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2020.01.20

犬のアレルギーとペプチドの関係とは?アレルギー配慮のドッグフードについて

犬のアレルギーとペプチドの関係とは?アレルギー配慮のドッグフードについて

犬たちの毎日の暮らしを少しベターにするTipsを、POCHIのコンサル担当のスタッフたちがお届けします。

*1 ご相談内容は一例であり、犬たちの生活習慣や体格、体質などによって差があります。

~〇〇ペプチドなら、アレルギーのある犬でも大丈夫?~

<とあるご相談内容>
犬に特定の食品にアレルギーがあることが分かり、獣医師さんに奨められたアレルギー対策されているフードを与えていますが、フードの原材料の中に「〇〇ペプチド」という原材料を見つけました。
例えば、ミルクにアレルギーがある場合でも、ミルクペプチドなら与えても大丈夫ということなのでしょうか?
アレルギーがあるのに、ペプチドとはいえ、アレルギー項目が含まれている療法食を与え続けても問題ないのでしょうか?とても心配しています。

DOG's TALK

POCHI スタッフ OKAPY

犬ぞりやフリスビーなど、犬とできるアクティビティが好き。大型犬を見るとテンションが上がります。

言葉としては、ペプチドとはアミノ酸が50個以下結合したものを指します。さらにたくさんのアミノ酸が結合し、50個以上のアミノ酸が結合した状態をタンパク質と言います。大きさで言うと、アミノ酸<ペプチド<タンパク質となります。

一般的に、体内で細胞などを再合成するためにタンパク質が使用される、という働きが知られていますが、体内でチキンやビーフなどのタンパク質がそのまま使われるわけではありません。
体内で大きなタンパク質を胃や腸で一定以上の大きさのペプチドに分解し、その後小腸でアミノ酸レベルまで分解してから吸収し、バラバラのアミノ酸を一から組み直して「犬の細胞」として再合成して使用されます。
つまり、消化吸収の段階では取り込まれるのはタンパク質を分解したペプチド、実際に体内で使われるのはそれをさらに分解したアミノ酸ということですね。

肉類、野菜、穀類などの細胞を構成する栄養素の代表的なものがタンパク質で、アレルギー反応は、一般的にアレルゲンとなる食材に含まれているタンパク質に免疫機能が過剰に反応することで引き起こされるといわれ、タンパク質は分子量が8~15キロダルトン(ダルトン=分子などの大きさの単位)以上の大きさの状態で、アレルギー反応が出やすくなるといわれています。
逆に粒子の大きさが10キロダルトン以下の分子量では、アレルゲンを認識したとしても炎症物質を放出する細胞に情報を伝達しないため、炎症産物が放出されにくい=アレルギー反応が出にくいということが起きます。

このことをふまえて、ドッグフードのタンパク質を事前に小さく、10キロダルトン以下のペプチドレベルまで分解しておくことで、アレルゲンとなる食材を使用していながら、ペプチドが小腸に取り込まれてもアレルギー反応が出にくいフードを作ることが可能になります。「アレルギー対応食」と呼ばれているフードには、原則タンパク質にのみ反応するアレルギーの仕組みを利用して、加水分解した小さな単位のペプチドの形でアミノ酸を供給しているフードが多いようです。

基本的には、10キロダルトン以下のペプチドレベルならアレルギーが出にくいのですが、療法食を食べてくれなかったり、ドッグフードに飽きてしまったりすることがあるかもしれません。
そういった場合の備えとして、犬が今まで食べたことがないようなタンパク質源を使用した希少性タンパクフードを、いくつかローテーション先として確保しておくのがオススメです。今まで食べたことがないタンパク質源を使用しているドッグフードであれば、アレルギー反応がみられることは稀です。最近では、種類も豊富で選ぶ楽しみもありますので、犬たちのお好みのドッグフードを探してみてくださいね。