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2021.07.28

台風や地震などの災害から犬を守るためにしておきたい準備4つ

台風や地震などの災害から犬を守るためにしておきたい準備4つ

地震や津波、大型の台風や土砂崩れなどの災害があった時、犬と一緒に避難するための備えをしていますか?
災害はいつ起こるか予測がつかないもの。だからこそ、いざという時のために必要になるものや、注意したいポイントについてあらかじめ知っておき、準えておくことが大切です。
犬と一緒に避難するときにはある程度の不自由が伴います。
周囲の方々とのトラブルを避けるためにも、正しく災害時の準備に必要なものを知り、備えておくようにしましょう。

今回は、災害時に犬を守るために、犬と一緒に避難することを想定して、必要になる可能性が高い準備を4つご紹介します。

災害時の備え その1犬用の緊急持ち出し袋を作る

災害時は必要な日用品をそろえることが困難になります。人のための救助物資は比較的早く届くこともありますが、犬などの動物が必要とするアイテムは救援物資に含まれないことがほとんどです。
そのため、事前に数日間の避難をする時に犬に必要になるものをリュックなどにまとめておき、ペット用の緊急持ち出し袋として作っておきましょう。普段の暮らしの中で必須になるアイテムを、5~7日分用意しておくと安心ですね。

以下では災害時に持参しておきたいアイテムをご紹介します。

・普段犬が食べているフードや飲料水
・治療中の病気があるなら、服用している薬や療養食
・予備の首輪やリード
・犬用の食器
・ペットの健康手帳(犬の名前や年齢、飼い主情報、予防接種の記録、かかりつけの動物病院などを書いた手帳)
・ペットシート
・排泄物の処理道具
・タオル
・犬の写真(飼い主と一緒に写っている写真が良い)

・持ち運びできるケージやキャリーバッグ、クレート

犬によって必要になるアイテムには微妙な違いが生まれることもあります。
ストレスに弱い犬の場合は、落ち着いて過ごせるようにお気に入りのタオルやブランケットが必要になる可能性もありますし、携帯トイレを持っていく必要がある子もいます。
普段のうちの子の様子をチェックしながら避難所で過ごす場合には何が必要かを考えて、荷物を選んでみてください。
注意することは、あまり荷物が多くならないようにすることです。人間用の荷物と合わせて持ち運びできる量にしておきましょう。

災害時の備え その2犬の身元が分かるものを用意しておく


犬と避難するためには、犬の身元が分かるものを用意しておくことも必要です。

不慮の事故や避難中に犬とはぐれてしまう可能性もあります。
普段から犬が保護された際にすぐ身元が分かるよう、首輪に連絡先を書いた迷子札と鑑札が間違いなくついているかを確認するようにしてください。

犬の情報を登録する方法として、マイクロチップ装着もあります。
犬や猫用のマイクロチップは、直径2ミリ程の円筒型をした電子タグで、体内に埋め込みます。
犬への負担や副作用はほとんどありません。混乱時に首輪が外れてしまった場合も、犬の個体識別を行うことができるので、セーフティネットとして活用できます。

2019年6月に成立した改正動物愛護法により、2022年6月以降は犬や猫にマイクロチップ装着が義務化されます。マイクロチップは犬の情報と家族を結びつけるものとしてより重要になります。
装着が済んでいない犬は、動物病院で装着してもらえますので、いざという時のためにも装着、登録を済ませておくことをオススメします。
また、マイクロチップは装着しただけではなく、飼い主の情報をインターネット上で登録、更新する必要もありますので、事前に情報の確認をしておくことも大切です。

また、普段から犬と一緒に撮った写真を持ち歩いておくと便利です。身元確認ができる他、本当の飼い主であることを証明することができます。

災害時の備え その3犬の健康状態を把握し、行動の癖などを記録しておく


災害時に犬と一緒に避難する際、病気の治療中などで普段から服用している薬があったり、療法食を食べる必要がある犬は、これらのアイテムも忘れずに持ち出しましょう。動物病院がすぐに再開するとは限りませんし、これらのアイテムは避難先で手に入ることはまずありません。
もちろん、普段から犬の健康管理をしっかりしておくことは大切ですが、いざという時にどんな薬が必要になるのか、どんな食事が必要になるのかを正しく知っておくことも備えのひとつになります。

また、犬と一緒に避難をする際には他の犬と接触する場面もあるかもしれません。そのため、狂犬病ワクチンや混合ワクチンは必ず定期的に受けさせ、フィラリア症の予防やノミ・ダニ駆除も行っておきます。
避妊手術をしていない女の子の犬は、ヒート期間中であればクレートやキャリーから出さない、必要に応じて隔離させる必要がある場合もあります。避難時のリスクを考えると、避妊去勢手術をしておく方が安心です。

災害時の備え その4基本的なしつけをつけておく

避難時には、普段とは違う環境や災害そのものに強いストレスを感じる犬も多くいます。でも、だからといって大声で吠えたり、他の人や犬に攻撃的になってしまうようであれば、周囲の迷惑になってしまう可能性があります。
飼い主としては、なるべく周りに迷惑をかけないようにしたいものですが、基本的なしつけをしていても特殊な状況では上手く行かないことも考えられます。それを踏まえて、犬がトラブルを起こしてしまった時にどのように対処するのかまで、ある程度想定しておくことが必要です。

災害時、慣れておきたいのがケージトレーニング(クレートトレーニング)です。避難場所などでは犬をケージやクレートにいれる必要があります。日頃からケージやクレート内が安心できる場所だと理解できるように教えておくと、犬にも飼い主にも役立つかもしれません。

避難先に居るのは、犬との暮らしや犬に理解がある人ばかりではないことが大前提です。近所の犬友がいるのであれば、緊急時には互いに助け合えるように情報共有しておくこともオススメです。

おわりに

災害は予測できないものですが、そういった事態にどのようなものが必要になるのか、どんな行動が必要になるのかを知っておくことはとても大切です。飼い主としては犬と一緒に避難を考えてしまいますが、避難所には犬との暮らしに理解を示さない人もいます。そういった方々ともトラブルなく安全を確保するためにも、災害時の準備は非常に重要です。
もし災害が起きたら不安な気持ちになっている犬を守ることができるのは飼い主だけです。
必要なものをまとめておく、犬の情報を確認する手段を用意する、最新の犬の情報をチェックする、などすぐにできる取り組みもありますので、できることからコツコツ行っていきましょう。