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2019.12.12

犬の腸内環境を保つには?ウンチで分かるチェックポイント

人間と同じように、犬も腸内環境を保つことは健康です。有用菌を優位にして、多彩な菌が活躍する腸内にすることで免疫機能を維持しやすくなります。逆に悪玉菌が増えると、身体中に毒素がまわり、免疫力がダウンします。犬の日々の腸内環境チェックを調べる目安となる“ウンチ”のチェックポイントもご紹介します。

ウンチの安定には犬も腸内環境が大切

最近メディアなどで「腸活」「菌活」という言葉を目にすることが増えました。腸活・菌活とは、腸内で働く有用菌のバランスを適切に保って、腸内環境を整えること。腸は栄養の消化・吸収、老廃物を外に出す排泄などの重要な役割があり、健康の要とも言われていますが、それは犬にとっても同じことです。腸は免疫にも関わることが様々な研究で示唆されており、腸内環境が悪くなると、ウンチの状態がなかなか安定しなくなるなどのほか、健康に悪影響を及ぼすことがありますので、普段の食事などで気遣うことが大切です。

ウンチを安定させるには、犬の腸内フローラを整えよう


人の腸管内にはおよそ100〜1000種・100兆個もの腸内細菌が生息しており、顕微鏡で覗くとそれら細菌がお花畑のように群生していると言われています。それらは「腸内フローラ」と呼ばれています。犬において腸内細菌数を計測した正確なデータはこれまで報告されていませんが、犬の消化管内での細菌密度は人よりも濃密であることが知られており、腸内細菌が健康に与える影響は人と大きく変わりないものと考えられています。

腸内細菌は大きく3種類に分類されます。腸内で消化吸収の補助など行う「有用菌」、毒素を発生させるなど体に悪影響を与える「悪玉菌」、普段はどちらにも属さず状況によって数が多い方に加担する「日和見菌」が生息しており、それらが腸内で活動しています。人において腸内フローラの最適なバランスは有用菌2:悪玉菌1:日和見菌7と言われており、犬の場合は、健康な状態でも人よりも悪玉菌のバランスが多い傾向にあるとされていますが、同様に有用菌が多く保つことが大切だと考えられています。
下痢や便秘などのウンチに関するトラブルにも、腸内環境や腸内フローラが深く関係しています。

犬の腸内環境のバランスが崩れる原因とは?

●食事
犬は雑食性ではありますが、限りなく肉食に近い動物です。雑食性の人間と比較して腸が短く、穀類や植物由来の栄養素よりも、動物性タンパク質を消化するのに適した構造になっているのがその証拠です。肉類は悪玉菌を増殖させることがわかっていますが、肉を主体にした総合栄養食のドライフードを日頃から与えること自体は問題はりません。腸内フローラが悪玉菌過多の状態にならないためには、ライフステージなど犬に合わせた適量を考え、水溶性・不溶性の食物繊維をバランスよくローテーションとして混ぜるなどの変化をつけることが大切だと言えます。

●ストレス
緊張が続くと下痢などのウンチのトラブルが起こりやすくなるように、ストレスは腸とも深く関係しています。慢性的なストレスは、乳酸桿菌やビフィズス菌などの有用菌を減少させ、皮膚の表面の菌のバランスを保つことができず、特定の菌が増えすぎてしまうことがあります。なかでもブドウ球菌が増えると皮膚のバリア機能が低下し、炎症が起き、膿皮症と呼ばれる病気に発展することも。
このブドウ球菌は普段から犬たちの体に存在している常在菌のひとつですが、菌のバランスを維持することが腸でも皮膚でも健康のためには大切です。普段から犬のストレスサインをキャッチ(コラム:犬のストレスの原因は?症状別!犬のストレス解消法)して、ストレスの原因となるようなものはできる範囲で取り除いていきたいですね。

●老化
人の場合は老化とともに、有用菌であるビフィズス菌が減少しますが、犬の場合はビフィズス菌とともに、乳酸桿菌が減少することがわかっています。この乳酸桿菌は、腸の中などに一定数存在している菌で、周囲の環境を他の菌たちが活動しやすいように整える働きをしてくれます。乳酸桿菌が減少することで、有用菌が増えにくくなってしまう一方で、ウェルシュ菌や大腸菌などのちょっと困った菌が増加する傾向にあります。犬のライフステージによる整理変化や食事内容の変化に関係すると考えられています。

DOG's TALK

プロバイオティクス(有用菌)のサプリメントや発酵食品を取り入れることは、悪玉菌の増殖を抑制し、一時的に有用菌優位の腸内環境作りをサポートする働きがあります。また、プロバイオティクスが腸内に入ることで、もともと生息していた有用菌が増殖しやすい環境になるため、毎日の食生活に加えることは有意義と言えるでしょう。

おわりに

その他にも、抗生物質による治療の影響、ウィルスなど微生物による感染症など腸内環境が乱れる原因はさまざまですが、日常的な犬の腸活として中心になるのが、上記でご紹介した「食事」「ストレス」「老化」の3つのケアです。
まずは、特にウンチの状態を日頃から観察(コラム:体調不良や病気のサインかも!うんちで分かる犬の健康状態と対策)することで、犬の腸内環境を適切に把握することからはじめてみるのがオススメですよ。