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2020.03.23

ドッグフードのアミノ酸が犬が感じるおいしさに影響している?[#今気になるトピックス]

飼い主なら、犬には「おいしい顔」でドッグフードを食べてもらいたいと思うもの。「でも、犬がおいしいと感じるドッグフードっていったいどんなものなの?」という長年にわたる疑問の答えのひとつが、分かってきているようです。

犬の味覚を細かく調べるために、アミノ酸を水に溶かし、同じアミノ酸を溶かした水でも濃度の違う2種類の水をつかって「犬はアミノ酸の量が多い水と少ない水のどちらを選ぶのか」を調べる実験が行われました。今回実験に使用されたアミノ酸は全部で6種類で、それぞれ甘味やうま味を感じさせることが分かっています。
この実験の結果としてすべてのアミノ酸で犬たちはよりアミノ酸の量が多く「甘味やうま味」が感じられるものを選ぶことが分かりました。
これまで犬の嗜好性には香りや食感などが影響していることが分かっていましたが、アミノ酸の量の変化からも味わいを感じていることが分かったようです。

今回使用されたアミノ酸は、エビやほたてのうま味の元であるグリシン、チキンや魚、一部の豆に含まれているスレオニン、シジミなどの貝類などに含まれているアラニン、豚肉のプロリン、かつお節や牛乳に含まれるセリン、微生物によって作られるグルタミン酸
アミノ酸から犬たちは「おいしさ」を感じているとしたら、犬の嗜好性にもこれらのアミノ酸が影響している可能性がありますよね。犬にとって健康的な体を作ったり、エネルギーとなるアミノ酸ですが、犬のお好みの「味」としてのアミノ酸にも注目が集まっていきそうです。

DOG's TALK

日本人にとっては非常に身近な「だし」の風味やうま味として知られてきたアミノ酸ですが、犬たちもアミノ酸の変化の繊細な味わいを感じ取っていたなんて、ちょっぴり親近感がわきますね。ドッグフードも日本食のように繊細な味わいや風味を重視したレシピが登場していくことになるのかもしれません。
もちろん、栄養の面とのバランスを取りながらになると思いますが、犬の感じる美味しさを追求したドッグフードが登場していくことになるのかもしれませんね。

参考文献

*1 2014「アミノ酸に対するビーグル犬の行動応答解析」佐伯 香織, 柴野 梓, 宮西 玲子, 井上 一歩, 津田 薫, 山口 ゆうき, 笹本 唯衣, 吉田 達行, 左向 敏紀, 古田 洋樹『ペット栄養学会誌/17 巻 (2014) 1 号』