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2022.08.10

植物ベースのドッグフード(ベジタリアンフード)とは?犬の健康に影響はないの?

植物ベースのドッグフード(ベジタリアンフード)とは?犬の健康に影響はないの?

欧米を中心として動物由来の食品をなるべく避ける"ベジタリアン"や"ヴィーガン"という考え方を持つ人が増えてきました。その流れに合わせるように徐々に注目を集め始めているのが、動物由来のタンパク源を使用せずに作られた"ベジタリアンフード"です。

でも、実際に犬と暮らしている方なら、きっと「本当に犬に肉を与えなくても健康を維持できるの?」と疑問に思うことだと思います。
そこで今回は、日本でも徐々に受け入れられつつある"ベジタリアンフード"について調べてみました。

植物ベース(ベジタリアン)のドッグフードとは?

まず、ベジタリアンフードとはどんなものなのか、代表的なギャザー エンドレスバレーを例にチェックしていきましょう。

ギャザー エンドレスバレー

主原料: エンドウ豆  大麦  オート麦  レンズ豆  ヒマワリ油(オーガニック)  ポテト  キヌア
保証分析値:タンパク質 22%以上  脂質 11%以上  粗繊維 4%以下  灰分 5.8%以下  水分 10%以下
代謝カロリー: 3,502kcal/kg  AAFCO推奨係数での計算代謝カロリー 335kcal/100g

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■原材料に動物由来のものを使用しない

ベジタリアンフード最大の特長は、原材料に動物由来のものを使用していないことにあります。
総合栄養食のドッグフードは必須栄養素であるタンパク質や脂質などを十分に含んでいる必要があります。多くのドッグフードでは、タンパク質や脂質を動物や魚の肉を供給源としています。
でも、動物由来の原材料を使用していない「ギャザーエンドレスバレー」の場合、豆類や穀類、疑似穀類、そして酵母などを組み合わせて栄養基準値を十分に満たす量のタンパク質や脂質を実現させ、さらに嗜好性をぐっと向上させたおどろきのベジタリアンフードです。

 

■植物が持っている豊富な栄養を摂取できる

ベジタリアンフードはドッグフードの栄養基準を満たすため、さまざまな種類の植物性原材料を組み合わせて作られています。肉を中心としたドッグフードではなかなか使用されない原材料が多く、ぜいたくに使用されているケースもあります。
例えば、疑似穀類である"キヌア"は、犬が不足しやすい「亜鉛」や「ビタミンB2」といった栄養が豊富に含まれています。また、キヌアにはタンパク質が豊富に含まれていますので、動物由来のタンパク質を排除したベジタリアンフードでは、同じくタンパク質を多く含む豆類と組み合わせて栄養バランスを調整しているというわけですね。

 

■涙焼けが落ち着く?アレルギー対策に良い?

人間ではベジタリアンの食事を続けることで消化器系への負担を軽減したり、体調がさまざまな面で落ち着くという意見も見られます。これらの現象は、必ずしもすべての人に当てはまるとは言えませんが、実際に食生活をベジタリアン中心に切り替えたことで体調がよくなったという声がありますよね。

犬でも、同じようにベジタリアンフードに変えてから体調に変化が見られたという意見もあります。
とくに今回ご紹介した、「ギャザー エンドレスバレー」は、カナダやアメリカで「涙焼けが落ち着いた」というレビューが散見されるそうです。

植物ベースのフードを与えるメリットとは?

ベジタリアンフードのような、植物ベースのフードを与えることにはどんなメリットがあるのでしょうか?
また、世界的に多くの飼い主がベジタリアンフードに関心を寄せるようになった背景にはどんなことがあるのでしょうか?

 

■食物アレルギーを避けるため

『食物アレルギー』とは、特定の食物に含まれる"アレルゲン(アレルギーの原因となる物質)"に「免疫」機能が過剰に反応してしまうことで、「軟便、下痢になった」「酷くかゆがるようになった」「急に皮膚の赤みが強くなった」「毛が薄くなり、その箇所をかゆがる」などの症状が出ます。
一過性というよりは、しばらく気になる症状が続いて、食べ物に対するアレルギーの疑いが出てきます。

症状の改善は、原因となる食べ物を与えないことが一番です。

アレルギーを引き起こすきっかけとなる"アレルゲン"は基本的にはタンパク質です。ですから、チキン、ビーフといった動物性タンパクがアレルゲンになっていることが分かっているのであれば、これらの肉類は避けた食事を探す必要が出てきます。

動物性原材料を一切使用せず、植物由来の原材料だけで作られているベジタリアンフードなら、動物性タンパクにアレルギーがある犬でも安心して食べさせることができます。

 

■犬の食事からも、地球に少し「いいこと」を始められる

生き物ですから、季節によっては手に入りにくかったり、品質が安定しにくい肉や魚もあります。

また、家畜を育てるために必要となる農地や水、飼料などが莫大で、家畜の飼育のために自然環境が脅かされ続けていることに対する危機意識が高まりつつあります。
同じタンパク質を摂取するのであれば、「肉」ではない方法でタンパク質を摂取しようという取り組みのひとつとして、注目されているのがベジタリアンフードなのです。

地球環境への取り組みに対する答えとして、ベジタリアンドッグフードを試してみる、という飼い主が増えつつあるようです。

犬に合っているかをチェックするには

ドッグフードの栄養基準を満たしている総合栄養食タイプのベジタリアンドッグフードですが、うちの子にとって、良いフードかどうかをチェックする時に重視したいのが「ウンチの状態」「体重の変化」の2点です。

犬の体調をもっともよく表すのが犬のウンチ。
体質によってそのフードがあっているかどうかを判断するためにも、ウンチの状態(固い、柔らかい)、ウンチの量、回数に変化が見られないかをチェックするようにしてください。
フードの切り替えを始めてから、極端にウンチの変化が見られる場合は、犬にそのフードが合っていない可能性があります。

それから、「犬の体重の変化」も重要なポイントになります。フードを切り替えてから、犬の体重が減ってしまっている場合、増えている場合、フード以外に理由がなければ合っていない可能性があります。
以前与えていたフードと比較して栄養バランスはどのように変化しているか、給与量の目安の違いはどれくらいあるのか、など調べてみると、次にうちの子にあっているかを見る目安にもなります。

おわりに

今回はドッグフードの中でも、動物性原材料を一切使用していない「ベジタリアンフード」についてご紹介いたしました。
ドッグフードにはさまざまな個性があり、その中のひとつが動物性原材料をあえて使わない「ベジタリアンフード」というわけです。動物由来の原材料を排除し、作ったベジタリアンフードが選ばれるようになった背景には、犬の体調だけではなく、環境への配慮や動物福祉への考え方など、さまざまな考え方に従ってドッグフードを選ぶ人が増えてきたことが影響しているように思います。
今回ご紹介した情報をもとに、皆さまも他のドッグフードと同じように比較検討しながら、ベジタリアンを選ぶ意味について考えてみてはいかがでしょうか。