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2019.02.15

青魚に含まれるEPAって、犬にとってなにが良いの?[機能性成分メモ]

最近聞く機会が増えてきた、EPA。

2016年に生産量、2017年に売上高で、魚の缶詰のトップを奪い取ったサバ缶のブームは記憶に新しいですよね。そんなサバ人気に火をつけた機能性成分の中の一つが、EPA(イーピーエー)と呼ばれるオメガ3脂肪酸の一種です。
この成分は、魚が蓄えた脂分の中に含まれていて、青魚のサバなどの他にも、サケやマスの仲間、サンマやマグロといった脂肪が多い魚に豊富に含まれていることが分かっています。魚油の成分の一つなので、魚の中でもとくに脂がのっている魚に多いといえます。脂がのっていておいしい魚から摂取できる栄養なので、ぜひ犬と一緒に楽しんで取り入れたいところです。

このEPAは、DHA/EPAとひとまとめにした形ですが、実は犬用では20年近く前から主に皮膚や被毛のサプリメントとして、活用されてきました。

EPAの機能性成分ってなに?どうしてまた注目されているの?

機能性成分名:エイコサペンタエン酸(EPA)
主な機能:動脈硬化、高脂血症、抗血栓、血液凝固の抑制、抗炎症など
供給源:イワシ、サバ、ブリなどの魚油

最近、EPAがドッグフードで注目されるようになったのは、主にシニア期の犬たちに増える、関節炎などの傷みを抑制する作用が期待できることに由来しています。また、犬たちの辛い関節の痛みを抑えてくれるだけではなく、ガンなど広い意味で炎症を抑制するとされていて、さまざまな研究が進められています。
また、人間向けの健康情報でもたびたび言われていることですが、いわゆる「どろっと血液」の改善にも効果が期待されていて、循環器系にお悩みを抱える犬たちの負担を減らしてくれるのではないか、とも言われています。
さらに、腫瘍などができたり、増殖したり、転移するのを抑制する効果があるのではないか、という研究もされています。

薬ではありませんので、急に症状を改善するなどは難しいかもしれませんが、日頃から、成犬~シニア期の犬たちが継続して摂取することで、犬たちが本来持っている生体調節機能を高めたり、臓器への負担を減らしたりすることができるかもしれません。過剰摂取しても害がある成分ではありませんが、脂なので脂ののった青魚を食べ過ぎてしまったりすると、うんちが緩くなることもあります。

EPAを効果的に摂取する上で大切なこと。

「そんなに健康に嬉しい成分なのであれば、たっぷり摂取すればより効果が早く出るのでは?」と考えられる方もいらっしゃるかもしれませんね。でも、EPAが効果を発揮するのには、実は他の脂肪酸も必要だといわれています。
それは、オメガ6と呼ばれる脂肪酸。実は、オメガ3とオメガ6の調和が取れてこそ、素晴らしい効果を発揮してくれるといわれています。
健康に良い成分だからといって、そればかりを摂取していても、必ずしも良いとは限らないのは、どんな栄養でも同じことです。EPAもほかの栄養素と同じように、バランスの良い食事の中に取り入れていくことを意識して、日頃の犬たちの食生活を見直していきたいものですね。