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2019.11.25

ドッグフードの加水分解チキン、加水分解フィッシュ...これってどんな原材料なの?

ドッグフードの加水分解チキン、加水分解フィッシュ...これってどんな原材料なの?

犬たちの体のための栄養バランスが整っているので、毎日の健康の基本食として頼れる存在のドッグフード。でも、そんなドッグフードにも「これって何だっけ?」「聞いたことがないけど…」と思ってしまうような材料名があったりすると、少し不安になることもありますよね。

今回取り扱うのは、加水分解チキンや加水分解フィッシュなどドッグフードの原材料に記載されている「加水分解」についてです。

加水分解ってどんなもの?

加水分解とは、特定の物質に対して水が反応し、分解されることで、別の物質が生まれる反応のことを指します。

ドッグフードにおいては、製造の過程でタンパク質を吸収しやすくするためにあらかじめ酵素などを加え、消化に近い形でアミノ酸にまで分解したもののことを加水分解チキン、加水分解フィッシュと呼びます。
ドッグフードの原材料のうち、加水分解チキンや加水分解フィッシュなどは、チキンや魚に加水分解処理を施したうえで使用しています、ということを表しているのです。

最近、機能性成分が含まれている人用の栄養ドリンクなどのテレビコマーシャルで[○○]水解物と言っているのを耳にしたことはありませんか。
[○○]水解物も、それぞれタンパク質に消化酵素を加えて加水分解し、効率よく栄養を取り入れるためにアミノ酸やペプチドの形にしたものを言います。

麹による米のデンプンを分解し、ブドウ糖を作る作用も加水分解に含まれますし、私たち・犬たちの消化の過程でも、体の中で食べ物を溶かし、タンパク質からアミノ酸を取り出すなどの消化が行われています。この消化の働きの中でも加水分解は行われています。

ドッグフードに加水分解された原材料を使用するメリット

犬が食べた食べ物は、消化管の中で胃酸や消化酵素、消化液などによって分解され、タンパク質はアミノ酸まで細かくなってから体内に吸収されていきます。
加水分解とは、食べ物を分解する消化の過程とほぼ同じ処理を原材料に施していることになります。
消化の過程を一部省略することで消化吸収がより早くなるだけでなく、アレルギーの主な原因となるタンパク質の状態ではなくアミノ酸レベルで体内に取り込まれることになるので、アレルギー症状を起こしにくくなると言われています。

そのため、アレルギー配慮の療法食などに使用されることが多いのが、加水分解処理を施された食材です。基本的には、加水分解処理された食材であれば、アレルギーの心配をする必要がないといわれていますが、稀に分解し切れなかったタンパク質が含まれてしまうこともあるようです。

加水分解された原材料が危険って本当?


私たちの食事はもちろん、犬たちのこだわりの食事に使用される加水分解食品は酵素を使って分解されることが多いです。

自然の食品にも含まれているタンパク質を分解する力を持っている酵素の総称をプロテアーゼと呼びます。
プロテアーゼには、納豆菌から作られるナットウキナーゼやパパイヤが持っているパパイン、キウイフルーツが持っているアクチニジンなども含まれています。これらの酵素は、機能性成分として犬たちの食事に取り入れるとお腹の調子を整えてくれたり、栄養をより吸収しやすくしてくれるので、オススメです。

POCHI取り扱いブランドのフードのように、付加価値として食事などに使用する加水分解物の場合は、犬たちの体の中で行われる消化の過程と同じ酵素の力を使用しているものが多いので、危険な薬品や化学的な物質の影響を心配する必要は基本的にはありません。

DOG's TALK

加水分解、と聞くと何となく化学的なイメージが湧いてしまって、悪い想像が膨らんでしまいがちですが、私たちや犬たちの体の中でも起きている現象を再現しているんですね。お腹が弱い犬たちやアレルギーがある犬たちは、上手にこの原材料を使っている信頼できるフードを活用していくことがポイントになりそうです。

おわりに

ドッグフードに使用される加水分解チキンや加水分解フィッシュという原材料は、肉などのタンパク質を酵素の力でアミノ酸やペプチドレベルまで分解したものです。アレルギーが起こる仕組みには、原材料のタンパク質が大きくかかわっています。アレルギーを引き起こすタンパク質ではなく、アミノ酸やペプチドであればアレルギーに繋がらないため、使用されることがあるのです。
また、加水分解の処理そのものは犬が食べ物を消化するプロセスと同じ働きなので、消化の手間を省くことに繋がり、消化器系の負担を軽くすることにもつながります。

原材料の特長を理解して、犬に適したドッグフードを選んでいければいいですよね。

 

 

■アレルギーがある犬でもペプチドなら大丈夫なのはなぜ?~

ペット栄養管理士がお答えします

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