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2019.09.30

犬の散歩時間や医療費・食費はどれくらい?犬の健康に関するアンケート

犬の散歩時間や医療費・食費はどれくらい?犬の健康に関するアンケート

犬は大事な家族の一員。いつまでも健康でいてほしいものですよね。健康な状態を維持するために、毎日の運動や食事に気を遣っている方も多いはず。
関心の高いことだからこそ、「健康維持のために散歩をしたり、食事に気を遣ったりしてはいるけど、本当にこれで十分なのかな?」と不安に思ったり、「他の飼い主さんは毎月フードにいくらぐらいかけてるんだろう?」と気になったりする方もいらっしゃるのではないでしょうか。
犬友との話題にも上ることが多いテーマのひとつですが、犬たちの個性や性格・体質などもあり、絶対的な正解はない問題のひとつでもありますよね。

そこで今回は、犬を飼っている、もしくは過去に飼っていた経験をお持ちの30歳~59歳の女性225人を対象に以前実施したアンケート結果から、散歩時間や医療費、食事についてなど「犬の健康」に関する内容をまとめました。

平均散歩時間は「30分前後」の方が大半

犬も人間も健康のために重要とされるのが「運動」です。犬と共に生活している方は、毎日散歩に出るという方がほとんどでしょう。

そこで現在犬を飼っている、もしくは過去に飼っていた経験をお持ちの30歳~59歳の女性225人に「1日の中の犬の平均散歩時間を教えてください。飼っていた方は過去に散歩をしていたときのことをお答えください。」と伺ったところ、最も多かった回答は「30分以上1時間未満(37.3%)」、続いて僅差で「30分未満(36.0%)」という結果になりました。

1時間以上と答えた方もいらっしゃいましたが「1時間以上2時間未満(4.0%)」「2時間以上(0.9%)」とどちらもごく少数であることから、大半の方は30分前後を目安として散歩をしているようです。

もちろん、犬たちの体が大きくなればなるほど必要となる運動量も増えたり、犬種によっては体格相応以上の運動量が必要になることもあります。一方で、体格が大きくても関節などに負担にならないように適度な運動量に抑えておくことが必要な犬種もあります。
また、飼い主のペースにあわせて歩くだけの散歩と自由に走り回れる環境での運動、アジリティやフリスビーなどのスポーツではそれぞれ犬たちの感じる満足度や運動量も大きく異なります。これらの運動を組み合わせたり、計画的に行っている方もいらっしゃるのではないでしょうか。犬たちにとって散歩の時間は楽しみであり、大切なストレス解消の時間です。犬たちが楽しめるようなルート作りや遊びを取り込むことで、短い時間でも散歩の時間を充実したものにできれば犬たちも満足してくれるのかもしれませんね。

健康面で気になるパーツ、最多は犬の「目」

続いての「犬の健康面で気にしている(気にしていた)部分を教えてください。(複数回答可)」という質問では、「目(35.6%)」が最多回答となりました。目やにや充血などの軽い症状から始まり、白内障や緑内障などの生活に支障をきたす病気を発症することもあるため、目の健康状態を気にかけている方が多いのかもしれません。夏には強い紫外線が降り注ぐことで目へのダメージが蓄積したり、白っぽい被毛を持つ犬たちの場合は涙やけのお手入れなど、気になるというお悩みが多いのは私たちと犬たちとのコミュニケーションのひとつとして、アイコンタクトがあることも関係しているのかもしれませんね。

次点が「毛並み(34.2%)」、続いて同率で「足・腰(32.0%)」「皮膚(32.0%)」が並び、これら4つのパーツは、3人に1人の方が気にしているという結果になりました。
毛並みでは脂っぽくなったり、脱毛などのお悩みのほか、被毛の色が薄くなるなどのトラブルがあるようです。
足腰に関しては、シニアになり関節トラブルを引きこしやすくなるほか、怪我などを防ぐための取り組みを実践している方もいるようです。皮膚はフケやかゆみ、赤みなどのお悩みが多いようです。

犬1頭あたりの年間の医療費は…

健康な体を維持できることが一番ですが、いつもと違う様子が見られた場合に頼りになるのが動物病院などの医療機関。定期的に予防接種などもあるため、他の飼い主の方は犬1頭あたりどれくらい医療費がかかっているのか気になる方もいらっしゃるのではないでしょうか。

「犬1頭あたりにかかる(かかった)年間の医療費を教えてください。」と尋ねたところ、最も多かった回答は「1万円未満(19.1%)」、続いて「1万円以上2万円未満(14.2%)」となりました。

