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2023.05.17

元気がなくなる?散歩は?梅雨のお悩みについて考えてみました。

元気がなくなる?散歩は?梅雨のお悩みについて考えてみました。

四季があって美しい国、日本。移り変わる季節は私たちの暮らしを豊かにしてくれる一方で、犬の健康管理では気になることも出てきます。気を付けたいこと、起こりやすいトラブルは季節ごとに変わります。
今回取り上げるのは、もうすぐやって来る「梅雨」のトラブルについて。湿気が多かったり、蒸し暑かったりする梅雨の気になるお悩みについてご紹介いたします。

DOG's TALK

ペット栄養管理士 岡安

ペット栄養管理士です。犬ぞりやフリスビーなど、犬とできるアクティビティが好き。大型犬を見るとテンションが上がります。

梅雨に犬の元気がなくなるというお声も。

「梅雨の時期になると、元気がないように見える…」そう感じる飼い主さんは一定数いるようです。
梅雨に入ると元気がなくなってしまう原因はいくつか考えられますが、以下のものはあくまで可能性です。他にも気になる症状が出たら、飼い主判断はせずに動物病院で相談するようにしてくださいね。


【梅雨に犬の元気がなくなる原因】
・気温が上がり夏バテ気味
・雨でちゃんと散歩に行けずにストレスが溜まっている
・気圧の変化が体調に影響している
・この時期から食べる量が減る

数日間以上、元気がない様子が続いているようであれば、動物病院で相談してみるのが良いかもしれません。

梅雨に犬が食中毒になるって本当?

基本的に、犬は強い胃酸を持っていて、人間より食中毒になりにくいといわれていますが、だからと言って安心はできず、細菌によって作られた毒素までは胃酸で分解できないことがあります。

犬の食中毒を引き起こす細菌の代表的なものは、サルモネラ、カンピロバクター、ウエルシュ菌などがあります。
生の鶏、豚、牛にもサルモネラ菌やカンピロバクターが生息していますが、30~40℃において極めて速く増殖するといわれています。梅雨~夏の時期の室温でとくに増えやすいので、長時間犬のごはんを置いたままにしておくことは避けましょう。

雨で散歩に行けないときは、室内遊びを。

犬種に関わらず、散歩は可能なら毎日行うのが理想的。
というのも散歩はただの運動ではないからです。
自分の生活エリアの確認や他の犬との交流を通じて社会性を養うほか、散歩は外のにおいを嗅ぐことでストレス解消になります。犬のような知能の高い動物は、「退屈」が大きなストレスになります。
そのため雨の日に犬と室内で過ごすときは、運動不足と同時に、頭を使ってストレスも解消させるような遊びを取り入れるのが大切です。

■ 【こんな室内遊びはいかが?】

■オーダーレトリーブ

レトリーブはボールなどの物を投げて、犬に取ってこさせる遊びのことですが、家の中ではスペース的になかなか難しいはず。
その点オーダーレトリーブは、飼い主が指示を出し、指示した物を探し出して持ってくる、いわば宝探しのような遊びで、室内でも十分可能です。
日頃から呼び名が決まっているおもちゃやボールなどを、カゴに入れたり、別の部屋に置いた後に、犬に指示を出しましょう。
取ってくることができたらおやつなどのご褒美を与え、たっぷり褒めてくださいね。繰り返すうちにテクニックが向上し、数十個もあるおもちゃの山の中から、指示通りのおもちゃを取り出せるようになる犬もいます。

■引っぱり合いっこ

犬との遊びの定番、引っ張り合いももちろんオススメ。
おもちゃやロープなどを犬と引っぱり合うことでストレスを発散させる遊びで、広いスペースがなくても楽しむことができます。
引っ張り合う物は、すぐに千切れてしまわないような丈夫なロープのほか、古いタオルを編んだものなどもオススメです。誤飲しないサイズの物を使用してくださいね。

梅雨にてんかん発作が見られる理由は、気圧の変化が関係することがある。

てんかんなどの持病がある犬は、気圧の変化によって発作が出るという報告があります。実際、てんかんの持病を持っている犬と暮らす飼い主さんは、梅雨から台風が多い夏まで気を遣っているという方も多いようです。
梅雨の時期は低気圧が日本列島に長く居座るため、気圧の影響を受けやすい子は体調が安定しにくい季節と言えます。そんな時は、生活の質を上げるために神経系に働きかけるハーブなどを取り入れて、気圧の変化に備えてみてはいかがでしょうか。

犬のためにエアコンを使い始めるなら、梅雨から。

梅雨の時期になるとすっかり気温も夏に近付き、30度近くを記録する日も出てきます。体調管理のため、梅雨のころからエアコンを使って室温管理を行う人が多いです。

また、温度の感じ方に大きく影響するといわれている湿度。湿度も高い梅雨の時期は、気温と合わせて湿度の調整も行ってください。
一般に犬たちにとって、気温が25~28度、湿度50~60%がもっとも快適な環境と言われています。暑さに強い子、弱い子それぞれ個体差はありますが、いずれにしても体温を調節するのにはエネルギーを使います。とくにパピーやシニア犬たちは、これらの範囲内に湿度と気温を管理しておくと、より安心かもしれませんね。

梅雨に増える指間炎などの犬の皮膚病は、マラセチアなどの真菌が多い。

高温多湿の梅雨~夏にかけてはさらに雑菌が繁殖しやすい環境ですし、雨の散歩の機会も増えますから、雨に濡れた足先を生乾きのままにしておくと、犬は濡れていることが気になって舐め続けてしまうことで、菌が増え、それがきっかけでかゆみが出てしまうこともあるので注意したいところです。

犬の指間炎は、足先の指やその周辺で雑菌が繁殖してしまい、赤くただれてしまったり、強いかゆみ、脱毛などを引き起こしている状態です。犬にとって足先は、少しでも何か気になると舐めたりかじったりしやすい場所。ですから、一度起こってしまうと犬はかゆみや違和感を持った時についつい舐めたり、カジカジしてしまい、治りが遅くなってしまうという厄介なトラブルです。雨で足先が濡れたら、しっかりドライヤーで乾燥させましょう。

おわりに

今回は梅雨の時期に注意したいポイントについてご紹介いたしました。梅雨になると犬に元気がなさそうに見える、という時は、これらのポイントに注目しつつ、ほかにも体調や行動の変化が見られないかを観察してみてください。梅雨は季節の変わり目ですし、急激な気温や湿度の変化など犬の体調に影響する可能性もあります。
獣医さんによると「なんだかおかしいな」という飼い主さんの直感が病気やトラブルの早期発見につながるケースも少なくないそうです。"うちの子"のことですから、普段から変化に敏感でいたいですね。