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2023.07.12

犬の酸化ストレス&老化対策に注目。抗酸化成分、アスタキサンチン。[#ペット栄養管理士]

犬の酸化ストレス&老化対策に注目。抗酸化成分、アスタキサンチン。[#ペット栄養管理士]

犬たちのドッグフードの原材料としても人気が高いサーモン。
サーモンをドッグフードに使用するメリットのひとつは、サーモンが持っている抗酸化物質である「アスタキサンチン」の存在です。

アスタキサンチンといえば、人間用のサプリメントや化粧品などにも使用されていて「サーモンの鮮やかな色のもと」ということは知っている方も多いのではないでしょうか。実際に、アスタキサンチンが配合されている化粧品を使っている、という飼い主さんもいるかもしれません。

今回は、アスタキサンチンがどのように働き犬たちの健康に役立っていくのか、なぜドッグフードに使用されているのか、そしてそのパワーをより発揮させる摂取法をご紹介します。

DOG's TALK

POCHIのペット栄養管理士 岡安

POCHIのペット栄養管理士 岡安

ペット栄養管理士です。犬ぞりやフリスビーなど、犬とできるアクティビティが好き。大型犬を見るとテンションが上がります。

抗酸化成分、アスタキサンチンとは?

アスタキサンチンは、サーモンやエビの仲間が持っている色素物質のひとつで、緑黄色野菜などに含まれるβ-カロテンやトマトに豊富なリコピンなどと同じくカロテノイド=天然色素に含まれる成分です。
サーモンやマスの仲間以外では、甲殻類の殻やマダイの皮などの赤もアスタキサンチンに由来するものです。
アスタキサンチンはカロテノイドの一種なのですが、カロテノイドの多くは植物が保有していることが多い一方で、アスタキサンチンはカニやエビ、オキアミなどの甲殻類やプランクトンが豊富に持っている成分です。
これらのプランクトンを 餌にする小魚をそれよりも大きな魚が食べ 、更に大きなサーモンがその大きな魚を食べる……といった具合にアスタキサンチンが巡っていきます。
そのため、私たちや犬たちが食べるサーモンには膨大な量の魚たち、そしてさらに膨大な量のオキアミが持っていた、アスタキサンチンが濃縮されて豊富に含まれている、というわけです。
同じような理由で、プランクトンをエサにする魚を食べるフラミンゴは、その鮮やかな羽の色をアスタキサンチンによって出しているのだそうです。
人間や犬たちがサーモンなどの魚からアスタキサンチンを摂取できるのは、食物連鎖の賜物、ということができるのかもしれません。

サーモンを使ったドッグフード人気No.1

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POCHI ザ・ドッグフード ベーシック ワイルドサーモン

●保証分析値
タンパク質 30%以上、脂質 10%以上、粗繊維 7.4%以下、灰分 7%以下、水分 10%以下、カルシウム 0.93%、リン 0.80%、タウリン 0.7g/kg、EPA 2.5g/kg、DHA 4.5g/kg
○代謝カロリー 315kcal/100g

●粒サイズ
小粒サイズ:約7-8mm  厚さ約5mm

●原産国名
オランダ

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犬の健康とアスタキサンチンの働き


アスタキサンチンは、どのような形で犬の健康維持に貢献するのでしょうか?
代表的な働きである、抗酸化成分としての働きをご紹介いたします。

 

■アスタキサンチンを摂取することで細胞の老化に歯止めを

アスタキサンチンの機能性成分としての働きは、なんといっても抗酸化作用です。
βカロテンやリコピンなどの、ほかのカロテノイドと同じように、細胞の酸化の原因となる活性酸素を取り除く働きを持っています。

活性酸素は本来、体が持っている機能として一定数作られているのですが、老化をはじめとするさまざまな要因によって過剰に作られることがあります。過剰な活性酸素は、細胞を傷つけて細胞の老化を進めることになります。

この過剰になりすぎた活性酸素を減らすのが、アスタキサンチンの代表的な働きです。

 