金額の最も少ない選択肢が最多回答となりましたが、どの選択肢も一定数の回答があり、医療費は犬種や年齢によって大きく異なることが伺える結果となりました。年間の医療費がいくらなのか「分からない(44.4%)」と回答している方も多いことから、年間トータルでいくらかかっているのかをさほど気にかけていない(記録していない)方も多いのかもしれません。
特に大型犬の場合は、体が大きい分かかる医療費も高くなる傾向があります。それだけに、普段から犬たちの健康状態を気にかけているという方も多いのかもしれません。小型犬であっても、大型犬であっても、できるだけ病気や怪我は避けたいものですね。犬たちの小さな変化に気付ければ、大きなトラブルを避けることができるかもしれません。

犬1頭あたりの月間の食費は…

犬の健康管理において、運動と同じくらい重要なことといえば「食事」です。そこで、「犬1頭あたりにかかる(かかった)月間の食費を教えてください。」と質問し、1カ月あたりの犬の食費を教えてもらいました。

「2,500円以上5,000円未満(23.6%)」が最も多く、「2,500円未満(15.1%)」「5,000円以上1万円未満(14.7%)」と比較的少額の選択肢が並びましたが、中には「2万円以上(0.4%)」という方も。ドッグフードの値段は内容量や使用されている原材料などによっても異なるため、バラつきのある結果となりました。

また、犬たちの食事を手作りする、という選択肢も広がってきています。犬たちの食事を手作りする場合、人間の食材と一緒に購入することもあります。そのほかにも、ドッグフードを少量でローテーションしているためにこまめに買い足したり、多頭飼いの場合には一度に大袋を購入したり、といった事情から1カ月で犬たちの食費がいくらかかっているのか「分からない(42.2%)」という方もいるようです。

食事で気を付けていることは?

後に、「犬の食事で気を付けていること(気を付けていたこと)を教えてください。」と質問したところ、さまざまなコメントが寄せられました。

最も多かったコメントは「人間の食べ物(食事)」に関する意見でした。

・人間が食べる物をあたえない…特に玉ネギなど(44歳・専業主婦)

・人間の食べる味の濃い食べ物はあげない(32歳・会社員(事務系))

「絶対に与えない!」という方もいれば、「味の濃いものはNG」「あげすぎないように気を付けている」という方もいるなど、注意している度合いに差はあるものの、人間用に調理した食事は犬には与えないという方が多く見られました。
人間にとっては問題ない食材でも、犬たちにとっては有害となるものがいくつかあります。また、少量であれば問題なくても、大量に食べるとトラブルの原因になる可能性があるものもあるので、犬たちに人間用に調理されたものを食べさせる際には注意が必要です。
また、食べさせるつもりはなくても、目を離した隙に盗み食いをしたり、イタズラをして誤飲してしまうなどのトラブルにも気をつけたいですね。

その他に目立ったのが「塩分」に関するコメントです。

・塩分や糖分が多いおやつを与えないよう気を付けている(42歳・会社員(事務系))

・野菜も与えるようにして、塩分は少なめに(35歳・パート・アルバイト)

犬たちにとっても塩分は必要な栄養素のひとつです。塩に含まれるナトリウムには、体内を循環する血液量や細胞間液をコントロールする他、浸透圧の調整や酸とアルカリのバランスを保ってくれるなどさまざまな働きがあります。
必要なナトリウム量は犬の大きさによっても違い、小型犬は1日に100㎎のナトリウム量、中型犬は500mg、大型犬は1.5gが適量と言われています。
これはひとつの目安であり、犬たちの体調などによっても必要量は異なりますので注意が必要です。例えば、腎臓や心臓にトラブルがある犬たちにとっては高すぎる塩分は決して良い影響を与えません。

どんな栄養でもそうですが、犬たちの体調に合わせて、適量を適切な方法で摂取することが健康への第一歩です。

おわりに

今回は、犬の健康に関するアンケートの結果をご紹介しました。

散歩時間や医療費・食費などは、犬種や年齢、健康状態によって異なりますが、食事の面でもそれは同様です。犬たちにも様々な体質や個性がありますから、犬たちの数だけフードや運動にも正解があるといえるのではないでしょうか。なかなか「ウチの子にぴったり」の食事内容や運動量を見つけることは難しいかもしれませんが、犬たちとの暮らしの中での小さな気付きがきっかけになることもあります。犬たちとの暮らしを豊かで楽しいものとするためにも、犬たちの個性や体質について観察しながら試してみてくださいね。

調査概要

*1 調査区域:47都道府県 調査方法:インターネットリサーチ 実施期間:2016年11月11日 有効サンプル数: 225(30~50代の女性)