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2020.08.05

犬の夏の紫外線に。抗酸化成分を含むハーブたち

犬の夏の紫外線に。抗酸化成分を含むハーブたち

強い紫外線が降り注ぐ夏がやってきましたね。人間では日焼け止めを塗ったり、日傘をさしたりする方がほとんどだと思います。
犬にとっても紫外線は、白内障や老化を進める活性酸素を増やす原因のひとつ。いつまでも元気で若々しく過ごしてもらうためには、やはり注意したい存在です。犬の紫外線対策として日常にハーブというのはいかがでしょうか。犬の健康維持に嬉しい成分を含むハーブの中にも、抗酸化成分が含まれているものがいくつかあります。

今回は、犬の体にも嬉しいハーブの中から、抗酸化にも役立つハーブたちをご紹介します。

抗酸化ビタミンたっぷりのローズヒップ

ドッグローズ、という異名を持つローズヒップは、鮮やかな色が出ることからハーブティーや入浴剤などでもおなじみのハーブ。ローズヒップにはじつに多くのビタミンやミネラルを含んでいます。
犬の手作り食で不足しがちなビタミン・ミネラルを補うためのサポート食材にも使われています。とくにローズヒップで注目すべき点はオレンジの10倍、レモンの20倍と豊富に含まれるビタミンC。そして熱に弱いビタミンCを熱から守るバイオフラボノイド(ビタミンP)も豊富に含みます。

ビタミンCは水溶性の抗酸化ビタミンである一方、油溶性の抗酸化ビタミンEの再生機能があります。

ほかにも抗酸化ビタミンと呼ばれるビタミンはいくつかありますが、詳しくはこちら(抗酸化ビタミンって何?活性酸素、フリーラジカルとの関係について)でご紹介しています。ぜひご覧ください。

強い光に対しても抗酸化力を持つローズマリー


肉料理などにもよく使われている身近なハーブのローズマリーはとても優秀な抗酸化力を持っています。ローズマリーの抗酸化力のすごいところは、光や熱によって抗酸化力が失われにくく、脂質の酸化を抑えるだけではなく、細胞の酸化を防ぐといわれています。

とくにローズマリーに含まれているカルノシン酸は、ポリフェノール類。紫外線による酸化ダメージから体の細胞を守るという意味で注目されている成分のひとつです。ただ、カルノシン酸はてんかん発作などの持病がある犬の場合は注意が必要です。
ローズマリーの抗酸化成分は熱や光などにも強いので、調理に使ってもその力が変わらないのも嬉しいですね。

ローズマリー抽出物はドッグフードの酸化を防ぐために、天然由来の酸化防止剤としても使用されています。

抗酸化力、殺菌力両方優れたセージ

セージはヨーロッパでは長寿につながるハーブとして長く使われてきた歴史を持っています。今では、セージはローズマリー同様に抗酸化力が優れていることが分かり、美容や健康維持にも活用されるようになりました。セージの抗酸化力は、活性酸素などの細胞の老化を進める物質を取り除く力を持っていること。紫外線や暑さのストレスなどによって増えてしまう活性酸素を取り除き、細胞が傷つくのを抑えてくれます。

また、セージには殺菌力もあることから、大腸菌やサルモネラ菌といった食中毒の原因になる菌の繁殖を抑えたり、かゆみや皮膚トラブルのきっかけにもなるカビ菌や口臭のもとになる歯周病菌など、菌が増殖しないよう役立てられているのでとくにハミガキやシャンプーなどケア用品を選ぶとき、原材料にセージが入っていないか見つけてみてください。

DOG's TALK

そのほかにも、抗酸化力や抗菌力があるハーブにフェンネルやタイムなどがあります。ローズマリーやセージも含めて、肉料理や魚料理に使用されてきた歴史があることが面白いですよね。冷蔵庫がない時代、食品の傷みを抑えるために、人々はハーブに漬け込んだり、ハーブと一緒に煮込んだり、ハーブと一緒に塩漬けにすることで腐敗や酸化を防いできたといわれています。これらの生活の知恵に、抗酸化・抗菌力を持っているハーブたちは不可欠だったようです。
ちなみに、ソーセージも作る際にはセージの葉を使っていたことから現在の名前になったといわれています。
本日は夏の紫外線対策として取り入れたい、抗酸化・抗菌力を持っているハーブをご紹介しました。昔の人々の知恵は、科学技術で解き明かされると理にかなっていることも多く、驚かされますね。