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2020.10.05

犬の散歩と食事に一工夫。犬の運動量を増やしてダイエットさせるコツ

犬の散歩と食事に一工夫。犬の運動量を増やしてダイエットさせるコツ

犬が太り気味ということで、ダイエットを始めようという方も多いですよね。でも、犬のダイエットや体重管理がなかなか上手くいかず、悩む人も多いようです。
犬の体重管理をしていく上で、「まず」できることとして挙げられるのが、1日のルーティンでもある散歩の工夫です。散歩の時間やコース選びなどを変えることで、犬の運動量を増やし効果的なダイエットにつながることもあります。
運動量を増やす散歩の工夫と合わせて食事の見直しも一緒に試してみてはいかがでしょうか。今回は犬のダイエットのコツをご紹介します。

犬のダイエットを始める前に

犬のダイエットを始めよう、と思った時に注意したいポイントがあります。
犬に限ったことではありませんが、ダイエットはすぐに効果が出るものではありません。ある程度の期間継続して取り組む必要があります。
ですから、犬も飼い主も楽しんで続けることができるかどうかも大切なポイントです。
急にハードな運動をさせたり、食事を急に減らすなどしてしまうと犬も体調を崩してしまいますし、ダイエットが上手くいかずに飼い主のストレスになるかもしれません。

また、肥満気味の犬の場合は無理な運動は関節や心臓に過度な負担をかけてしまうこともあります。とくにシニア犬の場合はこれらのリスクに注意しながら、無理なく続けられそうなことから始めていくのがオススメです。

散歩でムリなく運動量を増やす工夫。


散歩は、ダイエットが必要な犬にとっては有酸素運動にあたります。有酸素運動は酸素を使って脂質や糖質を燃焼させてエネルギーを消費させる運動のことです。
一方で犬にとって散歩は楽しい気分転換(冒険!)の時間であり、大好きな飼い主と一緒に過ごす幸せな時間です。犬の「楽しい」という気持ちを大切にしながら、無理のない範囲でできそうなちょっとした工夫をご紹介します。

 

■新たな散歩コースを開拓してみる

犬の散歩の時間は犬種や体格などによりますが、散歩で有酸素運動の量を増やしていきたいと考えているのであれば、時間を毎日少しずつ延ばしてみるのがオススメです。
普段30分、朝晩2回の散歩をしているのであれば、5分程度散歩の時間を数日おきに少しずつ伸ばしてみてください。散歩の時間が延びればその分だけエネルギーの消費量も大きくなります。35分コース、40分コース、45分コースをご近所で見つければ、犬にとっても今日はどのコースになるのか、たのしんでくれるはずです。
運動不足の犬の散歩の時間を長くすると、犬が帰りたそうにしたり、途中で疲れて座り込んでしまうこともあると思いますが、お話休憩を挟むなどの工夫で乗り切りましょう。しばらくは同じくらいの時間の長さで散歩を繰り返して、犬が運動量に慣れていくのを待ってあげてくださいね。

 

■坂道や階段などをコースに取り入れてみる

散歩のコースに坂道や階段を取り入れてみるのもオススメです。坂道や階段の傾斜を歩くと平地を歩くときと比べてエネルギー消費量も大きくなりますし、姿勢を維持する筋肉や後ろ脚の筋肉のトレーニングにもなります。これらの筋肉はシニア犬になると衰えやすいといわれているので、元気な内にしっかりとトレーニングをしておくことで、若々しい体づくりに役立ちます。
もちろん、こちらも有酸素運動にあたりますのでエネルギーを消費させるのにもピッタリです。

ただ、坂道や階段はエネルギーの消費が大きい分、疲れが溜まりやすくなってしまうことも。登り切った犬が疲れた様子を見せたら、「頑張ったね」と褒めて無理せず休憩を挟んであげるようにしましょう。
関節炎などのトラブルがある犬にとっては、下りの坂道や階段が負担になってしまうこともあります。痛みがあるようであれば、無理はしないことも「楽しい」散歩のダイエットには大切です。

■遊びを散歩に組み込んでみる

犬にとって、散歩は楽しい時間ですが、その最中に楽しい遊びをもうひとつプラスしてみるのもオススメです。
散歩があまり好きではない、という犬の場合は、「ただ歩くだけ」になってしまいがちな散歩に、時々ちょっとした楽しみをプラスするだけで、犬の散歩に対する意欲が変わることがあります。

