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2020.05.21

犬の体に嬉しい乳酸菌とは?身近にあるからこそ知っておきたい基礎知識

犬の体に嬉しい乳酸菌とは?身近にあるからこそ知っておきたい基礎知識

犬のおなかの調子を整えるのに役立つ機能性成分としてもメジャーな乳酸菌。最近では腸内環境を整えることが免疫系にも嬉しい効果があるともいわれるようになり、より一層関心が高まっているようです。
しかし改めて考えると、乳酸菌という菌がおなかの中で嬉しい働きをすることは知っていても、乳酸菌自体がどのようなものなのか、説明できるかといわれるとちょっぴり自信がない…という方も多いのではないでしょうか。

犬たちのおなかの調子を整えるのにも役立つ乳酸菌の基礎知識として、乳酸菌の働きについてご紹介していきます。

乳酸菌ってどんな菌なの?

乳酸菌は、その名の通り乳酸を作る機能を持っている菌の総称です。乳酸菌とひとことで言っても様々な種類があります。ドッグフードやサプリメントに使用されているものでは、フェカリス菌やラクトバチルス菌などがあります。

乳酸菌といえば、私たち人間の身近な食品にも多く含まれていることが知られています。そして、それらの食品の中でもヨーグルトやチーズ、納豆や漬物などの発酵食品に多く含まれているのです。
食品の発酵は、乳酸菌の働きによっておこる現象です。乳酸菌は発酵の過程で乳酸という酸性の物質を作ることで、食品のpHを酸性に傾けさせ腐敗を進めるほかの菌類の活動を抑制するのだそうです。
つまり、乳酸菌が活動することで作られる乳酸で、ほかの菌類が繁殖しすぎることを抑制することができるというのが大きな役割といえます。また、中にはより抗菌力の強いペプチドを作ることができる乳酸菌もあり、天然由来の抗菌成分として活用されることもあるようです。もちろん、この乳酸菌が作る抗菌ペプチドは人体や犬に影響があるものではなく、安全なものです。

犬の体の中での乳酸菌の働き

犬の体の中にも常在菌として乳酸菌は存在しています。
代表的なものとしては、やはり腸内細菌としての乳酸菌がありますが、口の中にも乳酸菌が存在しています。

まず、犬の口内では乳酸菌が作る乳酸は、pH値のコントロールをサポートしているといわれています。口内環境がアルカリ性の状態が続くと、歯周病の原因となる菌が繁殖しやすくなったり、口臭につながる可能性があるのだとか。
最近では、犬のデンタルケア用品でも口内の乳酸菌の働きをサポートすることで、口内環境の改善に働きかけるものも出てきています。

腸内でも乳酸菌が作る乳酸が大きな役割を果たしています。腸内には乳酸菌以外にも多種多様な菌が存在していて、それぞれが適切なバランスで存在していることが、腸内環境にとっては重要です。有用菌だけが極端に多すぎたり、悪さをする菌が極端に少ないという状態も、犬の腸内環境の観点ではあまり良いとは言えないのです。
乳酸菌が作り出す乳酸は、悪さをする菌が爆発的に繁殖しにくいような環境を作るのに役立っています。腸内の細菌のバランスを調整するため、乳酸菌は環境づくりを担当しているというわけですね。

DOG's TALK

最近では、有用菌が活躍しやすい環境を作る乳酸菌などのプロバイオティクスをプレバイオティクスと呼ばれる有用菌と一緒に摂取することで効率的に腸内環境を整える「シンバイオティクス」という考え方に基づいたアイテムも登場しています。サポーターとしての乳酸菌と一緒に、菌の増殖に役立つプレバイオティクスを摂取することで、有用菌がより活発に働くようになる、というわけですね、
下痢などが長引いている犬など、乳酸菌だけを与えてもなかなか状態が良くならないときなどは、シンバイオティクスのサプリメントなどを活用してみるのも一つの方法かもしれません。

おわりに

乳酸菌、というと私たち飼い主にとっても、犬の食事やサプリメントでもよく見る機能性成分です。でも、だからこそどんな働きを持っているのかを知っておくと、サプリメントや食事などを選ぶときに少し役に立つかもしれません。
もちろん、乳酸菌単体でも腸内に存在している有用菌が増えることを助けてくれるので、とても嬉しい存在です。腸内細菌が作る副産物には、大腸の働きを活性化するものや免疫系をサポートするものもあります。腸は第二の脳、とも呼ばれるほどさまざまな器官に関わる器官です。腸内環境を整えるためにも、体調を見ながら試してみてはいかがでしょうか。