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2019.05.13

お茶のカテキンがドッグフードなどに使われる理由は?【ペット栄養管理士監修】

お茶のカテキンがドッグフードなどに使われる理由は?【ペット栄養管理士監修】

日本人にとって、なじみが深い飲み物・お茶。最近ではさまざまなお茶の持つ機能性成分が注目され、緑茶は日本国内、海外問わず人気が高まっています。

日本には薬として中国から伝来したという歴史を持っています。この頃は日本ではまだ栽培の技術も確立されておらず、非常に貴重だったお茶を飲むことができたのは、やんごとなき高貴な身分の人のみでした。

今では日本人にもお馴染みの飲み物、緑茶の機能性成分として代表的なものがカテキンです。本日は、犬たちのフードや身の回りのアイテムにも使用されている緑茶の成分、「カテキン」を中心としたお話です。

カテキンの犬に嬉しい働きって一体なに?

犬たちのペットシーツやペット用の消臭スプレーにカテキンが使用されている時に期待されているのは、主に消臭や抗菌の目的です。
これは、カテキンが強いニオイを発生させる成分を吸着し、そのニオイを弱める働きがあるとされているためです。

そのほかにも、フードやオヤツに配合されている場合には、口臭などの原因に働きかけてくれることが期待されています。さらに、カテキンが含まれた食事を食べた時、動物たちの腸内細菌の組成が変化し、ニオイを軽減したという研究結果も出ているのだそうです。
もちろん、カテキンは天然の自然に存在する有効成分ですし、私たち人間も日常的に口にする食材から抽出された成分なので、安心して使用できますよね。
カテキンは緑茶由来の成分で、緑茶にはカフェインが含まれていることから心配になる人もいるかもしれませんが、問題ありません。
継続的に犬にカテキンを含む食事を与えることで、これらの効果は持続するとも言われています。

ちなみに、犬たちの食事などに配合されるカテキンは、犬たちに有害とされているカフェインとは、分離された状態で使用されています。

カテキンは、抗酸化にも効果があるの?

犬たちの食事でも抗酸化物質は注目を集めていますが、緑茶由来のカテキンにも、抗酸化効果があると言われています。
どんな生物でも、生活していると体の細胞は時間経過とともに酸化されていきますが、ポリフェノールの一種であるカテキンにも、その酸化を進める活性酸素を除去する働きがあるのだそう。

さまざまなストレスや老化など、避けては通れない酸化のきっかけとなる事柄に加え、夏に向かって、強い紫外線のダメージにより、犬たちの体も酸化の影響を受けやすくなっていきます。
抗酸化作用が期待できる成分は、カテキンだけではありませんが、抗酸化成分を意識的に摂取していくことで、普段の食事から酸化対策を始めることができるかもしれません。季節に合わせた犬たちの食事のメニューを選んだりする際の参考にしてみてくださいね。