■紫外線対策として

強い紫外線を浴びることでも活性酸素は増加します。
そのため、強い日差しを浴びることになる夏の間は活性酸素が増えやすい時期。
大量の紫外線を浴びて体内の活性酸素が増えたままの状態だと、体内の細胞の老化が進みやすい状態になります。
老けこんで見える、というだけではなく、内臓系の健康維持や認知機能の健康維持の観点でも、活性酸素が多い状態は望ましいとは言えません。暑い夏も、しっかりと抗酸化を意識していくことが、犬のQOL(Quality Of Life)を高く維持する秘訣です。

 

■運動後の体力サポートとして

実は、アスタキサンチンは体力回復のサポート役としての側面も持っています。
今、アスリートたちの間で注目されているのが、アスタキサンチンが持っている筋肉の疲労に働きかけているところ。
負荷の大きい運動をすると活性酸素が大量に発生して筋肉が酸化し、筋肉疲労や痛みの原因になります。
しかし、あらかじめアスタキサンチンを細胞の中に蓄えておくと、筋肉が疲れにくくなり、体力維持に役立つことが分かりました。
このことから、普段から運動量が多いアスリートタイプの犬たちや、筋肉質な体質の犬たち、筋力の維持が重要な大型犬はもちろん、それ以外の犬たちでも運動後の体力回復を意識したいときに、アスタキサンチンは役立つ栄養と言えそうです。

 

■サーモンの生態とアスタキサンチン

サーモンの仲間は、川の上流で生まれ、海に移動して広い海を回遊し、動画のように産卵のために故郷の川をさかのぼっていきます。
この一生は、他の魚とくらべても、肉体的にも精神的にも強い負荷がかかる環境で、ストレスにさらされているように思われます。

これだけ過酷な一生を送るからこそ、サーモンの仲間は身がピンク色になるまでアスタキサンチンを溜め込んでいる…という説もあるそうです。実はサーモンの筋肉にはアスタキサンチンを溜め込む機能があって、そのためにほかの魚などと比べて体に含まれるアスタキサンチンの量は多くなっています。
海にいる間、アスタキサンチンを多く含むオキアミを餌にして体にたっぷり溜め込んでから、サーモンは長い旅の果てに生まれ故郷の川に戻り、アスタキサンチンを卵に引き継いでその生涯を終えることになります。
浅瀬で生まれた卵は、強い紫外線にさらされますが、親サーモンが卵に託したたくさんのアスタキサンチンによって、紫外線ダメージから卵を守ることができていると考えられています。

アスタキサンチンの取り入れ方

アスタキサンチンを豊富に含む食材としては、以下のものが代表的な食材です。

・サーモン、マス(トラウト)
・オキアミ、アミエビ、サクラエビ
・いくら
・カニ、エビなどの甲殻類
・タイ

犬にとってもっとも身近なものでは、やはりサーモンです。ドッグフードを選ぶ時に主原料としてサーモンを使っているものを選んだり、トッピングとして鮭を焼いて与えるのもオススメです(塩鮭ではないものだと安心ですね)。
また、アミエビなどの小型の甲殻類は犬用のふりかけなどになっていることがあるほか、これらに含まれるオイルを濃縮したサプリメントも販売されています。

いくらにもたっぷりのアスタキサンチンが含まれています。脂質も豊富で、EPAもたっぷりの栄養食なのですが、食べると下痢になりやすい傾向もあるようですので、数粒を食べさせる程度にしておいた方がよさそうです。

また、エビやカニなどの甲殻類、鮮やかな色が特長的なタイにもアスタキサンチンは含まれます。

おわりに

今回は、犬の健康維持に役立つ「機能性成分」としてのアスタキサンチンについてご紹介いたしました。アスタキサンチンはエイジングケアだけではなく、夏の紫外線対策や体力の維持、スポーツドッグの健康維持にも役立ちます。
まだまだ研究が進められている段階の成分ですので、今後より使いやすく効果的な形で取り入れられるようになれば、犬の健康寿命はもっと伸びていきそうですね。

 

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