• コラム
  • スタッフコラム

2020.09.17

プロバイオティクスの単位「CFU」ってどんな意味?

プロバイオティクスの単位「CFU」ってどんな意味?

犬の腸内環境を整えるのに役立つプロバイオティクスですが、その単位としてたびたびCFUという言葉が登場します。このCFUとはいったいどのようなことを表す単位なのでしょうか?
そして、犬の食事やサプリメントを選ぶ際にはどのように参考にしたらよいのでしょうか?

今回はなじみ深いものになりつつあるプロバイオティクスの単位についてのお話です。

CFUってプロバイオティクスの何を表す言葉なの?

CFUとは、Colony Forming Unit(コロニーフォーミングユニット)の略称です。

細菌は一つ一つがあまりに小さいので、生きているか死んで働きを失っているかを確認することが専門家であっても難しいというのが現状です。
そこで、生きている細菌1個から、コロニーと呼ばれる一つの集団に培養し、集団を数えることで元の生きている細菌数を割り出しています。100CFU/g や100CFU/mlと記載されている場合は1グラムや1mlあたり100個生きた菌が含まれていることを示します。

一方、「〇〇菌×億個配合」というような表記がされている場合は、死菌の製品を数える場合に使われています。最近では死菌のほうが免疫活性を高めるという研究もされており、こちらの表記もよく見るようになっています。

それぞれの数の表記について適切に知っておけば、どのような目的でその菌が使用されているのか、プロバイオティクスなのかバイオジェニック(死菌、発酵生成物など)なのかを判断する材料になるかもしれません。

■ プロバイオティクスなどの単位について

CFUとは:生きている細菌が形成するコロニーを数えるときの単位。→生きて働くプロバイオティクスなど
細菌総数:死菌も含めてすべての細菌の数。→免疫活性などに役立つ、腸内環境そのものに働きかけるバイオジェニックなど

CFUが多いほど犬の健康にいいの?

プロバイオティクスは体内に取り込まれると、腸内で繁殖していきます。
それなら、CFUが高いプロバイオティクスのほうが働きが強く、腸内環境を整えるのに適しているのでは?と考えてしまいますよね。
でも、いくら体内で嬉しい働きをしてくれるプロバイオティクスといっても、腸内でプロバイオティクスだけが爆発的に増えると、それはそれで腸内細菌のバランスを崩してしまうことになります。
腸内細菌は適切なバランスを維持することで、健康にさまざまな嬉しい働きをしてくれるものですので、過剰にプロバイオティクスを継続して摂取してもすぐに効果が出たり、強く効果が表れるということはありません。

おわりに

腸内環境を整えることが健康に有益であることは広く知れるようになってきました。
腸内環境に有用な菌を直接生きたまま腸まで届けるプロバイオティクス(乳酸菌など)、腸内有用菌の餌となり自前の有用菌の増殖を促すプレバイオティクス(オリゴ糖など)、腸内環境を整え有用菌の増殖を促すと同時に免疫活性に直接役立つバイオジェニック(死菌及び発酵生成物)など、腸内環境を整える方法として、プロバイオティクス、プレバイオティクス、バイオジェニックの3つの考え方があります。
今回取り上げたCFUという単位はそのうちの「プロバイオティクス」を数える単位で、この数値が表記された製品はプロバイオティクスの効果を期待していることがわかります。
数値の多い少ないよりも、フードなどの設計ポリシーを理解する一助となります。