• コラム
  • スタッフコラム

2019.11.05

犬の夜鳴きや落ち着かない様子に。快適な暮らしに役立つトリプトファン

トリプトファンってどんな物質?

トリプトファンは犬たちにとって必須アミノ酸10種類に含まれていて、総合栄養食のドライフードにはバランスよく必須アミノ酸が含まれています。必須アミノ酸は、犬たちの体の中で自ら合成することができないために、食事を通して摂取が必要なアミノ酸のことを指します。

トリプトファンは肝臓で代謝され、エネルギー源となります。そのほかにもセロトニン・メラトニンといったホルモンや、ナイアシンの体内活性物質といった神経伝達物質を作るために必須な栄養素です。
適切な量を摂取することで、犬たちの生活リズムを整え、精神面を安定させる働きを持っているといわれています。犬たちがストレスを感じやすかったり、生活環境が変わったりした時のほか、シニア期になった犬たちにも認知症対策としてオススメの栄養素です。また、ハイシニアの犬たちの体内時計を整えたり、気持ちを落ち着かせるのにも効果的です。

■ 必須アミノ酸を摂取する上でのポイント・桶の法則

トリプトファンは犬たちにとっての必須アミノ酸ですので、必須アミノ酸を摂取する際に大切な「桶の理論」が適用されます。
桶の法則とは、簡単に言うと「必須アミノ酸は、全てをバランスよく摂取しなければ、最も少ない量のアミノ酸にあわせた量しか使用されない」という理論。
例えば、トリプトファンが良いからといって、大量に摂取したとしても体内で適切に使用されるのは、他のアミノ酸の内でもっとも少ない量のアミノ酸に相応する量だけということです。
過剰に摂取しすぎると栄養バランスが崩れてしまいますので、適切な量を摂取するのが良いですね。

手作り食などでトリプトファンを取り入れるなら

トリプトファンはアミノ酸なので、基本的にはタンパク質量が多い食事であればトリプトファンの摂取量も多くなります。しかし、先ほどもお話した通り、必須アミノ酸の摂取には桶の理論が適用されるので、やはり「アミノ酸スコアが優れた」タンパク質源を上手に活用しながら手作り食に活用するのがオススメです。

アミノ酸スコアが高い食材といえば、やはり卵。犬たちに与える際にはゆでたまごにしたりして取り入れるのがオススメです。
納豆や豆腐、豆乳などの大豆を使用した食材からもトリプトファンが効率的に摂取できます。植物性タンパク質源が豊富な大豆を使用した手作り食には、大豆などで不足しがちなアミノ酸を含むお肉も合わせてバランスを調整してみてくださいね。

DOG's TALK

原材料に含まれているアミノ酸のバランスは、それぞれの原材料ごとに異なっています。そのため、タンパク質が豊富だからといってその食材だけをたくさん与えでも、食事全体できちんとアミノ酸のバランスが取れていないと上手く使えません。
日本などの精進料理では、肉類の代わりに大豆を使用して料理を作り、白米を食べることがありますが、実は白米と大豆とのアミノ酸バランスは補完し合う関係にあります。昔ながらの知恵なのかもしれませんね。