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2023.05.22

紫外線から犬の皮膚・被毛の美しさを守る栄養は?オススメ成分3選をサプリメントで取り入れよう

紫外線から犬の皮膚・被毛の美しさを守る栄養は?オススメ成分3選をサプリメントで取り入れよう

夏に向けて徐々に強くなっていく紫外線。私たち人間の皮膚だけではなく、犬の皮膚、被毛にもダメージを蓄積させていきます。
紫外線は日焼けだけではなく、犬の皮膚を刺激して炎症や脱毛を引き起こすほか、敏感肌の犬の場合は長く続くかゆみなどを引き起こして、長期的な対策が必要になるケースもあるので、とくにサマーカット中は気を付けたいですね。

そんな犬の皮膚を強烈な紫外線から守るために、私たち飼い主はどんな取り組みができるのでしょうか?
今回は皮膚・被毛の健康維持に役立つ栄養素3選とそれらを含むサプリメントをご紹介いたします。

紫外線は犬の皮膚にも有害です。

私たち人間は紫外線によって皮膚にダメージがあることが常識になっていますよね。日差しが強い時期には日焼け止めを塗ったり、日傘をさしたりして紫外線を避けています。
犬も人間同様、皮膚に強い紫外線が当たり続けると様々な影響が出ます。

・日焼けする(メラニン色素が増え、シミができたり皮がむけたりする)
・皮膚が赤くなり、かゆみが出るようになる
・皮膚の角質層が割れ、はがれる「麟屑(りんせつ)」が起こる
・脱毛する

また、犬でも強い紫外線を長時間浴び続けることは皮膚がんのリスクになると考えられています。とくに"扁平上皮がん"は、発生しやすい場所は紫外線が当たる場所であり、紫外線量によって炎症もひどくなりやすい傾向があります。

被毛に覆われている犬でも紫外線ダメージは蓄積します。

とはいえ、一部の犬を除いて被毛で体を覆われている犬たちですから、人間ほど紫外線の影響は大きくないように思われるかもしれません。
しかし犬種によっては被毛の密度が低かったり、それ以外の犬でも体の一部の毛が薄かったりします。注意が必要な部位と犬は以下の通りです。


【犬が日焼けしやすい部位】
・目の周囲
・耳の先、中
・鼻の周辺
・口の周辺
・お腹
・内腿

顔周りは犬も紫外線を受けやすく、皮膚も弱いので注意が必要です。敏感肌の子では、赤みがかってかゆがる犬もいるようです。
夏場に紫外線を浴びた後、犬の鼻の皮がむけた…なんて経験がある方もいるかもしれませんね。
それから、注意が必要なのが下腹部や太ももの内側。この部分はどんな犬でも毛が薄い傾向にあり、地面の反射光で日焼けしやすくなっています。


【日焼けに注意が必要な犬】
・毛の密度が低いシングルコートの犬(トイプードル、ヨークシャーテリア、マルチーズなど)
・チャイニーズ・クレステッドドッグなどのヘアレスドッグ
・サマーカットをしている犬

ニュージーランドでは「犬の日焼け止め」はメジャーなアイテム

日本国内よりも強い紫外線が降り注ぐニュージーランドでは、犬のための日焼け止めクリームが市販されているそうです。
人間の日焼け止めには酸化亜鉛などの成分が含まれているため、犬専用の安全に配慮されたものがマストアイテム。
ペットショップや動物病院で手軽に手に入るそうです。
日本でもやがて、犬用の日焼け止めがメジャーなケア用品になる日がやって来るのかもしれません。

紫外線が強い時期、意識したいのは「抗酸化成分」

非常に強い紫外線が皮膚に当たると、肌の細胞の酸化を早めます。酸化が進んだ細胞は十分に本来の役割を果たすことができなくなります。このことを細胞の老化、なんて呼んだりします。老化した細胞は本来であれば新しい細胞に入れ替わり、健康的な機能を維持しようとするのですが、新しい細胞を作る力が衰えたシニア犬では、細胞の入れ替わりに時間がかかり、そのことが皮膚トラブルの原因になることも。

