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2020.06.10

アミノ酸にも不要なものがあるの?非必須アミノ酸ってなに?

アミノ酸にも不要なものがあるの?非必須アミノ酸ってなに?

必須アミノ酸は動物の種類によって異なっていて、人間では9種類、犬は10種類あります。必須アミノ酸は体内で合成することができないため、食事からの摂取が必要なアミノ酸のグループですが、体内で作ることができるアミノ酸もあります。これらのアミノ酸は必須アミノ酸と対になる形で、「非必須アミノ酸」と呼ばれています。
では、体内で合成することが可能な非必須アミノ酸は食事から摂取する必要はないのでしょうか?
ここでは非必須アミノ酸の種類と働きについてご紹介します。

非必須アミノ酸にはどんなものがあるの?

犬の非必須アミノ酸は全部で何種類あるのでしょうか?タンパク質を構成するアミノ酸は全部で20種類ありますが、その中で犬の必須アミノ酸は10種類(犬の必須アミノ酸についてはこちら:【獣医師コラム】アミノ酸スコアから考える、犬にはどんなタンパク質をあげるべき?)なので、それ以外の10種類のアミノ酸が非必須アミノ酸というグループになります。

犬の必須アミノ酸:アルギニン、イソロイシン、スレオニン、トリプトファン、バリン、ヒスチジン、フェニルアラニン、メチオニン、ロイシン、リジン

犬の非必須アミノ酸:グルタミン、アスパラギン酸、グルタミン酸、アラニン、プロリン、システイン、アスパラギン、セリン、グリシン、チロシン

こうやって並べてみると、必須アミノ酸と同じ数のアミノ酸を犬は体内で合成することができるのが分かりますね。

非必須アミノ酸も、体内でさまざまな大切な役割を持っているのですが、その名前のせいか、「不要なものなのかな?」「摂らなくてもいいのかな?」と勘違いされやすい存在です。

■ 犬の非必須アミノ酸の主な働き

グルタミン:胃や腸管を守る役割を担っています。

アスパラギン、アスパラギン酸:エネルギー源として最も利用され易いアミノ酸のひとつです。

グルタミン酸:ほかのアミノ酸の原材料となります。生体内では多くのアミノ酸がグルタミン酸をもとに合成されます。

アラニン:肝臓の働きを助けるアミノ酸です。カラダに必要な糖を合成する際にも使われます

プロリン:皮膚などの組織を構成するコラーゲンの原料となり、保湿に役立つアミノ酸の一つです。また、エネルギーとしても利用されやすいアミノ酸です。

システイン:黒いメラニン色素の産生を抑える働きがあります。被毛に多く含まれるアミノ酸です。

セリン:細胞膜をつくるのに用いられます。

グリシン:神経ネットワークの情報のやりとりにも関わるアミノ酸で、運動・感覚などのカラダの調節に役立っています。また、コラーゲンを作るためにも使われるアミノ酸です。

チロシン:多種の有用なアミノ酸をつくるのに用いられます。

非必須アミノ酸は食事から摂取することは不要なの?

非必須アミノ酸は体内で合成できるアミノ酸であっても、食べ物から摂取する必要がある場合もあります。

それは、体内でこれらのアミノ酸を合成する能力が落ちて、不足しているとき。たとえば、病気療養中の犬はアミノ酸を体内で合成する力が落ちやすいですし、シニア犬は健康的な成犬と比較するとやはり加齢によって徐々にその力は低下していくので、食事からある程度これらのアミノ酸を補った方が良いケースもあります。

一般にシニアになるとだんだん被毛の色が落ちたり、皮膚がカサつくようになったと感じて、サプリメントや食事で不足しているであろう様々な栄養素を補う方が多くなります。

とはいえ、タンパク源である肉などには必須アミノ酸も非必須アミノ酸も含まれているため、良質なタンパク質を摂取していれば不足することはまずありません。
五大栄養素に代表されるようなさまざまな栄養をバランスよく摂取していくことを意識していきたいですね。

おわりに

犬にとっての非必須アミノ酸は体内で合成できるので、食の健康管理としてはあまり意識されない栄養素ですが、体内では大切な役割を持っている栄養素です。総合栄養食など、基本的な栄養素を含んでいて、十分な量をきちんと食べていれば不足することはありませんし、食事量が落ちてしまった犬や、再合成する力が落ち込んでしまうハイシニア犬なども、肉や卵をトッピングすれば大丈夫、しっかり補えます。

非必須アミノ酸。普段あまり意識しない栄養素をここで取り上げましたが、非必須アミノ酸のように身の回りで当たり前に作られている、与えられているなにかって大切なのに見逃しがちだな、、、と思いませんか。とくに注目されなくても犬たちの体作りに関することはいろいろと知っておきたいですね。

ちょっとブレイク ポチっとクイズ

DOG's TALK

問題:必須アミノ酸の対義語の非必須アミノ酸。食事で取り入れるメリットはない。〇か×、どっち?

回答:×です。"非必須"と呼んではいるものの、役立つ働きをしてくれます。代表的なものにエネルギーとして代謝されるアスパラギンや消化器系の健康維持に役立つグルタミンなどがあります。