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2019.10.15

適切な犬の食事回数って?1回のごはんの量はどれくらい?【子犬・成犬・老犬】

人間が年齢とともに食が細くなってくるのと同様に、犬も年齢にしたがって食べる量が変化します。最近、食べる量が少なくなったな?とか、食べ足りなさそう…と感じたら、犬の年齢にふさわしい食事回数や量について改めて考えるときなのかもしれません。
ここでは犬の年齢と食事回数、そして適切なごはんの量に焦点を当ててご紹介していきます。

犬の食事回数はライフステージに応じて変えてあげよう

犬にとって適切な食事回数や食事の量は、生まれてからずっと同じというわけではありません。すくすくと成長する子犬の時期、活発に動き回る成犬の時期、エネルギーの消費が少なくなる老犬の時期、それぞれに合わせた食事回数を飼い主が見極めることが大切です。
今では犬の成長や老化などのそれぞれを「ライフステージ」と呼び、それぞれに適した栄養バランスや成分を含んだドッグフードも登場しています。

犬が毎日無理なくごはんを食べられるように、犬の年齢に合わせた食事の回数や量を見極めてサポートしてあげたいですね。

子犬の食事回数と量について


まだ生まれて間もない子犬は、1回の食事で成犬ほどたくさんのごはんを食べて、消化吸収することができません。胃腸などの消化器系も、体の成長とともに成犬と同じようにしっかりしていきます。

したがって、少量のごはんを何回かに分けて与える必要があり、生後6カ月までの子犬であれば、体重に合わせた食事量を3~4回に分割して与えることが多いです。

食事の回数を減らすのは、生後6カ月が過ぎたあたりからといわれていますが、その犬の個性を見て食欲が増えてきたら、一度に食べさせる量を増やして食事回数は2~3回へと徐々に減らして量を調節していきます。

「こんなに食べて太ってしまいませんか?」と心配される方もいますが、子犬は成犬と比較するとずっと多くの栄養を必要とします。それは健康的な体を作るのに必要なためです。
体重が増えてしまっても、成長のために体が必要とする栄養を、しっかり消化・吸収できているということですので、子犬の内は体重を気にする必要はあまりありません。
逆に下痢や軟便が続くようであれば、一度の食事の量が多すぎる可能性があります。1食を適切な量に減らして様子を見てください。

犬の様子を見ながら、適切な食事回数を見極めてみてください。

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成犬の食事回数と量について


生後1年を過ぎた成犬は、より活発でエネルギッシュに、そして自分で判断して色々なことを学ぶようになっていきます。

子犬の成長が止まったころに、ドッグフードも子犬用のものから成犬用のものに切り替える方が多いようです。それに合わせて食事回数や量も調整していきましょう。

成犬の時期になると、体重に合わせた食事量を、1回の食事で食べ切るようになります。ただし、一度に1日分の食事を与えるよりかは、朝夕で2回に分けて与える人が多いです。ただ、1日3回だったとしても1日分の量を調整していれば問題はありません。しっかりハリのある体のためにドッグフードの栄養をきちんと吸収できるよう、体に負担をかけすぎない食事回数を心掛けましょう。

成犬になった犬は、子犬の時期よりもエネルギー要求量が少なくなります。そのため、成犬になっても栄養もカロリーも豊富な子犬用のフードを与え続けていたり、食べるだけ食べさせていると体重が増えすぎて、肥満状態になってしまうこともあります。
ただ、運動量が多い犬であれば消費カロリーもエネルギー要求量も大きくなりますので、犬の運動量も確認しながら、体重と食事量の管理をしていくことが大切です。

老犬の食事回数と量について

一般的に老犬(シニア犬)と言われる時期は、犬の大きさによって様々ですが人と同様大枠としての目安程度になります。

小型犬や中型犬の場合は、8歳以降が老犬(シニア犬)の時期に入る目安です。一方、大型犬は7歳以降で老犬(シニア)と考えておきましょう。
老犬になると、成犬の頃よりも運動量が少なくなり、エネルギー要求量も少なくなります。

また、栄養を吸収する腸のはたらきも低下してきます。老犬(シニア犬)と呼ばれる年齢に近づいてきたら、必要に応じて老犬(シニア犬)用のフードへの切り替えを検討する方が多いようです。シニア用フードは、運動量が低くなったシニア犬に合わせてカロリーが低い傾向があります。
さらに、タンパク質、関節の機能性成分などをプラスしたものが多くみられます。これはシニア期になると運動量が落ち、筋肉も落ちていってしまうためです。シニアになってから、食が細くなる犬もいます。犬の食欲は運動量と関係していることもあるので、犬の様子をチェックしながら食事の量や内容を見直す必要があります。
老犬(シニア犬)の食事回数は、成犬のころとほぼ同じ、という方が多いです。しかし消化器系にトラブルがある犬や、体力が落ちている犬の場合は負担をかけないよう1日量を3~4回に分けて無理なく与えてください。

便秘になりやすい時期でもあるため、なるべく食物繊維をとり入れるようにするなど、食事の内容に気を配りたいですね。(ダイエットフードは繊維質が多い設計になっています。)

犬の食事回数がおかしいかも?と感じたら

年齢に合わせた食事回数を心掛けているのに、それでも食欲がなく必要量のフードを食べきれない場合には、好き嫌いなのかフードを変えてみるなどして確認し、そうでない場合は念のため獣医師に相談しアドバイスをもらう方が無難です。

必ずしも目安の範囲内に収まらなければならないわけではありませんが、犬が健康的な食事をしているかどうか、常に注意して観察してあげてください。

こまめなチェックが、犬の健康的な生活につながります。

おわりに

今回は、子犬・成犬・老犬それぞれの時期に合わせた適切な食事回数についてお伝えしました。成長期の子犬、活発な時期にある成犬、少しずつ体力が落ちてくる老犬。

犬の体の状況とそれに適した食事回数は、年齢とともに次々と変化していきます。特に消化器官がまだ発達していない子犬や、体が衰え始めてきた犬は食事回数を増やすなどの工夫が必要です。

必要な栄養がちゃんと吸収できるようにと体調を気にかけ、適切な食事の内容や回数を定期的に見直すことは、犬の体の健康を維持することにつながります。年齢の目安だけで決めなくても大丈夫ですが、食事回数を見直すときの参考としてお役立てください。

DOG's TALK

食事の回数が多すぎると、胃腸がずっと働いている状態となり負担がかかってしまいますから、胃腸を休める時間のことを考えた食事の回数にするのがベター。基本、犬はまとめ食いができますが、成犬で1日2回、パピーやシニア犬なら3~4回というのが一般的です。ただ、決まりはありません。病気や体質などもありますから飼い主が観察した上で、その家のルールでいいのではないかと思います。