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2020.09.03

犬はやっぱりマッサージが好き!

犬はやっぱりマッサージが好き!

優しくなでてあげると、目を閉じてうっとり。そんな顔をしてくれると、こちらまで気持ちが満たされるのを感じます。マッサージは体のコリをほぐすのはもちろん、心を通わせる大切な時間です。散歩や遊びが「動」なら、マッサージは「静」のコミュニケーション。1日1回、そんな時間をつくってみませんか?

やさしくなでるだけで、とっても気持ちいい!

マッサージといえば、いわゆる指圧のように「ぎゅっ、ぎゅっ」と力を入れる方法をイメージされる方もいるかもしれませんが、犬の場合は優しくなでるだけでOK。全身をまんべんなくなでつつ、犬が気持ち良さそうにする部分を見つけましょう。一般的に犬が気持ちいいと感じるのは、自分で届きにくい部分だったりします。「あごの下」「耳の周囲」「眉間」「尾の付け根」「腰」「お腹」「肩」など、リンパの流れに沿ってなでてあげるとマッサージ効果も高まります。じっとしているのが苦手な犬には無理に続けず、本人(犬)に合わせて行うことが大切です。

【なで方のコツ】手のひらで流れるようになでるのがポイントです。

① 背中から尻尾
驚かせないように、首の後ろあたりから尻尾にかけてなでます。

② 顔から後ろ脚
顔の横面(口周辺)から胴をつたって、後ろ脚に流れるようになでます。

③ 顔から前脚
同様に、顔の横面(口周辺)から胴をつたって、前足に流れるようになでます。

④ 顔まわり
リラックスしてきたら、頭や眉間や耳周りもやさしくなでます。

⑤ 胸やお腹
仰向けになったら甘えている合図なので、胸やお腹もなでます。

犬は肩こりが多い!

実は、犬は肩こりになりやすい動物なのをご存知でしょうか?その理由は、体の構造にあります。四足歩行の犬の体は重心の約6割が前にあり、しかも前脚を支える鎖骨がないため筋肉への負担がとても大きいのです。また、飼い主を見上げるために首を上げる姿勢が多いのも肩こりの原因となっています。犬の肩は肩甲骨や首の付け根周辺になりますが、胸や首回りも同様にこっていることが多いため一緒にほぐしてあげると喜んでくれるかもしれません。

【犬の肩こり解消マッサージ】

① 肩甲骨まわり
前脚の付け根(背中側)にあるやや大きな骨が肩甲骨です。指の腹などを軽く押し当てて、円を描くようにくるくるマッサージします。

② 胸をさする
前脚の付け根(胸側)から肩甲骨(背中側)に向かって指の腹などで円を描くようにマッサージします。

③ 首筋をほぐす
肩甲骨から耳の後ろまでの首筋の皮膚を持ち上げるようにつまんで、ほぐします。

仕上げに肉球マッサージ

肉球好きの飼い主さんも多いと思いますが、肉球には人間の足裏と同じようにたくさんのツボがあり、さまざまなマッサージ効果があると言われています。犬の個性によっては肉球を触られるのが苦手な犬もいますので、様子を伺いつつ、マッサージの仕上げなどで犬がリラックスしたタイミングに取り入れてみてはいかがでしょうか。その際には、肉球のお手入れに嬉しいナチュラルな保湿クリームなどを活用すると、滑りも良くなり柔らかな肉球を維持できます。


【肉球マッサージのコツ】

① 爪が伸びていたり、傷がついていないかを確認します。
② 両手で脚を包むように持ち、両手の親指でやさしく押します。
③ 手首や足首周辺、肉球と肉球の間もやさしく広げるようにマッサージしましょう。

おわりに

血流をスムーズにしてコリをほぐしたり、老廃物を排出して新陳代謝を促したり、マッサージには人間と同じようにさまざまな健康効果が期待できます。なにより犬にとっては肉体的な気持ちよさ以上に、大好きな飼い主さんからの愛情をいっぱいに受けられて、心の底から幸せと感じられる至福の時間でもあります。
それだけに、マッサージを行うときは飼い主さんの心が穏やかなときに行うことがポイントです。イライラしていたり、心にゆとりのない時などに行うと、犬にもその気持ちがシンクロしてしまい、リラックスできないこともありますので注意しましょう。犬と一緒に心穏やかに過ごす一幕に、マッサージを取り入れてみてはいかがでしょうか。

DOG's TALK

犬のマッサージを行う時にエッセンシャルオイルを活用するとリラックス感がアップします。ただ、エッセンシャルオイルは非常に高い濃度まで濃縮されているので、犬に使用する際には必ず0.1~0.5%まで希釈する必要があります。希釈の際にはホホバ油など、さらっとしたオイルを使用するようにしてくださいね。
直接犬に使用するのではなく、希釈したオイルを手のひらにとり自分の両手にすり込み、手についたオイルで犬をやさしくマッサージする感じです。ほのかにアロマの香りを感じられるくらいでOKです。優しい香りやすっきり系の香りなど、犬のコンディションに合わせて選んでみるのもいいかもしれません。

参考図書

*1 「犬のための家庭の医学」(野澤延行)2019 山と渓谷社