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2020.09.09

顆粒の鰹だしを犬に与えても大丈夫?原材料からチェックしてみよう

顆粒の鰹だしを犬に与えても大丈夫?原材料からチェックしてみよう

私たちの料理の手間を省いてくれる便利なアイテムも多くなってきました。時短できる便利な調味料を活用すれば、忙しい毎日でもあきらめず料理ができて、とても助かりますよね。

犬の手作りゴハンの「煮る」メニューでは、ほぼ味付けは行わないことが基本になっていますが、昆布や鰹だしなど旨味を引き出すために顆粒だしで材料を煮込む、というのはどうでしょうか?
大根、ブロッコリー、ニンジンなど根菜を柔らかくしようと思ったとき、ついだしを入れたくなりませんか?

本日は便利なアイテム顆粒だしの原材料について取り上げたいと思います。

顆粒だしの原材料にはどんなものがあるの?

和食は昆布やかつおぶしなどでじっくり時間をかけてだしを取って、その深いうま味を上手く取り入れた繊細な料理が魅力だといわれています。
しかしなにかと忙しい現代の私たちは、だしを丁寧にとったりする時間が取れず、顆粒タイプになっているだしを活用することも多いですよね。

旨味を引き出す和風だしには、昆布やかつお以外にも、トビウオを使ったあごだしといわれるものや、イワシを使ったいりこだしなどを顆粒にしたものも登場していて、選択肢がどんどん広がっています。

代表的な顆粒だしの中から、鰹だしの原材料をチェックしてみると、

食塩、砂糖類(砂糖、乳糖)、風味原料(かつおぶし粉末、かつおエキス)、酵母エキス、小麦タンパク発酵調味料、酵母エキス発酵調味料/調味料(アミノ酸等)

となっています。

 

犬に顆粒だしを与えても大丈夫?


・食塩
食塩が第一原材料という点は少し気になるところです。
食塩は塩素とナトリウムから作られていますが、ドッグフードの栄養基準を定めるAAFCOでは塩素(の化合物=塩化物)とナトリウムの最低量は決められている一方、上限についての明確な基準が設けられておらず、健康な犬であればこれらの成分の過剰摂取は健康に影響しないと考えられています。

それでも人間同様摂りすぎは避けたいところですね。

・風味原料(かつおぶし粉末、かつおエキス)
風味原料と呼ばれているものにはかつおぶしやかつおの粉末などが含まれていますが、これらはドッグフードなどにも使用されることがある原材料です。

・酵母エキス、酵母エキス発酵調味料
酵母エキスや酵母エキス発酵調味料と呼ばれるものは、その名の通りみそやパンなどを作る際に使用される微生物を分解することによってできるアミノ酸やペプチドのこと。酵母はもともと自然界にも存在している微生物です。

・小麦タンパク発酵調味料
小麦タンパク発酵調味料とは、その名の通り、小麦のタンパク質を酵母が分解したものを指します。アミノ酸やペプチドが含まれていて、味に深みやコクを与えるといわれています。


メジャーな食塩や糖類のほかは、アミノ酸やペプチドと呼ばれる物が中心に作られていることが分かります。なんとなく化学的な添加物が多いというイメージが先行してしまいますが、酵母の力を使っていたんですね。

犬の味覚から考える 「犬にとって顆粒だしっておいしいの?」

私たち人間と比べると犬は味覚はあまり鋭くないといわれています。でも、犬にもきちんと味を感じる器官は備わっていますし、犬の嗜好性に関係する成分についても分かってきています。
犬の嗜好性は「アミノ酸の量によって変化する」という研究もあり、犬はアミノ酸の量がより多いものを好む傾向があるといわれています。
顆粒だしはたくさんのアミノ酸を組み合わせて作られているので、犬も「美味しい」と感じていると思います。

おわりに

私たちにとっては時短にもなる頼れる存在の顆粒だし。化学的な添加物が多いと思っている方もいますが、実は微生物である酵母の働きによって分解されたアミノ酸やペプチドが多く配合されていました。
物にもよりますが、成分や原材料自体は危険視する必要はなかったようです。

顆粒だしを使った自分たち用につくった料理でも、タマネギなど忌避すべき食材が入っていなければ、「ちょとだけだよ」と分け与えてもいいのではないでしょうか。

だしの風味を味わってもらうなら。

*1  POCHI Marche かつおのスープ 60g