途中で自由に走り回れるドッグランなどがあるのなら、そこで友達と遊ぶのもいいですし、ロングリードを使ってボールやオモチャの取ってこい遊びを取り入れるのもいいですね。お気に入りのオモチャを散歩用のバッグに入れるだけでも、犬にとっては楽しみがひとつ増えることになります。

ぽっちゃり気味の犬は食事のチェックも行おう。

肥満気味の犬は、運動量を増やしただけではダイエットに結び付かないことも多いです。
犬の肥満に対するアプローチとして、運動量を増やすことと合わせて食事の見直しも大切なポイントになります。

■ドッグフードの給与量を見直しましょう


犬の毎日の食事にドッグフードを使用する人は多いですよね。犬の体重管理を始める時には、今まで食べさせていたドッグフードの給与量と摂取カロリーを改めて確認してみてください。
肥満の最大の原因の一つは消費カロリーを摂取カロリーが上回っていること。
多くのドッグフードでは、給与量の目安を紹介していますが、犬の性格がさまざまなように、適したカロリー量や食事スタイルもさまざまです。書かれてある体重あたりの給与量は目安にすぎませんので、その子に合った食事の量をさぐってみてください。

まずは、オヤツを含めて一日でどれだけの量を食べているかのを確認します。
すると大まかにどれくらいのカロリーを摂取しているかが見えてきます。
そこから、摂取カロリーを(例えば)1割減らして、1か月で体重がどうなるかを見ていきます。体重が減らないようであればさらに摂取カロリー量を減らし、反対に急激に体重が減ってしまうようであればもとの量から0.5割減らす、といった具合に微調整を行い、適量を見極めていきましょう。

■フードの中身の保証分析値を見直してみる

フードの量を減らすことで、常に何かを食べたがるようになってしまう場合は、フードを切り替えるのもひとつの方法です。
最近のダイエット用ドッグフードは、カロリーが低いだけではなく、脂質・糖質が低く抑えられており、犬の満足感も得られるようなものが多いです。

犬も高齢になると消費カロリーが落ちていく傾向にあります。以前と食事の内容や量が変わっていないのに太ってしまった、という場合は量を見直したり、体重コントロールを目指したドッグフードやシニア犬向けのドッグフードに切り替える必要が出てきます。

■犬のオヤツの内容、量を見直してみる


ダイエットが必要な犬の中には、オヤツを多めに与えられているケースも多くあります。その場合には、オヤツの量を減らすだけでもダイエットにつながります。
犬にオヤツを与えることは、大切なコミュニケーションのひとつです。犬の喜ぶ様子が見たくて、つい与えすぎてしまうという飼い主も多いですよね。

犬にオヤツを与え続けるのであれば、内容をなるべくカロリーなどを抑えた「野菜のフリーズドライ」に変更したり、ダイエット用のドッグフード数粒をオヤツ代わりに使うという方法があります。

DOG's TALK

シニア犬はBCAAアミノ酸を取り入れてみよう

散歩で運動量を増やす時にオススメの栄養のひとつに「BCAAアミノ酸」があります。
BCAAアミノ酸は、エネルギー源になれる必須アミノ酸のことで、バリン、ロイシン、イソロイシンを指します。BCAAアミノ酸は筋肉に多く含まれているアミノ酸で、運動を継続して行ったあとに筋肉細胞の再合成を促す働きがあると言われています。
シニア犬など運動量を増やしながら、しっかりと筋力を維持することで健康的な体づくりを始めたいなら、ぜひオススメしたい栄養素です。

BCAAアミノ酸は、マグロの赤身や卵、牛肉などに含まれています。

おわりに

犬にとっては大切な楽しみでもある散歩。まずは身近な散歩と食事を振り返って、できそうなことから始めてみてはいかがでしょうか。散歩を充実させ、食事の見直しも行うことで、より犬の体重管理がしやすくなるはずです。
犬の健康のためには痩せさせることも大切ですが、犬が散歩を楽しんでくれるということも、犬との暮らしではとても重要なことです。

これからシニア期に入っていく犬たちにとっては、筋力を維持することがQOLを向上させていくことにもつながります。犬に合った運動量を見定めながら、楽しい散歩にひと工夫を加えてみてください。