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2023.05.31

犬の社会化とは?逃したらどうなる?成犬の社会化は可能?調べてみました。

犬の社会化とは?逃したらどうなる?成犬の社会化は可能?調べてみました。

犬との暮らしやしつけに関して調べているうちに、「犬の社会化」という言葉を見たり、聞いたことがあると思います。
話の流れであったり、雰囲気でなんとなく必要だなと理解はするけれど、具体的にどこまでのことを言っているのか、ちょっとあいまいですよね。
もしかしたら、少しずつ「犬の社会化」の言葉の意味や解釈も変わってきているかもしれません。

今回は、そんな「犬の社会化」「社会化期」についてポチのスタッフが初心に帰って調べ直してみました。

犬の社会化期とは、犬が色々なものに慣れるために適した時期のこと。

犬の社会化については、それに適した「社会化期」と合わせて解説します。

社会化期とは、生後1ヶ月~3ヶ月頃(3週齢~12週齢)から成犬になるころまでの期間のことを指すことが多いです 。
社会化期は犬が、人や他の犬、猫やウサギなどの同居するほかの動物などのほか、車や自転車といった無機物、雷や風の音まで、あらゆるものや環境に慣れるのに適した時期といわれています。

「社会化」という言葉のイメージから、なんとなく社会性など社交的な性格に影響すると考える人も多いと思いますが、そうとは限りません。
この時期にどのような経験をするかによって、犬の基本的な性格や苦手なもの、ストレス耐性や行動など、良くも悪くもさまざまな面で影響が出ると考えられています。

とはいえ、すべての犬がこの期間中に社会化するという訳ではありませんし、この期間を過ぎると一切社会化できなくなるというわけではありません。その子によって成長のスピードも変わります。ですから、社会化期という期間にこだわりすぎる必要はないと思います。

「暮らしの中で身につけさせたい基本的なマナーやトレーニングは、子犬のうちから少しずつ始めて行きましょうね」くらいの気持ちで良いのかもしれません。

社会化が十分ではないと、問題行動に出る…とは限りません。

飼い主さんの中には、犬の困った行動(問題行動)を「社会化させてあげられなかったからでは」と心配される方も多いです。
インターネットのメディアの中には、問題行動と社会化期の経験を結び付けて、あたかもそれだけが原因であるかのような書き方をしているものもあります。
でも、本当に社会化だけが原因なのかというと、それだけが原因ではないかもしれません。

例えば、他の犬と上手に遊ぶことができない犬がいます。そういった子たちはみんな社会化が不十分だったかというと、それだけが原因ではないと思います。生まれつき内気な性格なのかもしれませんし、飼い主さんが大好きだから、他の犬に一切興味ナシ、という犬だっています。

飼い主さんが一緒にいないと不安になって吠え続けたり、暴れてしまう(分離不安)犬の場合でも、子犬の時期はうまくお留守番できていたけれど、後にトラウマを経験したり、単にそういう行動をしたら飼い主が戻って来るからそうしているだけ、というケースもあります。

犬は学習し成長できる動物です。子犬の時期だけに限らず、成犬になってもさまざまな経験や体験から学ぶことができます。
実際、子犬時代の社会化が十分ではないと思われる保護犬でも、人間社会にうまく適応して快適に暮らしている子も少なくありません。だから、犬の困った行動がすべて社会化期に原因がある、と(無意識に)思ってしまっているようであれば、そうではないことも知っていただければと思います。

犬も飼い主も「楽しい」ことをたくさん一緒に経験するべし。

社会化期の犬たちは、さまざまなことに興味津々で積極的に行動します。この時に「楽しい」「幸せ」と感じたポジティブな経験には、良い印象を持つことになります。
例えば飼い主に褒められる、とか、一緒に遊ぶことに幸せな印象を持つことができれば、その後のトレーニングに役に立つことはイメージしやすいと思います。

社会化期を過ぎている犬であっても、ポジティブな経験を積み重ねていくことが大切です。その経験ひとつひとつが犬育てに繋がります。犬を育てることに遅すぎるということはありません。
幼い頃にさまざまな経験をさせてあげられなかったのであれば、大きくなってからその分たくさんの経験をさせてあげてください。楽しい経験は多い方が良いはずですから 。

おわりに:社会化期を逃しても、大丈夫。

犬の社会化期のスタートと呼ばれる期間は、数字で見るととても短いです。ただでさえ短く感じる子犬の時期の、さらに限られた期間です 。
ちょうどその時期にお迎えすることができて、周囲の人や犬に恵まれ、さまざまな経験ができる犬は多くはないはずです。
育った環境や出会った時期、その他さまざまな事情で社会化期に犬育てを十分にすることができなかった、と悩むことはありません。犬育ては小さなポジティブな経験をコツコツ積み重ねていくようにしたいですね。