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2019.07.24

土用の丑の日、うなぎと犬と暦のお話。【#selfishな歴史犬聞録】

土用の丑の日、うなぎと犬と暦のお話。【#selfishな歴史犬聞録】

2019年の土用の丑の日は7月27日(土)です。土用の日については以前の記事(「春の土用の戌(いぬ)の日、なに食べる?オススメ食材もご紹介【selfishな歴史犬聞録】」)でもご紹介しましたが、春夏秋冬それぞれに「土用の○○の日」が存在しています。今回は夏の土用、有名な丑の日がやってきます。

犬たちと一緒にうなぎを楽しむのも良し、犬たちと一緒にうなぎ以外の食材を楽しむのも良し。今年の土用の丑の日を、もっと楽しむちょっとしたお話を紹介します。

夏の土用は「秋の始まり」

夏の土用は、旧暦の上では「夏」から「秋」へと季節が移り変わる節目になります。でも、私たちの今の感覚では「いよいよこれから夏は本番でしょ?」と思いますよね。これは昔と現在の暦の数え方の違いによって発生したものです。
もともと、日本で伝統的に用いられてきた暦は「太陰暦」といって、月の満ち欠けによって作成されたものです。月が見えない新月から始まり、少しずつ月は見える部分が増えていき、満月を経て再び少しずつ欠けていきます。この一連の周期を一ヶ月、と定めたのが太陰暦です。

一方で現在一般的に使用されているのは「太陽暦」。こちらは地球が太陽の周囲をぐるりと一周するのにかかる期間を一年と定め、それを分割して作成されたものです。

月の満ち欠けを利用した太陰暦では、一ヶ月は約29日か30日の範囲内に定められますが、実際の季節の移り変わりは太陽の周りを地球が周回することによって発生するので、年を追うごとに少しずつ太陰暦と実際の季節・太陽暦の間ではズレが生じていきます。

DOG's TALK

かつては日本などの太陰暦を使用していた地域では「閏月」という月を定期的に増やし、一年間を13ヶ月にすることで実際の季節とのズレを解消することも行われていました。
日本の歴史書や中国の歴史書などを読むと、昔の旧暦の日付で記された書物がほとんどなので、西暦や太陽暦の日付と結びつけると時期が合わなくなってしまったりすることも良くあります。
歴史の本を読んだり、史料を調べたり博物館で見る際には、日付にちょっと注目してみると面白い発見があります。

夏の土用にはどうしてうなぎを食べるの?

"土用の丑の日にうなぎ"という風習は、江戸時代の発明家であり、日本初のコピーライターとも言われる平賀源内が提案したキャッチコピーが元になっているという話が有名ですね。
一説によると、夏になると味が濃いうなぎ料理はあまり人気がなく、現代のように冷蔵・冷凍技術が確立していなかったために傷みが早く進んでしまう夏の間はうなぎ屋さんが大変困っていたのだそう。そこで、うなぎに再び人々の関心を集めるための企画を平賀源内に依頼したことから、現在のような風習が生まれたのだそうです。

とはいえ、うなぎには疲労回復やエネルギー代謝に役立つビタミンB1やタウリンが含まれているので、この時期に食べることで夏バテの予防に役立つというメリットもあります。

犬もうなぎを食べられる?注意点は?

うなぎそのものは、犬たちにとっても良いタンパク質源となってくれる食材です。ただし、蒲焼きにしてしまうと甘辛いタレがついてしまっているので、それは避けるようにしてくださいね。白焼きと呼ばれるタレがついていないものであれば、犬たちにおすそ分け程度にシェアしてみてはいかがでしょうか。
また、薬味としても使用される山椒は、漢方薬にも使われるジャパニーズハーブの一種ではありますが、刺激物なので与えないでください。

犬たちにうなぎを食べさせるのであれば、一口サイズにカットしてフードにトッピングしたり、ちょこっとだけおすそ分けするような形で食べさせてあげるのが良さそうです。
また、うなぎの白焼きや錦糸卵をフードにトッピングして、かつおだしのスープをかければ簡単なひつまぶし風にもなって、特別なごちそうに早がわりします。

土用の丑の日は「う」のつく食材を食べよう!