も高エネルギーの栄養素であり、体温の維持や細胞の保護(細胞膜は脂質)などに必要です。また、体内にエネルギーを蓄える役割もあります。著しく欠乏すると、筋肉などを破壊して変わりにエネルギーに還元してしまいます。また、消化液の材料にもなります。
★オイル類(鶏脂肪、魚油、キャノーラ油など)



犬たちのライフスタイルやライフステージによっても必要とする栄養のバランスは変化していきます。フードを変えようかなと思ったときなどに、基本の栄養素を思い出していただければと思います。

ペット栄養管理士からひとこと

ドッグフードを選ぶときの基準として、タンパク質量について気にされる方も多いですが、タンパク質と同じように脂質と炭水化物も犬にとって大切な栄養源です。三大栄養素のすべてがその犬に合ったバランスで含まれているフードがあれば、それがいわゆる「合うフード」といえるのかもしれません。ただ、すべての犬にとって同じように合っているフードというのは難しく、体質や運動量などによって100頭の犬がいれば100通りの「合うフード」があると言えます。

うちの子に合っているドッグフードを探すためのひとつの指標として、三大栄養素のバランスをチェックしてみる、というのがいいかもしれませんね。数値では理想的でも、犬の好みではなかったり、アレルゲンが含まれていて泣く泣く断念する、ということもよくあります(残念ながら)。犬たちと一緒にドッグフードを選ぶとき、最初から「合うフード」に出会うことは難しいので、少しずつ栄養のバランスや好みの原材料、粒サイズなどさまざまな要素を犬と一緒に確かめながら進めていくのがオススメです。