犬の気質がひと目でわかる。トラフィックライト・バンダナとは？～南半球のDog's letter～

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*2 　職場の犬を称えよう。NZのトップドッグ・アワードとは？～南半球のDog's letter～

世界の様々な地域に順応して暮らしている犬たち。
ところ変われば犬とのライフスタイルも変わります。日本とはちょっと違う?!共通してるかも?!と思える目新しいドッグライフ情報を、自然豊かな南半球に位置するニュージーランドからお届けします。NZの南島オタゴ地方のSPCA（動物虐待防止協会）で作られた、犬の気質などについて一目でわかる「トラフィックライト・バンダナ」についてご紹介します。

DOG's TALK

この記事を書いた人：グルービー美子

ニュージーランド・オークランド在住のトラベルライター。JAL機内誌やガイドこの記事を書いた人：グルービー美子ブック「地球の歩き方」などに寄稿。子供の頃から柴犬と暮らし、現在はサビ猫のお世話係。趣味はサーフィン。

犬の気質や状況を可視化

犬が多いニュージーランド。家から一歩外に出れば、散歩中の犬に合わない日はないほどです。犬好きとしてはつい近寄って撫でたくなるのですが、ニュージーランドでももちろん飼い主さんに許可を得てから近づくのがマナー。こちらが犬を連れている場合でも、犬同士が挨拶を交わす前に状況を判断しなければなりません。犬によって気質が異なり、犬が好きな犬もいれば、ほかの犬とは距離を置きたい犬もいるからです。他者にひと目でその犬の性格や状況がわかるともっと便利なのに……そんな発想から生まれたのが「トラフィックライト・バンダナ」。その制作過程と使い方を紹介します。

交通信号機からヒントを得た犬アイテム

Traffic Light Bandanas公式サイト

トラフィックライトは日本語に訳すると交通信号機。赤、黄、青（英語ではグリーン／緑）の3色の支持の意味は世界共通認識です。それを利用したのがトラフィックライト・バンダナ。交通信号機と異なる点は、レッド、イエロー、オレンジ、グリーンの4色に分かれていることです。
グリーンは犬にも人間にもフレンドリーで落ち着いた気質の犬、イエローは耳が聞こえなかったり目が見えなかったりなど何らかの障害を持っている犬、オレンジは見知らぬ犬や人間に対して時折ナーバスになってしまう可能性がある犬、レッドはあまり人馴れや犬慣れをしていない犬を意味しています。
このバンダナを装着することで遠くからでもどのような気質の犬であるかがわかるため、トラブル防止になると好評です。色分けされているだけではなく、グリーンには「Friendly（フレンドリー）」、イエローには「I’m Deaf or Blind. Ask before Petting（私は耳が聞こえないまたは目が見えません。撫でるまでに尋ねてね）」、オレンジは「Caution（注意）」、レッドは「No Dogs（犬お断り）」とプリントされており、トラフィックライト・バンダナの存在を知らない人にもわかりやすく工夫されています。

野生動物とのトラブル防止にも

Traffic Light Bandanasが開発されたダニーデン。このビーチにもアシカやオットセイが現れることがあります

トラフィックライト・バンダナを考案・制作したのは南島オタゴ地方のSPCA（動物虐待防止協会）とオタゴ地方ダニーデン郊外にある動物病院です。海に面した都市ダニーデンはニュージーランド固有の海洋動物ニュージーランド・ファーシール（オットセイ）やシーライオン（アシカ）、キガシラペンギンといった野生動物が多く生息し、犬と遭遇する機会が頻繁にあることから、動物同士のトラブルが起きやすいことが問題となっていました。トラフィックライト・バンダナは犬同士や犬と人間が適切な距離を保つためのものですが、このバンダナの制作意図は、飼い主に野生動物にも気を付けるように伝える啓もう活動も兼ねているそう。