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2025.07.23

ドイツの街角から~しつけ教室の成果-実生活の様子-~

ドイツの街角から~しつけ教室の成果-実生活の様子-~

*1 pochinski: スペインで保護された犬と暮らす、ドイツ在住の旅行&ファッションライター。趣味は犬の絵を描くこと、犬の首輪や冬用のセーターを作ること、たまに犬の手作り食やケーキ作りも。犬と暮らす日常のひとコマを不定期にお届けします。

私たちがタビィを飼い始めてから間もなく2年が経ちます。野犬として生まれ、動物保護団体に保護されるまで野犬として育ったタビィが、時間をかけながらも私たちに慣れ、成長していく姿を頼もしく感じている毎日です。ただ、生い立ちのせいか、本来の性格なのか、タビィの行動には気になる点がいくつかあります。
1つは、散歩中に鳥を見つけると興奮し、飛び掛かりそうになる点。リードにつないでいなければ、鳥を追いかけて捕まえてしまうかもしれないとハラハラしています。ほかの犬と仲良く遊べないことも心配の種です。仲良く遊べないどころか、ほかの犬が近づいてくるだけでも吠えてしまいます。

カラスを見て、興奮するタビィ。

カラスを見て、興奮するタビィ。

ジョギングする人々や犬に吠えたりすることはありません。

ジョギングする人々や犬に吠えたりすることはありません。


私たちは特にこの点を気にしており、専門家からアドバイスをもらうためにドッグスクールを訪ねてみました。
私たちに対応してくれたのは、動物心理学士のトレイナーさん。広い敷地内にタビィを放って様子を観察し、私たちの悩みを解消するためのトレーニング方法などを伺いました。
私たちの悩みに対するトレイナーさんのアドバイスは次の通りです。まず、鳥に飛び掛かろうとするのは動物の本能で、取り立てて心配しなくても良いとのこと。もちろん、実際に鳥を捕まえたりしないように私たちが十分に気をつける必要はあります。
一方、ほかの犬たちとのつき合い方ですが、その気がないタビィを犬たちと遊ばせようとしても負担を与えるだけなので、無理強いしないほうが良いのだそう。自信の無さが吠えるという行動につながっているため、タビィには遊びやトレーニングを通して自信をつけさせることが大切だと教わりました。

写真右が屋内での様子。写真左の屋外ではさまざまな場所を利用し、おやつを探させます。

写真右が屋内での様子。写真左の屋外ではさまざまな場所を利用し、おやつを探させます。

トレーニングの1つはおやつ探しです。紙やおもちゃなどさまざまなものを入れた箱の中におやつを隠し、タビィに探させるという方法。箱の中に顔を入れた際に起きる音や物の動きにおびえたり、驚いたりしがらもおやつを探せたら成功です。また、屋外ではおやつを芝生の上に投げたり、建物のくぼみに隠したりしておやつを探させます。こうしたトレーニングを繰り返す中で、タビィは恐怖心を克服し、好奇心を高めていくようです。

タビィは子どもが大の苦手ですが、私たちが一緒にいれば、姪っ子とも散歩ができるように。

タビィは子どもが大の苦手ですが、私たちが一緒にいれば、姪っ子とも散歩ができるように。

トレーニングを始めてから2カ月、さまざまな物事に対する好奇心は着実に高まっていますが、ほかの犬に対する恐怖心はまだ強いようです。タビィがしっぽを振り振り犬たちと挨拶を交わす日を思い浮かべ、トレーニングを続けるのみですね。