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2021.06.17

ウイスキーの副産物にドッグフードメーカーが注目?その理由はEPA・DHA

ウイスキーの副産物にドッグフードメーカーが注目?その理由はEPA・DHA

私たち人間のファッションや食べ物と同じように、ドッグフードにもトレンドと呼べるようなものがあります。
ある時、注目を集めたトレンドであっても、その中には定番になっていくものもあります。たとえば、今ではそれなりにメジャーになっている<グレインフリードッグフード>などがあります。

今回は、世界的に注目されつつある「蒸留酒」の副産物についてご紹介します。蒸留酒の副産物がドッグフードとどのように関係しているのか、役立つのか、そしてなぜ今注目を集めているのかについてご紹介します。
ドッグフードやおやつに使用しても安全なの?など、気になる情報をまとめてみました。

ウイスキーの副産物がドッグフードメーカーに注目されている理由は?

結論から言ってしまうと、ドッグフードや犬のオヤツに蒸留酒の製造工程で作られる副産物が使用されているのか、というとそうではありません。
ウイスキーなどの蒸留酒を製造する際の工程で出る副産物を活用し、ドッグフードの原材料となりうるものを製造する試みが行われています。

それは、EPAやDHAの供給源として、ウイスキーの副産物で育てられた藻類。
EPAやDHAといえば、犬の健康維持に役立つ脂肪酸のひとつ。現在、ドッグフードなどではこれらの栄養を取り入れるために、魚を主な原材料とするほか、サーモンオイルなどの魚油を使用しています。

しかし近年では環境保護への意識が高まりつつあり、たくさんの魚をとってしまうことで海の生態系に大きな影響を与えたり、養殖による海の汚染が進むリスクを考慮して、漁獲量や養殖による水産物に制限がかけられている地域もあります。

また、魚は季節によって脂の乗り具合がまちまちになることも多いことから、安定的に手に入れられるEPAやDHAを含む原材料について調査が進められていたのです。
そんな中で登場したのが、藻類。その中でもとくにウイスキーを蒸留する時に残った副産物、ドラフ(発酵時に残る麦芽の搾りかす)や、ポットエール(蒸留後に残る液体)といわれるもので育てられた藻類を使うというものです。

ポットエール自体は、アルコールを蒸留する際にアルコールと分離されたのちに残ったもので、液体~固形の状態で保存でき、タンパク質が豊富に含まれています。もともと、肥料や家畜の飼料として使用されていたものです。

EPA・DHAの供給源について

では、なぜEPAやDHAの供給源として魚ではなく、藻類が注目されているのでしょうか?それは、魚のEPAやDHA脂肪酸は、魚自身が作ったものではないからです。魚に含まれているEPAやDHAは、魚が食べたものに含まれているものを濃縮したものなのです。

魚が食べているものは小さな魚です。この小さな魚が食べているのは、さらに小さな生き物…というふうに食物連鎖を辿っていくと最終的にはプランクトンや藻類などの微生物に行きつきます。その微生物の中に、EPAやDHAを自らの体内で作ることができるものが含まれています。

EPAやDHAを作る能力を持っている藻類を増やすことができれば、海の中にいる魚をわざわざ捕まえなくても犬に嬉しい成分を安定的に手に入れることができる、ということで環境保護の面からも注目されています。
魚から取れるEPAやDHAとほとんど同じものが藻類から取れることから、すでに藻類は家畜の飼料として一部で活用され始めているようです。この藻類を効率的に育てるために、蒸留酒の製造工程で作られた栄養たっぷりのポットエールが活用されているというワケ。

また、藻類の培養は魚の養殖などと比べると非常に簡単で短期間ですが、栄養豊富なポットエールを活用して藻類を育てることでさらに時間を短縮できるのではないか、と期待されているのです。
この技術が広まっていけば、EPAやDHAをより手軽に、そして安定的に使えるようになるだけではなく、働きを活用した犬用のサプリメントなどの種類も増えて身近なものになるはずです。

魚が苦手な犬や、魚にアレルギーがある犬でも効果的にEPAやDHAを摂取できるようになるかもしれませんね。

犬にとって安全なものなの?

お酒の副産物を活用して作られた藻類ではありますが、藻類から抽出されたEPAやDHAを犬に与えることの安全性は問題ありません。

この副産物は、お酒を造る際に行われる蒸留という工程を経て残ったものです。蒸留は、発酵したお酒からアルコール分だけを抜き出すために行われる工程です。
つまり、蒸留作業が終わった後の副産物に発酵によって酵母が作った糖分やタンパク質、ミネラルなどだけが残った状態で、アルコール分は含まれません。

さらに、
自然界で育った魚は、エサとなる小さな魚や藻類、さらには海の中で漂うゴミや有害物質も体内に取り込んでしまうリスクは少なからず存在していますが、食物連鎖の中でもっとも下位に位置する藻類なら、大きな魚と比べても有害物質や汚染物質の影響が少なくて済むEPAやDHAの供給源になります。

おわりに

本日は、お酒の副産物を活用して育てられた藻類の活用についてご紹介しました。
現在ではEPAやDHAの供給源といえば魚が中心ですが、そもそも魚のEPAやDHAは藻類などの微生物が作り出したものなのです。
藻類を活用することで、環境保護にもつながる可能性もあります。環境問題への意識が世界的に高まりつつあるので、藻類はこれからより一層活用の場を広げていくことになりそうです。
魚にアレルギー反応があるために魚油などを使用したサプリメントを使うことができない犬にとっては、ポットエールで育てられた藻類は救世主のような存在になるかもしれません。これからもどんどん科学や技術の発展は続いていくことだと思いますが、犬の健康に役立つ情報がより多く分かっていくといいですね。