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2019.12.25

犬にもオススメ栄養豊富な冬野菜、注目の野菜ビーツが赤い理由。

ポチで販売しているドッグフードや季節の限定デリに使用されている原材料一覧の中には、ビーツという野菜がたびたび登場します。このビーツ、最近では少しずつですが日本国内でも知られるようになり、ビーツを使ったレシピが紹介されるようになりました。
日本では、ロシア料理のボルシチの美しい赤い色を出す食材として知られていますが、ロシア以外でもヨーロッパの国々では比較的身近な野菜の一つのようです。
そんなビーツは、冬にとってもうれしい栄養が豊富に含まれていて、注目を集めています。今回は、ドッグフードにも使用されているビーツについてちょっと詳しくなれる、そんな基礎知識をご紹介します。

ビーツってどんな野菜?


ビーツはビートルート、レッドビートなどの別名があり、原産地は地中海地方とされています。とっても鮮やかな赤い色が出ることから、染料としても使用されていたことがあるようですが、実は砂糖を作る原材料の一つであるテンサイ(甜菜・サトウダイコン)の仲間です。
ポチのコラムを読んでくれている方はピンときたかもしれませんが、ドッグフードの原材料として使用されるビートパルプのもとになるのもビート(ビーツ)なんです。
(ドッグフードの原材料のビートパルプについて:ビートパルプって一体なに?危険といわれる理由とは?)

そんなテンサイの仲間でもあるビーツは、古代には薬としても使用されてきた歴史を持っています。主に便通が悪い時などに使用されてきたことがわかっていて、これはビートパルプと同様に、豊富な繊維質がおなかの調子を整えることが分かっていたからだといわれています。ヨーロッパでは煮込み料理だけではなくサラダやマリネ、ほのかな甘さを活かしたスイーツなどにも活用されて楽しまれているようです。

■ ビーツはなぜ赤いの?

一般的なテンサイとビーツ、同じ仲間なのにビーツにだけは鮮やかな色が付いていますよね。これはいったいなぜなのでしょうか?

その理由は、ビーツ固有の色素に理由があります。
ビーツは、ベタレイン類という種類に含まれているベタシアニンとベタキサンチンという植物性色素を持っています。それぞれ、ベタシアニンは赤紫色を、ベタキサンチンは黄色を発色するポリフェノールの一種です。

ベタシアニンとベタキサンチン、それぞれ似た名前の機能性成分があります。青紫色を発色するアントシアニンと、オレンジ色を発色するアスタキサンチン。ちょっと似ていますが、ベタシアニンとベタキサンチンは、ビーツの仲間が中心に持っている固有の色素で、現在研究が進められている最中なのだとか。シニア犬たちの目の健康にうれしいポリフェノール類の仲間なので、アントシアニンなどと同様に抗酸化力を持っているといわれています。
今後この色素の機能性が明らかになれば、さらにビーツの人気が高まっていきそうな気がしますね。

ビーツに含まれる嬉しい成分について


色素以外にもビーツにはいくつかの機能性成分に含まれる栄養があります。

■一酸化窒素

ビーツに含まれている栄養の中で、まず注目したいのが一酸化窒素という物質。一酸化窒素は、血管を拡張し血行を良くする働きがある、と言われています。この一酸化窒素に関する研究は、1998年にノーベル生理学賞で発表されて以来、医学で活用されてきた作用です。
特にビーツに含まれている一酸化窒素は豊富で、簡単に摂取できることから、今後さらに活用されていくことになるといわれている食材のひとつです。
ちなみに、ビーツを使ったボルシチなどを食べると、体がポカポカ温まるのも、一酸化窒素の抹消までの血行を改善する作用によるものだと考えられています。
犬たちにとっては、シニア犬のこわばりがちな筋肉をほぐしたり、体全体の巡りを改善するのに嬉しい成分です。

*1 炎症やかゆみなどが起きやすい体質の場合、過剰に摂取することで症状が悪化することがあるようです。

■腸内環境を整えるオリゴ糖・食物繊維

ビーツには良質な食物繊維(水溶性、不溶性)が含まれていて、腸内細菌のエサとして腸内環境の維持に役立ちます。また、サトウダイコンの仲間であるビーツには、ラフィノースというオリゴ糖が含まれています。

ラフィノースは一般的な砂糖の主成分である糖類・ショ糖と比較してカロリーは半分、甘味は1/5しか感じられませんが、消化器系で分解されずにそのままの状態で大腸まで届くことができるという特徴を持っています。そのため、プレバイオティクスとして腸内細菌の栄養として作用し、有用菌たちの活動を活性化してくれます。

おわりに

今回は、今後さらに注目を集めていきそうな食材、ビーツについてご紹介しました。実はドッグフードには以前から使用されていた原材料の一つで、色付け以外にもいろいろな理由で活用されてきたことが分かりました。
食材の特徴を知ることで、ドッグフードに使用されている理由や、犬たちの食事のメニュー選びの参考になるはずです。犬たちの食事を用意しながら、ドッグフードの原材料の一覧表をまじまじと見てみると、意外な発見があったり、気になるお悩みに合わせてフード選びをする際の選択肢が広がったりもするので、ぜひチェックしてみてくださいね。

ちょっとブレイク ポチっとクイズ

DOG's TALK

問題:ボルシチなどの鮮やかな赤い色を出す野菜、ビーツ。ビートパルプの原料でもある? 〇か×、どっち?

正解:〇です。ドッグフードの繊維質の元になっているビートパルプは、ヨーロッパではメジャーな野菜のひとつであるビーツから作られます。日本でもビーツはサトウダイコンやテンサイの名で知られ、砂糖を作る際に使用されています。