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2021.01.27

ドッグフードの原材料、チキン・ターキー・ダックを薬膳視点でチェック!

ドッグフードの原材料、チキン・ターキー・ダックを薬膳視点でチェック!

犬の食事にも取り入れやすい鶏肉は、薬膳で食欲不振や下痢を改善する食材であるといわれています。ターキーは鶏肉と比べるとカロリーは低いですが栄養素などにはあまり違いはありません。
このことから今回は鶏肉とターキー、鴨肉に分けて栄養素と薬膳的な観点からみたとき、どんなはたらきがあるのかについて解説していきます。

DOG's TALK

この記事の監修:宮﨑 奈津季(みやざき なつき)

管理栄養士、薬膳コーディネーター。レシピの栄養計算や、コラムの執筆を担当。季節や体調に合わせた薬膳に関するコラムの執筆を担当。私生活では、おてんばな性格の三毛猫のエマと暮らしている。現在は、「好きな人のための手料理で幸せな食卓づくりを。」をミッションに掲げる合同会社HITOOMOIで、栄養計算やコラム執筆をメインに活動中。

鶏肉・ターキーに含まれている栄養素

鶏肉・ターキーにはどのような栄養素が含まれているのでしょうか。詳しく見ていきましょう。

■タンパク質

タンパク質は身体を構成するために使われます。鴨肉よりタンパク質が多く含まれており、また鶏肉に含まれるタンパク質の一種であるコラーゲンは手羽に多く含まれており、皮膚の健康維持に役立つだけでなく骨や関節などを構成する成分でもあります。

 

■ビタミンB2

鶏肉のむね肉やささみにはビタミンB2が豊富に含まれています。

ビタミンB2は三大栄養素である脂質・糖質・タンパク質をエネルギーに変換するはたらきがあります。また成長を促進するはたらきや皮膚などの細胞の再生にも関与しており、口内炎などの粘膜のトラブルの際には、細胞の再合成に役立つビタミンB2はぜひ摂取したい栄養素のひとつです。

不足すると皮膚炎や口内炎、脱毛などさまざまな症状が出てきます。

 

■ビタミンA

ビタミンAには、皮膚や粘膜の健康を保つはたらきがあります。部位別にみると、とくにレバーの部分に豊富に含まれており成長を促進してくれるはたらきもあります。

鶏肉・ターキーの薬膳的なはたらきについて


鶏肉・ターキーは薬膳の中では胃腸を温め、働きを助けてくれる食材で薬膳料理によく使われます。消化吸収がいいため、食欲不振や下痢の改善、病後の体力強化として使われます。
鶏肉・ターキーは身体を温める作用を持っており、脾と胃の「気」を補ってくれます。「気」が不足すると息切れやめまい、疲労、嘔吐などの症状が出るとされ、これらが気になったときに摂取すると良い食材です。

■ 薬膳とは?

薬膳とは、中医学理論に基づいて作られた食事のことで体の調子に合わせ病気の予防や健康維持をするための食事のことです。「気」「血」「水」から体調を知り薬膳によってそれを補う食事をすることで健康の維持増進をはかります。「気」は生命を維持するために必要不可欠なエネルギー源となります。

鴨肉に含まれている栄養素

鴨肉にはどのような栄養素が含まれているのでしょうか。鶏肉と合わせて、詳しく見ていきましょう。

 

■ビタミンB群

鴨肉にはビタミンB群が含まれていますが、とくにヘモグロビンの生成を助けるはたらきをもつビタミンB12が豊富に含まれています。他にも疲労回復に役立つビタミンB1、皮膚や粘膜の機能維持・成長を補うビタミンB2など、バランスよくビタミンB群が含まれています。

 

■鉄分

鉄分は、冷えを改善したり貧血の防止するはたらきがあります。ビタミンCと一緒に摂ることで吸収率が上がるため、効率よく鉄分を摂取したいときはビタミンCの多いパプリカやブロッコリー、レモンなどと一緒に食べるのがおすすめです。

 

■不飽和脂肪酸

脂肪には大きく分けて飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸があります。鴨肉の脂肪には不飽和脂肪酸も多く含まれており、常温で固まりにくいのが特長です。悪玉コレステロールを下げるはたらきが期待できます。

鴨肉の薬膳的効能について

鴨肉は薬膳の中で身体に潤いをもたらし「血」を養うはたらきをもつ食材です。身体の水分量を適切に維持し、むくみの改善も期待できます。また利尿作用もあります。
鶏肉やターキーとは異なり、漢方においては下痢や冷えが気になるときには控える食材になります。
薬膳での「血」は体中に潤いを栄養を届ける役割があります。

どんなときに与えるのが良い?

薬膳的な観点では、鶏肉やターキーは身体を温めたいとき、鴨肉は身体を冷やしたいときに与えると良いでしょう。鶏肉・ターキーは寒い日や食欲が落ちているとき、鴨肉は暑い日や胃が疲れているときにぴったりです。

■ 犬に与える時の一言ポイント

犬に鶏肉・ターキー・鴨肉与えるときには、どのようなことに注意すればよいのでしょうか?
与える時はトッピングとして与え、量は1日の食事量の10%~20%を目安にしましょう。
いずれも与える際には、危ないため骨は取り除いてあげてください。味つけはせず、必ず加熱調理してから与えるようにしましょう。鴨肉は脂肪が多くエネルギー過多のリスクもあるため、脂肪のついた部分も取り除くと良いでしょう。

まとめ

鶏肉やターキー、鴨肉は同じ鳥類ではありますが薬膳的効能では鶏肉・ターキーは身体を温め、鴨肉は身体を冷やすため効能が異なります。日頃の犬の様子をみながら体調に合わせて、日々の食事に鶏肉・ターキー・鴨肉を取り入れてみてくださいね。