そこで、取り入れたいのが「抗酸化成分」と呼ばれる栄養です。

 

■抗酸化ビタミン類

抗酸化ビタミンには、ビタミンA、ビタミンC、ビタミンE、ビタミンB2などがあります。

脂溶性ビタミンは、細胞膜の成分であるリン脂質という「脂の膜」の内部にはいることができます。
そして、細胞の内部で活性酸素によって酸化させられてしまう細胞に代わって酸化されることで、細胞の酸化=細胞の老化を防ぐ助けになります。

一方、ビタミンCは水溶性なので細胞膜の中に入ることはできませんが、活性酸素を捕まえて無害化することができる栄養素。
犬の細胞が実際に傷つけられる前に、ダメージを抑える働きをするのがビタミンCです。
さらに面白いことに、細胞膜のリン脂質に代わって酸化したビタミンEをビタミンCが再生し、再び抗酸化物質として活用できる形にできるのだそうです。
犬の体内で栄養のリサイクルが行われている、ということもできそうですね。

ビタミンEとそれをサポートするビタミンCの力を借りて、酸化ストレスを抑えていくことは、エイジングケアなどの犬の健康管理のポイントとなり、夏の間は食事から積極的に取り入れたいところです。

そしてビタミンB2は、フリーラジカルを分解することができます。
また、細胞の成長を促す働きも持っているので、フリーラジカルによって細胞が傷ついた後に新しく生まれた細胞が健やかに育つようサポートしてくれます。

 

■カロテノイド類

カロテノイドとは、動物や植物に存在する、赤色、橙赤色、黄色などの天然色素の総称です。
代表的なものに、トマトに含まれるリコピンやマリーゴールドに含まれるルテイン、緑黄色野菜に含まれるβ-カロテン、パプリカなどに含まれるゼアキサンチンなどがあります。
また、動物性のものではサーモンやイクラ、エビなどの鮮やかなオレンジ色の色素であるアスタキサンチンもカロテノイドの一種です。

紫外線を浴びることで体内で大量に作られる活性酸素は、細胞を酸化させてしまいますが、その活性酸素そのものを作りにくくしたり、取り除く作用を持っているのがカロテノイド類なのです。
カロテノイド類を適量摂取することが、紫外線による細胞へのダメージを軽減することに繋がります。

 

■ポリフェノール類

ポリフェノールとして知られるものとしては、カテキン、フラボノイド、イソフラボンなどがあります。これらの成分が含まれる代表的な食品としては、赤ワイン、コーヒー、緑茶などがありますが、犬に食べさせられるものとしては、ブルーベリーのほか、豆腐に含まれるイソフラボンもポリフェノールの一種で、身近な存在ですね。
一般に苦味や渋味が強く、色の濃い植物の実(特にその皮や種)に多い傾向があります。
ブルーベリーやアロニアに含まれるアントシアニンは、フルーツ由来ということで人気が高いです。やっぱり美味しいフルーツのイメージがあると挑戦しやすい、という面があるようです。

紫外線対策始めるなら、オススメサプリメントご紹介!

今回ご紹介するサプリメントの中には「瞳ケア」をうたっているものが多いのですが、紫外線によってリスクが高くなる白内障対策に役立つ成分は、紫外線対策に役立つものと共通していることが多いので、こちらでもご紹介いたします。

 

おわりに

今回は、夏に紫外線対策を意識したい理由、そして注目の栄養素についてご紹介いたしました。

一見すると犬はあまり関係がなさそうな紫外線。でも影響は間違いなく犬の皮膚や瞳にも届いています。近年では紫外線が強くなるタイミングも早くなっていますので、皮膚のトラブルが気になる子は少し早めから栄養面のサポートを始めてみるのも良いかもしれません。

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